スレイヤーズREVOLUTION 第11話ネタバレ感想 その1

 今週は第11話「Keep out 忍び寄る魔獣!」。ラスト3話となりました。以下、ネタバレで。


 私・・・悟りを開いたかもしれない・・・。この内容で何のショックも受けなかったぞ。今回は設定確認と次回への繋ぎの回なわけですが・・・ザナッファー設定無印と整合性とる気ないわ、デュクリスはなんかよくわからないのに逆恨みで復習鬼になっちゃってるわ・・・。無我の境地、第3の扉「天衣無縫の極み」を開けてしまったようだ。「・・・スレイヤーズ楽しいじゃん」*1。もうあれだ、細かいことあんまり気にしてもしょうがないや。面白かったところとか好きなところを楽しめばいいんだよ。初めてスレイヤーズを見たときの「設定よくわからんけど面白い」って感覚で見ればいいのか。・・・今更そこに戻れと・・・orz。第一印象はそんな感じだった。まあ、キャラクターに強い違和感はなかったので、その点はよかったかな、と。でも、色々考えているうちに見えてきたものもあるので、その辺を含めて感想を書きます。

 まずはデュクリスについて。今日は彼についてずっと考えていました。完全に復讐モードに入ってしまったデュクリス。「疫病の蔓延により滅びつつあったタフォーラシアを見捨てた近隣諸国へ復讐する」、というのが彼の思考です。「集められた救援物資を横取りしたのはジョコンダ」・・・この事実も火に油を注いだだけでした。「救援物資」なんて諸国が体裁を繕っただけじゃないか、結局本気で助ける気などなかった、と。この理由を見ると、なんかよくわからない逆恨みです。でも、その復讐心を語るデュクリスの眼は怒りに満ち、それでいて妙に落ち着いているように見えました。もう何を言っても届かない。そんな眼。あの表情はよかったと思う。彼がそこまで憎悪と募らせるには何か理由があるのではないか、と。深読みかもしれない。だけど、考えてみた。
 タフォーラシアがあのまま滅びていたなら、彼の憎悪も理解できないわけじゃない。逆恨みとはいえ、やり場のない怒りが見捨てた周辺諸国へ向かっても納得がいく。でも、タフォーラシアには復活への希望が残されているんですよね。レゾの封印が解ければもう病気は治せる。でも・・・既に死んでしまった人もいるんですよね。ひょっとしたらその中にデュクリスの大切な人がいたのかもしれない。特定の人間じゃないにしても、「元通りのタフォーラシアには戻れない」という思いが月日を経るごとに募っていき、やり場のない怒りがやがて周辺諸国への復讐心に・・・という流れはあるかな・・・?いや、でも直接の原因は疫病。戦争とかで理不尽に殺されたのならともかく、さすがにこれだけで「周辺諸国」にまで露骨に憎悪を寄せるだろうか。ポコタはこの現実を受け入れているわけだし、なぜデュクリスだけが・・・?
 逆に「疫病」というのが鍵のような気がする。デュクリスやタフォーラシアの民は不治の疫病に冒されたものとして、周辺諸国から差別や迫害を受けたんじゃないか・・・?それなら「周辺諸国」へ恨みが行くのもわかる。デュクリスは周辺諸国へ助けを求めに行く特使の役を引き受けていたのでは?一国の正式な特使なら、表立っては差別や迫害を受けることはなかったかもしれない。でも、自分が厄介者扱いされていることくらいは感じたでしょう。助けを求められた方も、自分が死ぬかもしれないのに「助けに行く」と言える人はなかなかいない。「救援物資を送るから」とお茶を濁してお終い。それでも、すがる様な気持ちで待ち続けた救援物資は届かなかった。デュクリスは裏切られた、と思ったかもしれない。自分の力不足を嘆いたかもしれない。レゾの助けにより、タフォーラシアの民が眠りについた後もデュクリスは治療法を求めて各地をさまよったでしょう。その際、他の国の人はタフォーラシアのことをすっかり忘れていた。そればかりか「疫病が他国へ広がる前に国ごと消えてくれて助かった」、そんな風な思考を持った人もいたかもしれない。タフォーラシアを救う手立てもないまま、風当たりだけは無責任で冷たい。こんな状況なら「周辺諸国への恨み」が生まれても納得がいく。逆恨みには違いないけど、一応「悲劇の人」という印象が生まれる。やり場のない怒りから、いつしかすべてを憎むようになってしまった、と。「タフォーラシアを守るため」というのも今となってはただの大義名分なのかもなあ。サイラーグの封印を禁を破ったのは本当は抑えられない憎悪と悲しみゆえなのかも。
 そして彼が復讐の的に選んだセイルーン。恐らく、一番に頼ったのはこの国だったんじゃないかな?王都は白魔術都市と呼ばれるくらい、白魔術が盛んな国。あの地域ではNo.1の大国であり、王子は「平和主義」を掲げる国(当時フィルさんが表舞台に立っていたかはわからないけど)。でも、そのセイルーンも形だけの支援物資を送るに留まっていた。イメージがイメージだけに、より一層裏切られた、という思いは強かったのではなかろうか。そういえば、ジョコンダはセイルーンに喧嘩売る気でしたね。デュクリスが力を貸したのも、その辺の利害が一致していたこともあるのかもしれない。この「迫害」「厄介払い」あたりの描写が次回あれば、デュクリスの改変も許せるかなあ。このままアホの子イメージのまま終わったら悲しいよ。
 さて、ついでにセイルーンの話。「セイルーンも形だけの救援物資を送っただけ」という事実は衝撃的でした。アメリアがショックを受けるのも無理はない。彼女は「正義」を掲げる身ですから。アメリアがポコタに謝る姿は健気でした。ただ、セイルーンて、フィルさんやアメリアは真っ直ぐなイメージがあるけど、その内情は実はお家騒動が絶えないドロドロした国なんですよね。ワイザーのおっちゃんの話によれば、タフォーラシアに疫病が蔓延した事件は「10年以上前」とのこと。ここで初めてアバウトだけど時間軸が出ました。10年ちょっと前というと・・・セイルーンでとある大事件が起こった時期と重なります。これはファンクラブ会報でのみ明かされている裏設定なんですが・・・これを絡めてきたらレボをちょっと見直す。私の予想が当たっている場合、ネタバレになってしまうので、白で・・・
 時期ははっきり明言されていないけど、アメリアがまだ幼いころ、彼女の母親・・・つまりフィリオネル王子妃の暗殺事件がおきています。惨劇の現場を目撃してしまった第一王女グレイシアことナーガは、そのトラウマから血が苦手になった。殺したのはブーレイという暗殺者。もっと力があれば・・・と修行の旅に出たナーガは後に敵討ちを果たしています。アメリアは幼かったので事件のことはあまり覚えていないらしい。
 ・・・こんな事件が起こり王宮がごたついていた時期だったため、タフォーラシアの支援にまで手が回らなかった、とか?

