スレイヤーズEVOLUTION-R第12話ネタバレ感想

 スレイヤーズEVOLUTION-R12話のネタバレ感想です。

 サブタイトルは「Yesterdays memory 取り戻した日々」。ポコタの肉体に蘇ったレゾ。その手によりタフォーラシアは復活する。つかの間の平和。しかし、レゾの中には魔王の魂も同時に眠っていた。レゾはそれを知りながらも「もう一度光を得たい」という魂の奥の渇望から復活を望んでいた。魔王の力を扱える人間として蘇ったレゾ。レゾはリナに語りかける「さあ、私を滅ぼしなさい!あの時のように!」
 レゾと共に復活する魔王の力。そしてレゾはリナに自分を滅ぼせと迫る。予想通り、規定通りの展開そのままだったので、どんでん返し的な驚きがないのは残念といえば残念。「魔王の力を持ったレゾ」としての復活はちょっと予想外だったが。とは言え、ぶっちゃけそれ以外の展開があるとも思えなかったし、この展開の流れの上で描かれるものに期待していた部分もあるので、その辺に注目しつつ楽しみますよ。
 タフォーラシアの復活はサブタイトルを見たときに、最終回ではなく、この回になるのかな?と思っていましたがこれも予想通り。旅の目的だった懸案が先に片付いたことで、最終回で描かれるものに否が応でも期待が高まる。
 レゾと壷を巡る事件の真実は静かに語られる。冒頭にも書いたとおり、予想通りなんですが、リナとレゾとの会話のやり取りは、今までの疑問点を全てではないにせよはっきりさせてくれたので良かった。リナがちゃんと魔王の魂が眠っている可能性に頭の中では気づいていたっぽかったのが特にすっきりした。
 これはもう、最終回に全ての期待が託される形になりました。個人的には滅びを望むレゾと対峙するリナが最後に何かを見せてくれれば納得の最終回になると思う。あとは「二つの心」を持つと言われたレゾの真意か。今回は前半ライトサイド、後半ダークサイドと、相変わらず本性が見えない。彼の心は一体どこへ向かうのか?
 今回は作画がやけにかわいらしかったですね。REVOLUTIONのエンディングっぽい絵柄。描いたの同じ人かな?
 と言ったところで、以下は話を追った感想。
 今回は前回までのあらすじはなし。機能停止してしまったオゼルに歩み寄るポコタ。レゾは纏っていた幻影が消え、ポコタの姿になる。ポコタの中に入ったレゾは見た目は子供、頭脳は大人…ではなく、ポコタの外見なのにレゾらしさを感じる描き方になっているのが良い。その瞳は閉ざされたまま。
 ゼルは「レゾ…本当に復活したのか!」と剣を手にかける。前回普通に見守ってたけどね…。まあ、オゼルが再会を喜んでるところに水を刺すゼルでもないか。状況落ち着いて、目の当たりにしたらやっぱり憎悪も募るかも。
 停止してしまったオゼルを見ながら「オレ…知らなかったんだ。こんなことになるなんて…」とポコタ。そこにレゾが優しく語り掛ける。
 「悲しむことはない。むしろほめてやって欲しい。彼女は私を守り、復活させると言う使命を見事に成し遂げたのだから。彼女はそう作られたのだよ。何の目的もなく無為に生きる人間とは違う。だからこそ美しいとは思わないか?」
 「お前がそう作ったんだろう!」と声を荒げるゼル。レゾはさらに続ける。
 「人形である彼女が、人間と変わらぬ魂を持つとは、予想外のことだった。この世はすべからく、思いのままにはならぬもの。そう、思いのままになるものなど、何一つないのかもしれない」
 オゼルが止まった理由は、目的を果たしたからだった。目的は「レゾを復活させること」。それを果たしたとき、止まってしまう運命だった。オゼルはそれを知っていたのかな?知りながらそれでも最後にレゾに会いたかったのかな?それとも、何も知らず、再会の幸せを感じたまま静かに役目を終えたのだろうか?どちらにしても…切ないなあ…。「生れ落ちたその瞬間 誰もが背負うもの 運命と呼ぶのなら 見届けるため歩いていく」砂時計のこの部分はオゼルっぽいな、と思っていましたが、ここに来てさらにシンクロしました。
 さて、オゼルが作られたのは「壷の中のレゾを守り、その魂を復活させる」ためだったようです。そうなると、レゾは壷に魂が封印されてしまうことを、魂の移行実験を行っている段階から予期していた、ということになる。これって一体…?と思ったけど、よくよく考えてみたら…冥王の壷で他人の肉体に乗り移る際、自らの魂を取り出す工程は自分でできても、それを他者に移す工程は自分ではできないですよね。壷に入ったらレゾの肉体は抜け殻になってしまうわけだから。その工程を行う存在が別途必要になってくる。そのためにオゼルは作られたのかも。一時的にも魂だけという無防備な存在になってしまう以上、その壷を預けるのは絶対の信頼がおける相手でなければならない。そのために「レゾ様に従うことが善」として作られた人形であるオゼルは適役だった。11話でのレゾとオゼルの会話シーンから見るに、レゾはオゼルを作ってからすぐに壷による実験を行うことはせず、色々と人間のこと、世の中のことなどを教えていた。生まれたてのオゼルに魂を託すのは早いと考えたのか、依り代を見つける前からオゼルを生み出して準備を進めていたのか。このレゾと過ごした時間がオゼルに人の心を与えるきっかけとなる。そして、ポコタの肉体に魂を移す実験を行う前に魔王と共に滅ぼされたレゾの魂は壷に宿ることになり、オゼルの「壷を守り、レゾを復活させる」という使命は思いのほか長期に渡るものになってしまった。レゾ自身が復活に躊躇いを抱くようになったこともあって。
 もしくはもっと単純?名前からしてもレゾの分身のような形として生み出されたオゼル。「レゾの与えた使命を全うしたときに停止する」というもっとアバウトな指定の仕方だったのかも。人間を「無為に生きる」と評したレゾ。人形であるオゼルは寿命とかもないわけで、目的がなければそれこそ「無為に生きる」存在になってしまう。生み出されたときに、「何かを成し得たときにその活動を終える」と、どこかに終着点が指定されていたのかも。
 後半の「この世はすべからく、思いのままにはならぬもの。そう、思いのままになるものなど、何一つないのかもしれない」は、心を得たオゼルの決断が魔王を呼び覚ます鍵にもなってしまったことを指すのかな?レゾには復活への迷いもあったようで。レゾはその判断をリナ達に託そうとしていたようですが、結果的にオゼルが決めた、というのも想定外だったのかも。
 
 なんだか時間がかかってしまってます。中途半端だけど、今日はここまででUP。