スレイヤーズEVOLUTION-R 第13話ネタバレ感想その3

 まだ頭の中がふわふわしてます。そんな状態だけど、今日も感想いきます。
 今日はBパートから!…と思ったけど、見返していて、見逃していた描写&勘違いを発見。考察しなおす必要が…と思ったので、今日はそれも絡めてリナの話から先に書きます。
 見逃していた描写…ポコタの魂が魔王の中に入っていくシーンのあとにリナが映ります。その手には既に黒い力が集まりつつあった。その後にリナは「ポコタが作ったこのチャンス、逃すわけにはいかない!」と重破斬完全版の詠唱を始めます。完全版の重破斬は黒い力の周りに金色のスパークが舞い散る描写。最初にリナの手に集まっていた黒い力は…不完全版のギガスレか?すると、リナは最初は不完全版を使おうとしていたけど、ポコタの捨て身の覚悟を目にして、「ここで絶対決める」とばかりに不完全版を中断して完全版を唱えた、という流れ、という解釈でいいんだろうか?
 すると、前回考察した「不完全版を使うと言う選択肢がリナの中になかった点」について再考の必要が。リナは不完全版を唱えることにも恐怖心があった、ということに。確かに…NEXTでの経験に基づけばそうなるのも当然と言える。だけど、TRYでは不完全版は「タリスマンの力を借りれば制御できるはず」と躊躇なく唱えています。この点と矛盾が出てしまう。
 …私が最初に思った解釈が正しいのかな?1回目に見たとき…リナが躊躇したのはNEXTで混沌に引き込まれたときの記憶を思い出したからかな?と思ったんです。実は1回目は思い込みのせいであのギガスレが完全版、って気づかなかったからw
 NEXT最終回でリナは重破斬を使った後について「重破斬の制御に失敗して、それからは、ただ闇が広がって…」とだけ答えている。あの時点では闇に引き込まれたときの恐怖の記憶を失っていた。その後、時間が経つにつれて思い出したのかな、と。
 ふと、オープニングに立ち返る。あの前半部分はリナが見た夢なんじゃないかな、とか思いました。今回のオープニングは最終回の展開を暗示していましたね。リナが浮かんでいた薄暗い果てしない空は「見渡す限り寄る岸辺の見えぬ漆黒の闇」のイメージでしょう。そこに現れる旧敵たち。ガーヴ・フィブリゾ・ヴァルガーヴ。そう、ヴァルガーヴがいる。TRYの後の記憶が反映されている。リナがこの夢を見たのはTRYの後…つまり、恐怖の記憶が蘇ったのはTRYとREVOLUTIONの間、というメッセージだったんだよっ!何だって〜ΩΩΩ。
 TRYの時点では恐怖の記憶がなく、不完全版なら…という自信があった。でも、失っていたはずの記憶がある時蘇った。そして怖くなった。「そうホイホイ使えるなら、ザナッファーにだってブチかましてたわよ」このセリフはダークスター相手にホイホイ使おうとした反省も込めて自嘲気味に言っているのかな、と。
 …まあ、ぶっちゃけ後付なんだけど…。でも「混沌の海に落ちていくあの恐怖。見渡す限り寄る岸辺の見えぬ漆黒の闇に己の魂が沈んでいく」というセリフにはすごく納得と共感しちゃって。確かにリナの魂は1度混沌の海に落ちてるんですよね。その時にこんなにも恐ろしいものを見たのか、と。L様の混沌の力はいわば「丸呑み」なんですね。意識があるまま無限の闇の中に取り込まれてしまう。一瞬の死よりよほど怖い恐怖。一時的に記憶を失うくらいは無理もないですよ。NEXT終盤はフィブリゾの仕打ち含めてリナは一度完膚なきまでに心を折られていますから、ギガスレ使うのに抵抗があるくらいの方が普通なんじゃないかなあ、なんて思った。TRYで使おうとしちゃったのがなければもっと素直に入り込めたと思う。今作のどこかで「思い出した」的な描写を入れるとか。って、唐突か。オープニングに暗示されてたので良しとしますか。
 ちょっと妄想。夜、悪夢に目を覚ますリナ。「今のは…夢…?違う…あたしは前にも見た…あの闇を…いや、あの中に、引きずり込まれた…」。蘇る恐怖の記憶。リナは一人涙を流す。長い夜が明ける。結局あの後一睡もできなかった。けだるい朝。でも起きなければ。
 のろのろと支度をして、下の飯屋に降りる。そこにはいつもと変わらぬ…いや、少し心配そうなガウリイの姿。
 「どうしたんだリナ?遅いから心配してたんだぞ。なんかあったのか?顔色良くないみたいだけど…」
 一気に広がる安堵。リナがこの世界よりも守りたかった存在。彼が今も傍にいてくれる。それだけでこんなにも心強いとは。リナはふと思う。「あ、そうか。あの果て無き闇の中をガウリイはあたしを助けに来てくれたのね。…その辺のことは今も思い出せないんだけど。」
 みたいなシーンを妄想したw。オチまで思いつかないので妄想は中途半端で終わりますw。私の中では「忘れていたけど思い出した」ということにしますw
 さて、リナについてもう少し。オープニングで示唆されていたとは言え、最終回でリナの弱さが描かれるとは予想していませんでした。レゾに「私がどうしても見たかった光」とまで言われたリナ。てっきり最後まで「光」として描かれるのかと。でも、今作のテーマをよく考えてみれば当然の流れでした。テーマは「人間の持つ二つの心」。善と悪。感情と理性。憎悪と愛情。光と闇。様々な二つの心に翻弄される人物が描かれてきた。その上で最後の集大成がリナに投げかけられたわけです。人を描いていてきた本作。ここでリナが「光」として…一つの心しか持たない存在として描かれてしまったら、「リナってすごいよね」というだけで終わってしまう。リナが特別だから、ということでテーマが一般化しないんですよね。リナも「二つの心」を持った人間として描かれることで、共感が得やすくなる。
 リナはみんなに憧れを抱かれる存在ではありますが、それでも人間であり、それに見合った弱さを持っています。どの部分を見せるか…ということで白羽の矢が立ったのが「重破斬の恐怖」でした。
 上にも書きましたが、重破斬による…混沌の力による滅び、とは意識を保ったまま闇に丸呑みにされる恐怖で、それは一瞬の死より怖いもの。失敗すれば、自分だけではなく、自らの手で大切な人たちにもそれを与えることになってしまう。その恐怖は「失敗させなければいい」というかつての自信を打ち砕く。
 今回のラスボス…実は魔王ではなく、リナ自身…自分の心の中の闇だったように思います。リナは仲間達の力を借りて打ち勝ってみせた。それが「人の持つ二つの心」というテーマの行き着く先だったのかな、と。
 今日も取り留めなく書いてしまいました。最終回感想、終わりはしない、ですw