スレイヤーズEVOLUTION-R 第11話ネタバレ感想

 スレイヤーズEVOLUTION-R11話のネタバレ感想です。


 サブタイトルは「Xeno 復活の代償」。ポコタの思い、そしてオゼルの「心」によってレゾがついに復活を遂げる。クライマックス直前のオゼル回でした。オゼルが人の心を持ちつつあることは何かクローズアップされそうで、もし過去話とかあるなら今回かな…となんとなく思っていましたが、レゾ復活のキーになるとは。オゼルが生み出された経緯などはもう少し説明があってもよかったかな、と思いますが、レゾとオゼルの会話はなかなか深くて聞き入ってしまいました。今回のレゾはライトサイドVer.。本当にどっちが本性なのか、わからなくなってきます。
 オゼルが「レゾ様にもう一度会いたい」と自分の「心」に従うことを決意する場面はFront breakingの2番…そしてNEXT25話のリナを思い起こしました。もうこれはリナも見守るしかありません。「世界よりもガウリイを選ぶ」…そう「心」で決めた自分と同じですから。いやはや、Front braking2番がまさかオゼルとシンクロするとは。「心の使い方すら戸惑う日もある」「例え世界が滅んだって私はあなたを選ぶ」。オゼル…あなたはもう立派な人間ですよ。
 でも、心を得たはずのオゼルは機能停止してしまう。一体なぜ?まさか、オゼルがレゾの復活を心から願うことがレゾ復活の条件だった、とか…?オゼルに心を与えるため、レゾは壷を守らせながら、人の心をオゼルに見せてきた?単に壷を守る役割を終えたからとも考えられますが。この辺りは次回何か説明があるか?
 ポコタの真っ直ぐな思いにもスポットが当たっていました。「タフォーラシアを救いたい」「レゾを信じたい」その心ゆえ、混乱気味になりながらもただひたすら真っ直ぐにレゾを復活させることだけに向かって突き進む。ポコタの肉体を使って蘇ったレゾ。果たしてポコタは何を見るのか?
 ゼルは前回あれだけクローズアップされたのに、今回はクールダウン。若干違和感はあったけど、少し時間を置いて落ち着きを取り戻したのかな?キメラの体を元に戻す方法に関する真偽はさておき、冷静になって考えればレゾの言動に迷いがあることはゼルならわかりそう。結局レゾを憎みきれなかったゼルガディス。レゾの真意を確かめる…そんな目的が新たに生まれていそうな気がする。
 そして、全貌が見えそうで見えないゼロスの目的。とりあえず、ひたすら状況を見守るゼロス。「面白いから」と楽しみながらもその裏には「上司の命令」があるようで。壷については「どうでもいい」と言いつつ、オゼルに意味深に判断を委ねる。やはりオゼルの「心」は何かキーなんだろうか?
 壷の秘密についても終着点は近そう。今回、リナが「壷には何かある」と検討するシーンが何度かありますが…「魔王の魂が入っている可能性」の検討は一向に出てこないのよね。そこはまだ暈しますか。今作は話の作りが各話ごとにクローズアップする要素を絞って展開させているように感じるので、残り2話で一気に出すのかな?視聴者的にも予想は出来るし、気になっているところなので、早めに出してしまってもよかったように思いますが。何より、リナがそのことに気づいていないとは思えないのよね…。
 と言うところで以下はシーンを追いつつ。
 前回のあらすじ…って今回林原さんめっさ鼻声ですよ。体調悪かったのかな?アフレコ多分2月の上旬くらいだと思われる。ラジオではそんなに目立たなかったけど風邪でも引いてたのかな?
