古畑任三郎ファイナルネタバレ感想。

 珍しくドラマの話です。ネタバレなので見てない人はご注意を。推理モノだし致命的だと思うんで…。


★第1夜「今、蘇る死」
 藤原竜也が犯人かと思いきや、黒幕は石坂浩二でしたよ〜というオチ。そりゃ石坂浩二ほどの大物がただの脇役で終わるはずないよな〜、とひねくれた見方をする人。真面目な話、音弥が自分の考えた計画を自らの意思で実行している様に見せかけ、実は操られているだけだったという流れにはしてやられました。最初から犯人がわかっている、という古畑の基本展開を逆手に取ったサプライズですね。でも、事前にネットで見かけた紹介文で「第1夜は最後まで犯人のわからない本格推理劇」とかってさりげなくネタバレしていたのが残念だ。

★第2夜「フェアな殺人者」
 イチローが役者に初挑戦、という話題作。イチロー本当にうまかった。本職の役者さんたちの中で全然違和感なかったもんなあ。でも、この回はイチローが役者としてもたいした奴であることが示されただけで脚本はイマイチな気がします。
 最初「フェアな殺人者」ってタイトル聞いたとき、うまいな〜と思ったんです。一見矛盾する二つの単語を組み合わせたミスマッチさがいいな、と。んで、どんな犯人像を見せてくれるのか…と思いきや、結局その矛盾がそのまま画面に出てしまった感じ。ウソが嫌いな犯人って…。その割りに証拠隠滅工作とかしてるぞ。真ん中編で「被害者と会ってました」って言っちゃった時点で半分自白したようなもんだったし。やっぱ推理モノって犯人が偽装とか言い逃れとかするからこそ面白いんだと思う。特に古畑は犯人事前にわかってて、それをどう暴いて行くかがポイントだから、なおさらだよ…。実在の人物がモデル、と言う事で犯人とはいえ、イメージを悪くする様にはには出来なかったんだろうな。

★第3夜「ラスト・ダンス」
 3作の中では一番よかった。双子の被害者と犯人が実は入れ替わっていた、という大どんでん返しに気づいたときは鳥肌立ったよ。犯人と被害者が双子だったのはてっきり「松嶋奈々子が2役に挑戦」とかって話題つくりのためかと思ってましたよ。実際演じわけも見事だったし合成技術も継ぎ目とか全然見えなくて、それだけでも充分話題になったと思います。でもそれがトリックに使われていたとは…。私は終盤のインタビューの場面で気が付いたけど、それに気が付いた時、頭の中ですべての謎が解けた!って感じで1本に繋がった感覚が面白かった。これも第1夜同様、「犯行の現場から描かれる」展開をうまく逆手に取ってました。まさに有終の美。これがファイナルらしいけど、視聴率もよかったし、終わりそうにない予感…。是非続編やって欲しいです。

 最後に全体の感想。今回は今泉君が「全く関係ない言動から重要なヒントを提供する」という、探偵の助手の鏡的な行動が少し少なめだったのがちょっと寂しかった。笑いは提供してくれてましたけどね。