リナ=インバースを語る 第1回

 スレイヤーズについて色々感想とか考察とか色々書いてきましたが、思えばキャラクターについて語ったことはあまりなかった気がします。あまり声を大にしては言ってないけど、感想を読んでもらえればお分かりの通り、スレイヤーズの中で好きなキャラクターはリナです。私の中でのリナの魅力を纏めてみようかと。少しREVOLUTION初期の話にも触れているので、未見の方は注意。


 まずは、原作とアニメどっち派かと言う話をしておきます。どちらかを選べといわれれば原作かな、と思う。でも、原作リナもアニメリナも強調する部分の違いで、本質はそんなに変わらないと思っているので、あえて拘らずに書いてみます。

◆Power

 リナを語る上では「人間では最高レベルの魔力に裏付けられた魔道士としての強さ」、これは外せない。少なくとも私の中では。そもそも私がスレイヤーズファンになったきっかけはアニメの無印10話のVSシャブラニグドゥ戦です。この話のリナがもうめっさかっこよくて。魔王との戦いの中、窮地に立たされたリナは切り札であるギガ・スレイブを使って、見事勝利を収めるわけです。もう只者じゃねえ、と。
 少し話が反れますが・・・去年亀田問題でテレビが沸いたときに、テリー伊藤(だったと思う)がこんなことを言っていた。「ヒールっていうのは、強くなきゃ魅力ないんですよ」(うろ覚え)。リナと亀田を同列に考える気はまったくないけど、この発言は一理あるかな、と思った。リナは決して正義の味方ではない。我儘で傍若無人で態度も大きい・・・だけど「強い」。口だけじゃなく、その自信に説得力を持たせるだけの力を持っている。原作8巻のアメリアのセリフに「それでこそリナよ!(中略)例え日ごろの行い悪くても見境なしの大食いでも気が短くても分別なくても、やるときはやる!それでこそよっ!」とあります。ここにもリナの持つ「力」への信頼感が現れていると思う。何だかんだ言いながら仲間達がついて行くのはこの辺の信頼感からなんでしょうね。「やるときはやってくれる」と。ガウリイがついていくのは別の意味もあるんだけど。
 スレイヤーズREVOLUTION初期においてリナに強い違和感があったのもこの辺が原因の一つな気がする。どうにもワイザーとポコタにいいようにあしらわれているような印象が先行してしまって、「圧倒的なパワーによる強さとかっこよさ」を示せていなかった。やはり1話ドラグ・スレイブは必要だったんじゃないかと。お約束を崩して意表をついた、という面では面白い試みだったと思うんだけどね。2話ではドラスレはやったし、小技を使った魔法の応酬など、強さとかっこよさが見えるエピソードだったのですが、その辺のイメージが3話4話に繋がらなかった。
 とは言え、彼女の本当の意味での強さというのは「人間最高レベルの魔力」によるものだけではないし、決して力押しだけのキャラクターでもないのですが、それはまた別の項で。

◆Weakness

 最初に「強い」と持ち上げておいていきなり今度は「弱さ」を挙げてみる。前述の通り、リナは「人間としては最高レベルの魔力」を持っているわけですが、その強さは完璧ではない。確実に「人間的な弱さ・脆さ」を持っている。
 そもそも、スレイヤーズ世界の人間は、他の種族に比べると弱い存在として設定されている。本編リナが戦うことになる魔族なんて、高位の連中になってくると、普通に戦ったら人間では絶対勝てないとまで言われるくらい圧倒的に強い存在です。そんな魔族を前に、リナも利用されると分かっていても従わざるを得ない場面もあった。人と魔族、そこに絶対的な差があることはリナも痛いほどに理解している。
 リナが力の拠り所としている「魔法」にもまた弱点がある。それは呪文の詠唱が必要なこと。唱えている間は隙が生じてしまうため、そこを何とか埋める必要が出てくる。リナは剣もそこそこ使えるし、相手の攻撃をかいくぐるための体技も持っている。だけど、あくまで「そこそこ」なわけで、一般レベルの相手なら造作もないけど、その辺を極めていて呪文を唱える隙を与えてくれない相手だと非常に分が悪くなる。
 そして、メンタル面もしかり。基本は強い精神力を持ったリナですが、そこは人間。凹むときは凹みます。4巻では魔族に狙われていることに感づいて上の空になってみたり、11巻ではあんまりいい思い出がないから、とガイリア・シティ行くのに憂鬱になってみたり・・・。
 完璧に強いのではなく、弱さを内包している。この辺のいい意味での人間臭さが好きです。私のようにあんまり精神面強くない人間としては特に。そして、この「弱さ」を埋めて「強さ」に変えているものがリナの真の魅力だと思っています。
 そして、私見ですが、ガウリイはこのリナの「弱さ」の部分をよく分かってるんだと思う。普段は物事の判断とか記憶とかはリナに任せちゃってる。だけど、リナが弱っているときとかピンチのときはいつもさり気なくフォローする。ガウリイはリナの弱さを外部から埋める存在なんだと思う。

 といった感じで第1回は終了。続きはまだ頭の中でも纏まっていないので、不定期に書いていこうかと思っています。多分長くなりますw