 前回から続いて飛びながらチェイスを繰り広げるポコタとリナ達。オゼルが一歩先んじて、「レゾ様の安全のため」ポコタに付いて行く。位置的にはリナも一緒に追えている感じなんだけど、まあここは展開の都合で。
 リナ達は突如辺りを包む霧によりポコタを見失う。「やっと追いついた」と息を切らせながらガウリイ…って、走ってきたのかよwやっと、言う割りにタイムラグはあまりない…人間業じゃないぞ、マジでw
 「霧が晴れるのを待ってから探しましょう」そういうリナに、「悠長なことでいいんですか?」とつっこむアメリア。でも、リナは動じず、勘だけど、と言いつつ「あのレゾのことだから、適当に理由をつけて、時間を稼ごうとするはずよ」と読む。ゼルも同調。「確かに、俺が壷を持ち出したときも、復活したい気持ちと滅びたい気持ちで揺れているようだった。」ゼル、すっかり落ち着きを取り戻してます。レゾは「海に投げ捨てたら戻る方法はわからなくなる」と言ったり、「投げてしまえ」と言ったり。復活したいにしては、いたずらにゼルの感情を逆撫でしているようにも見えた。
 ガウリイは「なんかそれってオゼルみたいだな」と珍しく鋭いツッコミ。ガウリイは7話でもオゼルが壷を守っているのに「壊せ」といってきた事を疑問に思うような発言をしていました。「引っかかるのよね…あの壷には絶対何かがある」、とレゾの真意を勘ぐるリナ。と、気が付くと霧が晴れていきます。
 一足先にタフォーラシアにたどり着いたポコタ。霧の結界は消えたようです。これはレゾが来たからかな?レゾは実験のため、タフォーラシアを何度も訪れていたみたいで、定期的に解ける日以外にも自由に出入りできたと考えられる。定期的に解ける日はポコタ達が帰ってきちゃいますからね。レゾがやってくると自然と解ける。そんな封印にしていたのかも。
 ポコタは壷を抱えて走る。小さい手の方で持ってます。なんかかわいいw「リナ達が来る前にレゾを復活させて、みんなの封印を説かなきゃ」と焦るポコタにレゾが語りかける「無駄だ。月の光のないところでは人々の封印は解けない。私がそのように魔法をかけた。月が天を渡り行き、日が昇るまでに儀式を行わなければ人々は眠りから目覚めないようになっている」…これはリナの読み当たりかな。眠りの解き方は本当かもしれないけど、ポコタの焦りに待ったをかけたのは復活に迷いがあるせい、でしょう。
 焚き火を焚いて夜を待つことにしたポコタ。その表情には迷いが。それに気づいたオゼルが声をかける。ポコタは勢いでタフォーラシアに来てしまったものの、やはり自分の体を使うことにまだ迷いがあるようです。だよね…元の体に戻りたい気持ちもあるでしょうし。だけど、オゼルは「それが正しいことなら、迷う必要はないんじゃありませんか?」とズバリと言い切ってしまう。オゼルは「迷い」とは何か、それをわかりたかったのかな?前回リナにレゾも迷っている、と言われましたし。オゼルの言葉にポコタは「人間はそんな簡単に割り切れるもんじゃないんだ。人形のお前にはわかんないんだよ」と声を荒げる。でも寂しそうなオゼルの様子を見て、すぐに反省するポコタ。こういうところに真っ直ぐで純粋なポコタの長所短所が見え隠れする。
 「やらなきゃ…オレはこの国の王子だ」ポコタは決意したように語り始める。セリフに合わせて焚き木を折る演出がポコタの決意に重なって良です。かつてデュラム病で苦しむ民衆を王子なのに救えなかった自分を悔いるポコタ…だから今度こそ自分の手で救いたい…そのために自分の体を犠牲にする決意。そして、もう一つ…「レゾに会いたい」という思い。ゼルが言うようにただの悪党なのか、それともかつて自分が信じたレゾが正しいのか…会って答えを出したい。
 回想シーン挿入。デュラム病で苦しむ人間ポコタ、レゾはその魂を冥王の壷で取り出し…魂は魔法陣の中のぬいぐるみポコタへと移動。「待つがよい。私が封印を解き、この国を復活させるその日まで」…その言葉を信じて今日までやってきた、だから会って確かめたい…そう語るポコタ。
 ここのポコタの魂が移動されるシーンはレボと違っちゃってるのは気になるけど…こっちのほうが儀式もちゃんとやってる感じでしっくり来る。まあ、あくまで記憶に基づく「回想」ですから。事実そのものを映しているわけではないので、イメージにずれはありますよ、ってことで。
 切なげな表情で「レゾ様に…会う…」と呟くオゼル。そんな様子をまたまたこっそり見ているゼロス。覗き見ばっかりして、まったく…。
