スレイヤーズEVOLUTION-R 第11話ネタバレ感想 その2

 今日はBパートから。


 タフォーラシアの神殿を進むリナ達。レボの5話だと道中省かれてましたが、かなり深い神殿だったみたいで。ガウリイは一本道でよかった、と言うけど…お約束の様に現れる分かれ道wポコタと一緒だった前回とは違い、簡単には先に進めないみたいで。ポコタしか知らない抜け道とかあったのかな?と、いきなり背後から物音が…これは…お約束のあれか?やっぱり巨大岩キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!でも四角は予想外w
 迫り来る巨大岩に呪文をブチかまそうとするアメリア。だけどリナに止められます。お、アニメ版ベースだといつもと反対wでも好印象。下手に魔法を使うと眠りにつく人々に影響が出るかも、とゼロスに釘刺されてますからね。仕方ないので走って逃げます。
 ポコタとオゼルは住民たちが眠りにつく部屋にたどり着いていた。さらにその奥で眠りにつくポコタとデュクリス。ポコタはまずはデュクリスの方に駆けて行き…寂しそうな表情を浮かべながら「本当はお前と来たかったぜ…デュクリス」と呟く。きっと色々な想いが頭を過ぎったんだろうなあ。平和に暮らしていた日々、デュラム病を治すべく奔走する二人、そして暴走するデュクリス、それを止められなかった自分…そして今、自分の体を犠牲にしようとしている迷い。あの日にはもう戻れない。そんな思いを断ち切るかのように、涙を浮かべながら振り返り、自分の肉体に目をやるポコタ。ちょっとしたしぐさだけど、印象に残るシーンです。
 そこで急にレゾが待ったをかける。「私も迷っているのだ。復活したくないと言えば嘘になる。私が復活したところでタフォーラシアの封印が解けるかどうか保証は出来ない。それでもいいのか?そうなれば、お前は自分の肉体を無駄に失うだけだ。」リナの読みあたりその2ですね。やはり復活には迷いがあるレゾ。「タフォーラシアの封印が解ける保証はない」とは、復活した自分がどんな行動を取るか、自分でもわからない、という意味かな?ポコタはそれでも「可能性にかけてやる」と引かない構え。
 リナ達は岩にひたすら追いかけられてます。
 ポコタ達は神殿の外へ。場所を変えるようです。そういや、月の光のない場所では眠りの魔法は解けないんだっけ。ポコタ本体には眠りの魔法もかかっているので、それも同時に解かなくては。台座はレビテーションで移動かな。
 ポコタはオゼルに壷を渡すように促すが…オゼルは動かない。「レゾを復活させたくないのかよ?」との問いに「わからないんです」と答えるオゼル。「なんでだよ。さっきレゾも言ってただろう。復活したいって。」ポコタはやっぱり真っ直ぐで純粋だなあ。あのレゾの言葉は復活するべきか迷っているから出たもの。オゼルはその迷いを感じ取っているようです。ポコタは「お願いだオゼル。オレはどうしてもタフォーラシアを救いたいんだ。頼む!頼む!」と真剣な表情で訴える。その思いに困惑するオゼル。
 そこに現れたのはゼロス。「なら…私が止めるより仕方ありませんね。そういうわけで、冥王の壷、渡してもらえます?」。「仕方ありません」か。この言い方だと、本当ならリナ達に止めさせたかったのかも?傍観者でいたかったけど、復活は困る、そんな思惑で出てきた?いや…この後のシーンを見るに、ゼロスは復活をあおるためにあえてちょっかいを出してきたようにも取れるような。
 ポコタ「何でこの壷を狙うんだ?お前たち魔族にとっても、今更レゾなんて必要ないだろう?」
 ゼロス「すいませんねえ。あいにくその質問には答えられないんですよ。上司に怒られますから」
 やはり中間管理職。動いていたのは上司の命令。でも目的は秘密。ひたすら焦らしプレイ。「絶対に渡さない」というポコタに、ゼロスは「手荒なまねはしたくないんですけど」と言いつつ黒モード発動。
 巨大キューブと追いかけっこしていたリナ達は勢いで外に飛び出す。なんかアメリアがやたら巨乳なんですがwそこに聞こえる爆発音。