 経緯はどうあれ、結果的にタフォーラシアを見捨てたことになったセイルーン。監督インタビューによると、アメリアは今作で「セイルーン王女としてのあり方も問われる」そうです。来週はセイルーンが舞台。彼女がどう動くのかも見所の一つになりそう。
 次は、ザナッファーの設定について。ザナッファー登場は無印に続いて2度目なんですよね。そこに何もツッコミがないのはどうかと・・・。しかも、無印に出てきたザナッファーは「無限の力を秘めた精神生命体」、REVOLUTIONのザナッファーは原作設定を継承した「最初は鎧。次第に装着者を食らって成体になる。」、と設定まで違っている。同じ名前で見た目も似ているけど、在り方が根本的に違うんですよね。「アストラルサイドから隔離」という原作ザナッファー最大の特徴も踏襲しました。原作読んでいる人なら、なぜ原作設定に合わせてきたのかわかると思う。将来、2部をアニメ化する場合(実際に行われるかはわからないけど)この設定がないと困るキャラクターがいるからです。辻褄あわせをしてくれたことは嬉しいけど・・・無印との整合性とらんでいいのか?ザナッファーの能力に関する説明は、REVOLUTIONしか見ていない人になら充分な内容だったと思う。無印のザナッファーの話は今は関係ないし(攻略のヒントくらいにはなったかも知れないけど)、出てきても混乱するだけですから。でもさ、あの宿屋での会話は無印見ている人には今更な内容なんだよな・・・。ザナッファーの伝説の話なんて無印のときに確認してるし、その時に「光の剣」が弱点って話も出ています。いわゆる「状況説明のための会話」・・・なのですが・・・ここはガウリイ使おうよ、と。せっかく説明用には便利キャラいるんですよ。ガウリイが自分ちの先祖の話を忘れていることにも誰かつっこんでやれよ・・・。この辺も「今は関係ないから」と省かれたのかも。わかりやすさ優先で会話をシンプルにしたのは、構成の面では成功なのかもしれない。だけどさ、無印のザナッファーはどうすんのよ・・・。名前だけ同じ別物扱い?一番混乱しているのは「旧作のアニメだけを見ている人」だろうなあ。原作読んでいれば合わせてきたことはわかるし、レボしか見てない人は旧ザナッファー知らないだろうし。
 無印ザナッファーとの整合性はテンポ重視で削られた・・・それならせめてDVDのブックレットとかで補完して欲しい。これもかなり際どいフォローですけど。考えられるのは、無印の方はレゾがクレアバイブルの写本をベースに新たに研究して「エネルギーだけ取り出した」個体、REVOLUTIONの方はクレアバイブルの写本を忠実に再現した個体・・・こんな感じかと。
 
