神坂先生初エッセイ 未来力養成教室 ネタバレ感想

岩波ジュニア新書から発売中の「未来力養成教室」に神坂一先生の初となるエッセイが収録されています。タイトルは「未来は来るのか作るのか」その感想などを。以下、ネタバレです。


大変神坂先生らしい一作でした。これは良いあとがきノリwwwファン的には嬉しいけど、なんか「10代の若者へ贈る未来を切り開く想像力の育み方」みたいな一応真面目な本なのにこのノリでいいのだろうかと少し心配になったw岩波ジュニア新書で一行で「ねえよ」ってツッコミとかありなのかww
でも、この独自視点はさすがだなあ。神坂流未来の切り開き方は「『こんな未来があったらいいな』と思える物語を誰かと共有することで、ファンの輪が広がっていくうちに誰かが実現してくれるかも?」というほんわかしたもの。確かに誰もが未来的な機械を開発したり、素敵な物語を書けるわけじゃない。でも、特別な力がなくても未来を作る一翼を担える…「いいではないですか他人まかせ」と、まったりした主張は和みます。それでいて「その代わり得意なことを任されたらきっちりやってみせましょう」と他人まかせで終わらないように、と付け加えています。
スレイヤーズのあとがきでも「どうでもいいようなことがたくさん集まってできているのが世界。だからどうでもいいことも大事」というようなことを言ってましたよね。神坂先生のこういうまったりとしたポジティブさが好きです。
本作、こういった自己啓発書に載っているエッセイとしては正統派の逆を行くものだと思います。でも、それこそが神坂先生らしさだなあ、とか思いました。
また機会があればエッセイ書いて欲しいです!