5話に登場した某敵キャラに関する考察。

 5話未見の方もいると思うんでちょっとぼかしたタイトルにしてみました。ちなみにかなりの長文になっております。お時間のあるときにどうぞ。



 はい、ザナッファーについての考察いきます。ザナッファーは原作とアニメで設定が大きく異なっています。そのあたりについて考察しながらREVOLUTIONではどういう扱いになるのか予想していきたいと思います。原作を全て読んでいることを前提に語りますので、未見の方はネタバレ注意。

【ザナッファーの伝説】
 まずは伝説で語られているザナッファーについて。以下、原作ベースですが、ここはアニメ版も準拠という認識でOKだと思う。
 ザナッファーは、今から120年前、当時魔道士協会の本部があった魔道都市「サイラーグ・シティ」を滅ぼした魔獣。最終的には光の剣の戦士・・・つまりガウリイの何代か前のご先祖様によって倒された。しかし、ザナッファーは死してなお無限の瘴気を放ち続けた。そこで、戦士は竜族より手に入れた、瘴気を吸収・浄化して成長する木を魔獣の体に植えつけた。それが後に「神聖樹フラグーン」としてサイラーグのシンボルとなった。

 続いてメディアごとに分けて分析します
★原作
 原作に出てきた「ザナッファー」は4体。

【オリジナル・ザナッファー】

 厳密に言うと作中に出てきたわけではないけど、上記の伝説に登場するザナッファー。
 このオリジナル・ザナッファーの技術の出所は、レディティウスに保管されていたクレアバイブルの写本。レディティウスは国王が不死を求めたため、500年前に滅びた国で、当時は膨大な魔道資料が集まっていたらしい。ザナッファーの製法が記された「写本」はレディティウスの大神官が国を捨てて逃げ出すときに持ち出されたもので、代々その子孫によって管理されていた。しかし、今から120年前、その真贋を疑問に思った当時の管理者が、写本に記された製法で作ってみたら出来上がったのがザナッファーで、それが暴走してサイラーグは滅びた、という流れ。サイラーグで作ったのは魔道都市の魔道技術を利用するためか?
 その能力の大きな特徴は「精神がアストラルサイドが隔離されているため、攻撃魔法が届かない」ということ。ここで言う「攻撃魔法」とは、アストラルサイドを利用する黒魔法とアストラル系の精霊魔法ですね。地・水・火・風の力を利用した精霊魔法は物理攻撃なので、攻撃が届くことは届くものの、ザナッファーの皮膚にドラゴンの皮膚組織などを使うことによって防いでいるらしい(この辺はゼロスの推測も入っているようだ)。
 このオリジナル・ザナッファーの「攻撃能力」については作中では特に語られていない。

【デュクリス・ザナッファー】

 オリジナル・ザナッファーを作り出した「写本」を元にクロツの邪教集団が作り出したザナッファー2号。「封魔装甲ザナッファー」と呼ばれ、鎧の姿をしていた。どうやらこの「鎧」はクロツ達が意図した「完成体」の前段階の模様。その辺は後述する。
 デュクリス・ザナッファーは割りとすぐ倒されてしまったので、その能力はわからないことが多いのですが、分かっているのは二つ。
 まずは防御能力。エルメキアランスとラ・ティルトを防いでいます。アストラルサイドからの隔離による防御能力はありと見てOKだと思う。地・水・火・風の精霊魔法を防げたかは分からない。オリジナル・ザナッファーに対するゼロスの考察だと、「皮膚にドラゴンの皮膚組織を使っているから耐えられる」とのことだったので、この鎧の段階で物理攻撃を跳ね返せたのかは不明。ただ、「鎧」と言うと一般的に金属をイメージしちゃってるけど、実際にはドラゴン起因の素材なのかもしれない。リナのショルダー・ガードについての説明で、その辺の素材を使った防具の存在が明かされていますし。となると、鎧に覆われていない部分はどうなる?って事になっちゃうけど。
 攻撃能力としては、手のひらから「光」を生み出して剣状にして使っていました。これはザナッファーが放つことが出来るレーザーブレスの応用のようです。
 デュクリス・ザナッファーはガウリイの光の剣の前に倒れた。