 さて、以下はシーンを追いつつ。
 ジョコンダの肉体を乗っ取って復活した魔獣ザナッファー。ゼロスがニコニコしながらいろいろ説明してくれてます。・・・こいつの目的がまだ見えないぞ。ザナッファーは天井を突き破って城の外に出ようとする。とりあえず危ないので脱出することにする一同。ジョコンダ城は崩れ落ちる・・・わけですが、あれだけの大きさの城にリナたち以外人っ子一人いねえwあのオバちゃんどんだけ人望ないんだよw城下町にも人いないじゃん。何?低予算なの?それともおっちゃんが避難させたの?
 外に出たザナッファーと対峙するリナたち。それぞれ魔法を撃ちますが、まったく効きません。あ、ゼルだけラ・ティルトなんて使っちゃっていきなり本気だ。ゼロス戦でディグボルトなんて使っちゃったことの反省?だけどやっぱり効かない。もはやラ・ティルトの株は大暴落だな。ガウリイとおっちゃんがこっそり瓦礫の影に隠れているのがウケる。またガウリイが使えない子に・・・。いいんだ、やるときはやるんだ。
 リナは一か八か、でドラグ・スレイブを唱えます。ここで、ッスか!なんか無人みたいだけど一応街の真ん中なんですけど・・・。余波確実に城からはみ出してますがな。・・・まあいいや、無人みたいだし。ドラスレ詠唱描写はどうにもしょぼいなあ・・・ラグナブレードはあんなに力入ってたのに・・・。音楽も、あの定番音楽使わんのね。でもザナッファーには効きません。ガウリイ、「やったのか」はだめっしょ。それ絶対やってない。まあ、「やっぱり」とリナ的にも予想通りの効果だったようです。
 ちょっとここで脱線しますが、今この場でドラグ・スレイブを使うことは演出上意味があるんですよね。つまり、「あのドラグ・スレイブが効かない、こいつは強いぞ」っていう演出になる。劇場版でもほぼ毎回この演出は使われていました。ぶっちゃけ、ドラグ・スレイブって「最強のかませ呪文」なんですよ。一応黒魔法最強の呪文で、見た目からもその破壊力は折り紙つき。だけど、実は一定以上レベルの敵になると効かなかったり倒しきれないことがほとんど。魔族だと中級と言われるカンヅェルクラスだともう力不足。原作だと、全15巻のなかで、ドラグ・スレイブがラストバトルの決め技として使われたのは3回。4巻のカンヅェルはドラスレ単発では仕留めきれず、光の剣に呪文をかけて増幅することで倒しました。14巻は逆に「ドラグ・スレイブで倒せる魔族なんかが原因であんなことに」と、リナの無力感を掻き立てる効果が生まれている。15巻はちょっとしたギミックになっているので例外的かな。アニメでも旧作は1話ドラスレはお約束だったし、ギャグ回では強力呪文として結構使われていたけど、ボスクラスの敵になると、とたんにかませ呪文になってしまう。そういう観点から見ると、ここでやっておく意味はあったと思う。ザナッファー、一筋縄ではいかないぞ、と。
 「ザナッファーには完璧に近い対魔能力がある」とリナ。意味がわからないガウリイにゼルが親切に解説してくれます。さらにポコタが付け加える。「ザナッファーの精神がアストラルサイドから隔離されているんだと思う。あいつの周りにだけ何か壁ができてると思えばいい」と言いつつザナッファーの周囲を旋回。この辺の説明の役割分担はうまいな。流れる会話の中でさらっと説明。アストラルサイド云々の話は原作読んでる人じゃないとわからないだろうけど。ポコタはザナッファーの弱点である光の剣で攻撃しようとしますが、さっきまでの戦いでオーバーヒートしてました。「持続時間が短い」これがレプリカ故の短所だったみたい。
