新装版スレイヤーズ11 クリムゾンの妄執 ネタバレ感想 3

 クリムゾン語り、いいかげん今日で終わります。


 今日はリナの話から。アリアのところで少し話しましたが、クリムゾンの妄執のリナはなんだかんだ言いつつ面倒見のいい部分が前面に押し出されていますね。そして、水路が張り巡らされた街、という舞台を存分に生かし、小技組み合わせの魔法戦略がとても光っています。パーティ面子がレギュラーメンバーより能力的に劣ることもあり、作戦担当はほとんどリナ。リナのタクティカルな部分をすっかり堪能しちゃいました。一番好きなバトルシーンは、風の結界の後ろでファイヤーボール炸裂させて敵陣につっこむところ。猛スピードで落ちながら、その間にちゃんと呪文が唱えていて、着地と同時に黒妖陣炸裂!って流れがほんと痺れた。
 そして、ベル戦。アリアの決意とその意図を瞬時に察し、迷うことなく神滅斬を唱え、振り下ろすリナの判断力と決断力はリナの持つ真の意味での強さの表れだと思う。「迷うことは許されない」と思いつつも、迷いがなかったわけではないでしょう。でも、「アリアの想いに応えなければならない」という意志の力が上回った。とは言え、その強さは完璧ではなく、背負った重さに気を落とすリナ。それを支えるガウリイ。「夜はまだ始まったばかりなのだ」という最後の一文がなんとも言えず良い。この事件はこの先に待ち受ける、大きな試練のテストケースに過ぎないんですよね・・・。なんとも意味深なラストシーンです。
 
 さて、最後に新装版あとがきのネタバレ感想。なんかさらっと重要な事実が明かされた!2部のテーマは「人って死んじゃう事もあるけど、それでも残った人はしっかり生きていかなくちゃあ」ってことらしい。おおおおぉ、なんかすごい納得。でも、そんな重要事項をギャグで茶化してしまう神坂先生のお茶目さというのがこれまたすごくらしくて好きです。神坂先生の作品って、そういうパターン多いですよね。メッセージがギャグで包んである、っていう。
 ・・・本物ルビアwキャラ違いすぎるw「死ぬかと思った」はギャグで使うには便利なセリフだなあ・・・。そしてランディさんもお亡くなりになってましたが。平和主義恐るべし。でも、確かに作中の生き死にのバランスっていうのは本当に難しそうです。スレイヤーズはギャグとシリアス両面あるから余計に。