スレイヤーズEVOLUTION-R 12話 ネタバレ感想補足

 コメント欄&Web拍手にに色々と感想・考察などありがとうございます。興味深く読ませてもらっています。お返事は最終回放送前にはなんとかさせていただこうと思いますので、もうしばらくお待ち下さい。
 以下、私の補足感想を。
 今日はゼロスの目的についての考察を纏めようかと思います。これは総合的に考えたほうがいいかなと思ったので、ストーリーを追った感想時にはあえてスルーしていました。
 12話で明かされたゼロスの目的は…「壷の中身を見極めること」。あくまで、「見極める」。12話を見ていると…どうもゼロス…というか彼に命令を出した「上司」は、壷の中の魔王の力を自軍に取り込むことをもくろんではいないように感じます。11話でゼロスはレゾの復活を躊躇うオゼルに「個人的意見を言わせて貰うと、どちらでもいいんです」と言っていた。さらに、12話の「だからといって、どこか誰の手も届かない場所に壷を隠したって、いずれ壷の力が弱まったときには同じことですからねぇ」というゼロスの言葉。魔王の力を利用したいなら、復活は望むところのはず。なのにどこか迷惑そうないい方。更にはリナに自分を利用しようとしているのでは?とつっこまれて、こう答えている…「一応の用心という感じでしょうか。僕にもできない事がありますから」。これ…できないこと=魔王を滅ぼすこと、なんじゃないかな、と思う。自軍に取り込むことを望まないどころか、むしろ滅びて欲しい…そんな風に思える。これはなぜか?
 そもそもゼロスに命令を下した「上司」とは誰か。恐らくは北の魔王なんじゃないかと思われます。その間に獣王がワンクッション入っているとは思いますが。北の魔王にとって、人間に滅ぼされた魔王の欠片なんていうのは、汚点以外の何者でもないんじゃないか…そんな気がします。それがレゾの作った冥王の壷…人間の力によって未だ生きながらえているとしたら…もみ消したい、と考えるんじゃないでしょうかね?さらに、魔族には「滅びの美学」があります。「どのようにして世界を滅ぼし、自らも滅ぶか」というのは魔族の人生?において至上の命題。一度人間如きに敗れた魔王が再び蘇り、その力で世界が滅ぶようなことがあれば…面白くないですよね。でも、自分は動けません。そこで、ゼロスに尻拭いの役割が回ってきてしまったのではないかと。これはゼロスもやる気も出ません。命令だから従うけど…という感じかなあ、と。
 なぜゼロスか?…ぶっちゃけ人気キャラだからなんですが、それは置いておくとして…ひょっとしたら覇王軍がもう動き出しているのかも知れません。「覇王んとこ忙しいんで、お前のとこのゼロス貸せよ」…そんなやり取りがひょっとしたらあったのかもw
 以上を踏まえて、12話の流れを考察。
 今作でゼロスは「冥王の壷の中身を見極めろ」という上司の命令に従ってお役所仕事で動いていたと思われます。その理由や見極めた先にどうするのか、という部分については、命令を受けていなかったのでは?と言う気がします。少なくともレゾの復活を見届けるまでは。と、言うのも、なんとなく、だけど、11話でゼロスが「僕の仮説」という言葉を使っていたから。具体的に指示を受けているなら「仮説」を立てる必要はないような。はっきりは言われていないけど…なんとなく「上司」の考えはわかるし、読んだ上で行動していたのではないかと。
 あくまで壷を泳がせ、成り行きを見ながら壷の中身を見極めることが目的で、自分が壷を手に入れることは目的ではありませんので、5話以降、壷入手に興味があるようなそぶりを見せている描写は目的あってのフェイク。「壷に用がある」「壷を渡せ」とは言っても、「壷を手に入れることが目的」とは言ってません。
 魔王の魂が一緒に封印されているであろうことは、ゼロスも早い段階で感づいていたのでしょう。でも、確証はなく、どんな状態で蘇るか、ははっきりとはわからなかった。
 ゼロスにとって、一番厄介な復活パターンは意外にも「魔王として復活すること」だったと思われる。いくら人間に敗れ、北の魔王からは厄介者扱いされているとはいえ、腐っても魔族の王。ゼロス本人は手を出すことが出来ないでしょう。そこで…リナ達を巻き込もうとした。魔王として蘇った場合はリナ達に倒させようとしていたんですね。ポコタがレゾを復活させようとしたときに乱入したのは、役者が揃っていなかったからだと思われる。リナ達が到着するまでの時間稼ぎとして「壷を渡せ」と騒ぎを起こした。リナが11話で使った「保険」と言う言葉。リナは魔王が一緒に封印されている可能性だけじゃなく、「ゼロスが自分たちに魔王を倒させようとするのでは?」というところまで気づいていたのかも?だとしたら、あのセリフの意味がはっきりする。まさに「保険」。
 でも、実際は「レゾが魔王の力を持った状態」で復活した。一番厄介なパターンはなくなった。それを見届けたゼロスは一時姿を消します。あの後…さらに「上司」に指示を仰ぎに一度戻ったんじゃないでしょうか?「目的は果たしました、どうするんですか?」というお役所根性見え見えで。そこで新たに「レゾが本当に魔王の力を持っているか確かめろ。持っていたら神々に渡すわけにはいかないから倒せ。」という第2の命令を受けたのではないかと。あくまで「レゾ」であればゼロスも攻撃は可能。「上司」…北の魔王からのお墨付きも貰っている。しかしながら、「レゾ」の力は予想以上に強力だった。しかも、「人間に全力攻撃を防がれた」という事実に魔族的にダメージを受けて…ヘタレモード突入、という流れかな、と。
 「ゼロスがリナ達を利用しようとしていた理由」は最終回で説明があるかも知れません。今回もこの部分ははっきりしませんでしたし。ゼロスの口からは「魔王を倒して欲しい」なんて言えないでしょうから、リナ側から「あたしたちに倒させるつもりだったんでしょ?」みたいな感じで言うのかも。
 ゼロスの壷を巡る動きは割と筋が通ったのですが、「ザナッファー復活に加担した理由」はよくわからんのよね。ヒントは11話でリナに目的を問われて言った「面白いから」という言葉。ゼロス君、命令がアバウトであったこともあり、過程は楽しんでいたように見受けられます。壷を見張りにジョコンダ城に入り込んで…なかなか進展がないので退屈だったんじゃなかろうか?リナ達が絡んできそうなことはワイザーが流した噂で察したでしょうし、少し騒ぎを大きくして、楽しもうとした…これくらいしか考えられないなあ。ザナッファーも量産されると厄介、とは言え、1体2体ならゼロスなら瞬殺できたでしょうし、万が一リナ達が勝てなかったとしても、さほど問題はないでしょう。原作でも写本は燃やしてるけど、ザナッファー自体は放置してるのよね。あれも状況を楽しんでいたのかも…。
 と、現状で考察したゼロスの目的のまとめ、でした。