 ザナッファーのレーザーブレスがポコタを襲う!攻撃力も絶大なようで。ザナッファー、「逆らうものを殺すのにためらいはない」といいつつ何をするのかと思ったら「あなをほる」でとんずらかいw邪魔者はここで殺しておいたほうがよくない?弱点の光の剣不調みたいだし。それとも、不発だったのでおそるるに足らぬと判断したか?まだまだ目覚めたばかりのザナッファー。この後、お食事とパワーアップタイムに入るので、そっちを優先したのかな。
 デュクリスとゼロスはザナッファーを追うように飛んでいきます。・・・ん・・・デュクリス!あんたさっきからなんで飛んでるの!ザナッファー装着者はアストラルサイドから隔離されているので呪文が効かない。その代償として呪文の行使もできなくなる・・・はずでは?後者の設定ないんか?それともデュクリスザナッファーは不完全だから隔離も不十分で、呪文の行使もできる?・・・まあいいよ、もう・・・細かい設定は・・・。
 ゼロスは、「ザナッファーを量産されると魔族として困るから監視する」と言ってデュクリスについて行く。ぜんぜん困っているように見えませんw裏あるな・・・。原作で写本を焼いていた理由はズバリこれなんですよね。ゼロスクラスなら問題ないけど、下級魔族にとってはザナッファーは充分脅威だから、って。だけど、レボではわざわざ写本を見せて、ザナッファーを作らせています。うーん、ゼロスの意図は残り2話になってもまだわからんぞ。
 シーン変わってお食事シーン。「腹が減っては戦はできぬ」とガンガン食いまくるリナw払いはおっちゃん持ち。「容疑者のご飯ぐらい経費で落ちるでしょう?」・・・逆に利用し始めましたw一方、食欲がないポコタ。ポコタサイズの肉とナイフ&フォークかわいいぞ。
 対ザナッファーの作戦を考える一同。とりあえずレプリカで不完全な力とはいえ光の剣をベースに戦うしかないようだ。おっちゃんは今度は「ジョコンダ城破壊容疑」だそうで。まあ、経費で落とす口実ってことで。
 ここで・・・まさかの犬猫フォローがwいや、もうこいつらいつの間にかフェードアウトでいいっしょ。出てきたけど、結局「田舎に帰るか」と退場。うむ、それがいい。
 疫病に襲われるタフォーラシアの夢を見るポコタ。この辺の描写は結構リアルにやってるね。ガバッと起きた場所は宿の男部屋。ベット一つの部屋に3人押し込めかよwおっちゃんケチるなよ。ポコタは王子様らしくきれいにベットに寝ています。ガウリイはベットから落ちてる。ゼルは一匹狼よろしく壁にもたれて寝ています。かっこつけすぎですぜ。デュクリスを思うポコタ。彼はまだあきらめていない。
 シーン変わってザナッファーが破壊した街を見るデュクリスとゼロス。このコンビ、なかなか絵になるね。うーむ、ここも無人です。なんか街が破壊されていても人的被害が描かれないと緊迫感がないよな・・・。とりあえずこの街は全員ザナッファーに食われた、ってことで。

 ここでAパート終了。

 また長くなっております。今日はこの辺で一時休止。続きは明日にでも。

*1:無駄にジャンプネタ多くてすいません。元ネタはテニスの王子様