性格と頭の良さはまた別のもの

 以前から何度か「リナが頭の悪いキャラに見えるように表現されることは私の中でNG」と書いたことがありましたが・・・ふと気がついた。性格と頭の良さ、ひいてはそれに限らず個人が持っている能力というのは、また別の場所にあるものなんだなあと。

 別のマンガの話になりますが、DEATH NOTE夜神月。ライトは全国模試一位の頭脳の持ち主で、その頭脳を生かし、「キラ」として警察を手玉にとって来ました。しかし、一方で「負けず嫌い」という性格の持ち主でもある。この性格が災いして、ピンチを招いてしまった。冷静に考えるなら、Lの挑発を受け流し、FBIも無視して知らぬ存ぜぬで淡々と「裁き」を続けていれば、Lは完全にお手上げだったでしょう。性格ゆえに合理的ではない選択してしまう。こういうことって現実の世界でも良くあることだと思う。

 さて、スレイヤーズの話に戻る。リナの性格について。彼女は基本的に自分の欲望にとても正直なので、わがままで、気が短くて手が早い。周囲の人間にしたらはた迷惑極まりないんですが、それを笑って済ませちゃうお調子者でもある。この辺りは原作初期から描かれているリナの性格で、その破天荒な振る舞いはスレイヤーズという作品の売りの一つでもある。で、こういう性格のキャラはそこだけを客観的に見たら頭悪く見えるな、と、そう思った。で、それは認めようと。性格は性格なんだ、と。だけど、リナが頭の悪いキャラではないことは作品を読み進めていけば分かること。いざ戦闘になったときのトリッキーな戦略や、状況から物事を冷静に分析・推理して事件解決に向かう姿勢、魔道士としての知識、などなど・・・。能力としては非常に高い頭脳を持っている。特に原作だと、一人称形式のため、地の文は全てリナの思考として表現されているので、冷静さや頭脳明晰な部分は強調されます。またリナ視点から見ているので「わがままさ、身勝手さ」の部分は第三者的な視点で見るよりは和らぐ。
 一方アニメは、というと、心理描写は原作より制限されるし、視点も第三者的に外側から見る形。表面上の「性格」の部分が際立って見えるのはある程度仕方ないのかな、と。だけど、「頭の良さ」の部分がまったく無視されているわけではなく、要所要所ではその要素も見えるようにはなっている。その辺は表現方法の違いから来るもので、アニメ版は「普段はドタバタ好き放題やっているけど、決めるときは決める」という感じに見た方がいいのかな、とか思った。
 それにしても、REVOLUTIONの4話は度を越えてると思いますが。