 ゼロスがまずは脅しに放った一発。ひたすら黒モードで迫るゼロス。そこにリナ達が乱入!ゼロス…これ、リナ達来るの待ってたんじゃなかろうか?目的ひたすら読めないぞ。リナはポコタの説得を始める。
リナ「まだ間に合ったみたいね。ポコタ、壷を渡しなさい。」
ポコタ「嫌だ!何でみんなオレの邪魔をするんだ?そんなにレゾの復活が嫌なのか?またタフォーラシアを見捨てるのかよ?」
リナ「そうじゃないわ。あくまでこれはあたしの勘だけど、その壷には絶対何かがある。それがわかるまで、復活させちゃだめよ!」
ポコタ「ふん、そんなこと言って、オレを脅す気か?」
リナ「違うってば!それにあんたの体を依り代にしたら、一生小動物のまま戻れなくなるのよ。それでもいいの?」
ポコタ「ああいいさ、いいに決まってるだろう。そんな覚悟、とっくの昔に出来てるんだ!」
リナ「ダメよ。リスクが大きすぎる。」
ポコタ「うるさい!オレは今度こそこの国を…みんなを救うんだ!烈閃槍(エルメキア・ランス)」
 真剣に説得を試みるリナ。林原さんの真剣な説得口調の演技がすばらしいです。表情も良い。論点としては?壷に隠された秘密がわからないこと、?ポコタの身の心配 二つを考慮した上でレゾを復活させるにはリスクが大きい、と判断。自分の考えを主張しつつも困ったような感じ。ポコタの必死な気持ちもわかるから、だろうなあ。
 でもポコタは聞く耳を持たない。思い込んだら一直線な人だからなあ。「タフォーラシアを救う」「そのためにレゾを復活させる」そのことだけで頭がいっぱいのようです。交渉は決裂です。すっかりご乱心で呪文をぶっ放したり、光の剣でガウリイに斬りかかったり。「落ち着け!」と言いながら軽々攻撃をかわすガウリイ。さりげなく見せ場wゼルは「仕方がない。」と言いつつ炸弾陣(ディル・ブランド)で反撃に出る。
 争うリナ達を横目に…ゼロスがオゼルに悪魔のささやき。
 「それで…あなたはどうしたいんですか?あなたがなぜレゾから壷を守ることと割ることを同時に命令されているのか、大体の見当はついています。レゾが復活すると何が起こるのかも。個人的な意見から言うと、本当はどちらでもいいんです。復活すれば僕の仮説を確認できますしね。誰の肉体にレゾが移ろうが構いませんし。あなたの意思を尊重します。」
 そう言って飛び去る。またまた意味深発言を…。「本当はどちらでもいいんです」。すると、「復活を阻止すること」が目的=「上司の命令」ではないってことか。そこは絶対ですからね。わざわざオゼルの心を揺さぶるような発言。こう言ってやればオゼルが復活を望むのでは?という読みか?オゼルがキーになっていることも読んでいるのか?
 オゼルは「私の意思…」と悩み始める。過去の記憶が頭を過ぎる。「人間には感情があり、それに従って行動している」と語るレゾ。憎悪から暴走するズーマ。タフォーラシアの王子として国を救おうとするポコタの覚悟。「会いたいんだ、レゾに」と語るポコタに自分の感情を重ね合わせる。「レゾ様ごめんなさい。私はもう一度あなたにお会いしたい。それが命令に背くという悪だとしても。」…心は決まった。
 一方、リナ達とポコタの争いはひと段落。ポコタは息を切らせながらリナに語りかける。
ポコタ「なあ、どうしてわかってくれないんだよ。オレは国を救いたいだけなんだ。」
リナ「それはわかってる!でも…」
ポコタ「もう何も出来ないのは嫌だ!」
 その言葉に言葉を詰まらせるリナ。レボの最終話で「何も出来なかった自分」を認めたポコタ。そこからまた歩き出したポコタだけど、その分「タフォーラシアを救う」ことへの思いはどんどん強くなっていったのでしょう。ポコタの決意、それが正しいかはわからない。でも、その思い…心の底から湧き出る感情は紛れもなく本物。リナにも生まれる迷い。
 そこへオゼルの声が響く…「ポコタさん!レゾ様を復活させてください!」今までとは違い、決意溢れる強い口調。リナは思わず「オゼル、あんた…どうして?」と問いかける。オゼルは優しく、そして何かを決意した笑みを浮かべ…「自分の感情に従いたいんです」。その真剣な決意に息を呑むリナ。オゼルは静かに自分の「心」を語り始める。