 シーン変わって夜、タフォーラシアを彷徨うリナ達。タフォーラシアの民たちが眠りにつく神殿の場所がわからない。まあ…一面廃墟だし、1回来ただけじゃ迷うのも無理ないかも。「これだけ人数がいて誰も道覚えてないってどういうことよ?」と声を荒げるリナだけど…リナもその中の一人w「またここに来るなんて思ってもいなかった」というガウリイに、ゼルは「俺はちょっと予想してたぞ」…ってなんでちょっと得意げw
 「レゾがまだ復活してないといいけど」と心配になるリナの前にゼロス現る。リナは「今日という今日は冥王の壷のこと話して貰うわよ」と迫るけど、やっぱり「それは秘密」。でも、秘密ばかりでは申し訳ないので、ってことで神殿の場所を教えてくれた。
 一方、ポコタとオゼルは一足先に神殿にたどり着いていた。封印を解いて…中に入る。
 ゼロスの案内でリナ達も神殿に到着。ドアを開けようとするけど…開きません。「よそ者が入れるところではありませんよ」と親切なゼロス君が教えてくれましたw魔法で吹っ飛ばそうとするゼルに「ダメですよ、何千何万の魂が眠っているから物騒なことをしたら大事です」とこれまた親切なゼロス君w「じゃあどうすればいいのかな〜」とハリセン片手のリナに迫られて…さらに親切なゼロス君が開けてくれましたwアメリア曰く「魔族界の何でも屋」だそうでw
 「お手伝いはここまで」と立ち去ろうとするゼロスをリナが呼び止める。「どうせ教えてくれないだろうけど。結局あんたの目的はなんなの?ゼロス」お、ダメ元とは言え核心に迫った!でも、やっぱり「秘密です」。リナはさらに続ける「あんた自身、壷を狙っておきながら、神殿の場所を教えたりして、どうしたいのよ?」この質問に、ゼロスは「昔の好」と言いつつ、こう答える…「強いて言うなら…面白いから、ですかね」…そういって今度こそ立ち去った。
 結局何も語らないゼロスだけど、リナは確信した。
 「あの壷はレゾ以外に何かがある。万が一のために、あたしたちにあの壷を追わせて、保険をかけようとしているのよ」
 って、どういうこと?まあ。「何か」がありそうなのは間違いないとして、「万が一のための保険」とは?万が一、とは自分が手に入れられない場合のことか?このままポコタの手により復活してしまうのは困る、なのでリナ達の手も借りて、それは阻止しようとしている…とリナは読んだ、ということ?とりあえずゼロスがリナ達を壷の元に導こうとしているのは間違いない。途中おちょくって見せてるのは彼の言うとおり「面白いから」でしょう。相変わらず飄々としていてつかめないやつめ…。結局全貌はまだ見えないけど…リナ達は神殿内部に突入する。
 ポコタとオゼルは先行して神殿内部を進む。オゼルは歩きながらレゾとの思い出を回想する。どこかの屋敷の庭みたいな場所。ベンチに座るレゾと、地面に腰を下ろすオゼル。
レゾ「人間とは、喜び・悲しみ・憎悪・欲望、複雑な感情をコントロールしながら、自分の行動を決めているのだ」
オゼル「感情?」(と首をかしげる)
レゾ「しかし、それとは別に、この世界には善と悪の概念があり、感情に従って行動したことが善になればいいが、悪になることもある。」
オゼル「よくわかりません。私にとってはレゾ様の命令を聞くことが善で、それ以外は悪ですから」
レゾ「人間もそのように割り切れれば、少しは楽になるのだろうな。…オゼルよ。私は時々わからなくなる。人間という存在が」
オゼル「レゾ様?」
レゾ「すまない、少し混乱させてしまったな。」
オゼル「私も人間について考えてみます。そのことがレゾ様のお役に立つのでしたら。少しでもレゾ様に近づけるのでしたら。」
レゾ「ありがとう。オゼル」
 この回想のレゾは優しい笑顔を浮かべていて、先週のダークサイドが嘘のようです。感情と善悪の概念は別、という話は深いですね。人間の感情についてオゼルに語りながらも「人間がわからなくなる」と語るレゾ。自身の心に生まれつつある闇の心と、それに従って行動しようとしている自分に何か疑問のようなものを感じているのだろうか?
 回想のオゼルは「迷い」を持たず、表情はあるものの、やはり「人形」という感じ。そもそもレゾは何のためにオゼルを作ったんだろうか?人の心を研究するため?オゼルが心を得ていく様子を観察していたんだろうか?
 現在に戻って…壷を手に「私の感情は…」と悩むオゼル。壷を優しく撫でる様はレゾを思っているがゆえか?
 というところでAパート終了。
 アイキャッチは元気なポコタと寂しげなオゼル。サブタイトルの「復活の代償」はポコタの体のことかと思っていましたが、オゼルが機能停止してしまったことも関係ありそう。意味深な2ショットです。

 まずは前半UP。