 「私はずっと人間とは何かを考えてきました。人間の真似をすることで答えを見つけようとしていたんです。ただの真似事に見えるかも知れないけど、私も皆さんのように、気持ちに素直になりたい。」
 オゼルの決意に困惑の表情を見せるリナ。彼女の感情も正しいのかわからないけど、また本物。本心から出した答え…止めることなんて出来ない。リナもまた「正しいかはわからないけど本心から出した答え」に従ったことがあるから。
 ポコタは光の剣をしまいつつオゼルに駆け寄り「悪かったな、人形なんて言って。ありがとう、オゼル」と声をかけ、壷を受け取る。ポコタ本体の元に駆け寄って、後ろを振り返る。オゼルは優しい笑顔。リナは何か思惑顔の真剣な表情。このうねりを止められない以上、リスクに備えるべく思考を巡らすか?アメリアは息を呑み、静かに見守る。ゼルも静観。「レゾの復活を望んではいない」、そう言いながらも壷を海に投げ捨てることをためらった彼。今は状況を見据えるのみ。ガウリイは優しい笑顔で頷く。「正しいかはわからない。でも、気持ちに従うならオレは付き合う」そんな無言の後押しに見える。ポコタは「ふっ」と静かに笑って…壷を叩き割る!
 あれ?もう割っていいのかw壷の封印を解くための「しかるべき儀式」は?考えられるのは、この場所に運んでくる前に終わらせていた、というところかな。やり方さえわかれば結構簡単な事だったのかも。レゾが9話で言いかけた 「白き魔法と黒き魔法。そのどちらにも類さぬ、ゆえに万物流転を髣髴する古の術あり。」とかいうセリフは…思わせぶりだったけど、時間稼ぎに走っていたレゾの寝言だったのか…。まあ、ここまで来たら足踏みしてもしょうがないので、進めましょうか。
 壷から飛び出したレゾの魂はポコタの肉体へと収束する。起き上がったポコタの肉体はレゾの姿を取る。体まで変形するのか?と思ったけど予告を見ると次回はポコタの体らしい。今回は幻影を纏っているのかな?レゾはオゼルに語りかける。
レゾ「久しぶりだな、オゼル」
オゼル「はい」
レゾ「長い間、お前を苦しめてすまなかった。」
オゼル「いいえ、私は一度も苦しいなんて思ったことはありませんでした。壷をお守りするうちに、レゾ様がおっしゃった感情というものがわかった気がします。私、人間に近づけたでしょうか?」
レゾ「ああ…」
 このシーンのオゼルの笑顔が本当に嬉しそうで、こみ上げてくるものがありました。レゾを心から慕っていて、再会できた喜びと、長年の疑問の答えが出たことの喜び…そんなオゼルの気持ちが伝わってきた。そんな嬉しそうなオゼルの目から光が消え…力なく…人形のように倒れこんでしまう。驚き、声を上げるリナとポコタ。レゾはオゼルの顔に手を当て、「ご苦労、オゼル…」とねぎらいの言葉をかける。
 そしてレゾは静かにリナの方を振り向きながら語りかける「久しぶりだな…リナ=インバース」。リナは真剣な表情で「赤法師…レゾ…」と呟いたところでEND。
 レゾ、いきなりリナに声をかけるか。用があるのはリナなのか?その真意とは一体?次回はポコタの体を借りたレゾが動き出すようで。やはり瞳は閉じられたままなのか?次回が気になりまくる展開ですよ!
 今回も「人間の持つ二つの心」というテーマを中心に据えたお話でした。「二つの心」、その出所としてレゾが語った話が興味深い。「人間は感情により行動を決める」「感情とは別に善悪という概念がある」。感情と善悪の判断…理性。二つの心により人は揺れ動く。これはスレイヤーズ自体の裏テーマである「人の心」という部分にも迫る内容だと思う。感情によって生まれた決意が人を動かす。…いい方にも悪い方にも。だから、二つの心のバランスを取って人は生きていく…そんなメッセージのような気がします。
 この先にある道で必要なのは感情なのか理性なのか?そんなところにも注目して見ていこうかな、と思います。