【クロウヅ・ザナッファー】

 オリジナル・ザナッファーを作り出した「写本」を元にクロツの邪教集団が作り出したザナッファー1号。クロツの生み出したザナッファーの完成形だが、オリジナルと同じく暴走した。その正体は「生きた鎧」であり、始めは鎧の形で装着者を守りながら、次第に宿主の体を食らって成長する。宿主の体と意識を食い尽くしたとき、ザナッファーは完成する。完成体は人間の形態を止めず、「たてがみを持つ鋼の狼」のような姿をしている。成長の過程で宿主の知識や経験を取り込む。また第三者と「食う」ことにより、その者の知識を取り込むことも可能。「魔獣」と称されていたが、実は高度な知性を持っていて、かつて自分の同族を倒した光の剣を警戒していた。
 能力としては、やはり「アストラルサイドからの隔離による攻撃魔法の防御」の力を持っていた。ただし、これは諸刃の刃で、逆に「魔法を行使する力」を失ったことも言及されている。物理防御はリナのブラストボムにも耐えるほど。
 攻撃能力は、ゴールドドラゴンにも匹敵するほどのレーザーブレスあり。ブレスは口からだけでなく、体のあちこちから映えた銀の触手の先からも放つことが出来た。
 このザナッファーはリナのラグナ・ブレードで表皮を切り裂く→体内でファイヤーボールを発動させて焼き尽くす、のコンボで倒されている。アストラルサイドからの隔離と装甲の厚さは脅威だったが、あくまで肉体を持った存在だったようだ。

【ゼナファアーマー】

 メンフィスが装着していた鎧。「魔律装甲(ゼナファアーマー)」と呼ばれる。元の知識はクレアバイブル起因なのですが、上記3体のザナッファー(以下、「ザナッファー」と表記)とは生み出された経緯が違う。「写本」から人間が生み出したザナッファーと違い、ゼナファはオリジナルのクレアバイブルから得た知識を元に竜族とエルフ族が共同開発したもの。技術のレベルは高く、また装着者がエルフのメンフィスという点でも安定した制御が可能になっている。
 その能力は、メンフィス曰く「アストラルサイドへの干渉力をある程度自由にコントロールでき、こちらの意識コントロールで、変形も可能な半生体甲冑」ってことらしい。
 詳しく見ていく。ゼナファアーマーはザナッファー同様、「アストラルサイドからの遮断による防御」機能がついている。この機能は装着者の意志でオンオフが可能で、ザナッファーのネックであった「アストラルサイドを利用した攻撃が使えない」点も克服されている。さらには逆にアストラルサイドへの干渉力を強めることも出来るみたい。「物理防御能力」については特に描写がないので不明だが、対魔族用に開発された鎧であることを考えると、その辺の能力はあまり突き詰めなかったのかもしれない。
 攻撃面では「白い巨人」に変形することができる。ザナッファーで言うところの「鋼の狼」に当たる姿かな?ザナッファーの「変形」が装着者の肉体をも変質させてしまう一方通行的なものだったのに対し、ゼナファはあくまで「鎧」のみが変形、装着者の意志によってコントロール可能となっている。ゼナファ自身も意志を持っているようで、鎧単体での自立行動も可能みたい。しかもあくまで「装着者の意志」が前提。意識を乗っ取ってしまうようなことはない。ザナッファー同様、レーザーブレスも吐ける。
 メンフィスはザナッファーを「人間がクレアバイブルの知識を理解することが出来ずにいい加減な技術で作り出した不良品」と評している。たしかに、ゼナファに比べるとその評価も妥当である。クロツはクロウヅ・ザナッファーを完成体、と認識していたみたいだけど、むしろ鎧として使うほうが本来の使い方だったんじゃないかと。ザナッファーの意識を抑えることが出来なかった事が暴走の原因か?

 こうしてみると、最初は伝説として登場し、そこを膨らませて作中に敵として登場。最終的には味方側の装備として再登場し、覇王戦でのキーアイテムとなる、という流れはさすがはパズラー・神坂先生という感じ。

★アニメ版

 冒頭にも書いたとおり、アニメ版ザナッファーは原作と設定が大きく異なっています。とりあえず、サイラーグを滅ぼした魔獣という認識は同じ。無印と今回のREVOLUTIONに登場しています。

【レゾ・ザナッファー】

 アニメ版のザナッファーは「赤法師レゾの遺産」として登場する。レゾは自分の目を開かせるために魔王シャブラニグドゥを復活させ、その力を頼ろうと画策しており、復活させた後に魔王に対抗する手段も研究していた。その一つがザナッファー、という位置づけ。結果的には魔王はレゾ自身の中に封印されていたわけですが。クレアバイブルの写本から作られたという設定は原作と同じ。今回のREVOLUTIONで新たに出た設定と組み合わせて考えると、ザナッファーはレゾがタフォーラシアから持ち出した技術だと考えられる。原作ではレディティウスが出所の「写本」でしたが、アニメ版では元々サイラーグに伝わっていたものが、タフォーラシアにも伝わったものなのではないかと。レディティウスってアニメには出てきてなかった気がする。「不死を求めた国」は出てきたけど、名前は出てなかったような。
 無印ではレゾ自身は使うことがなかったザナッファーを、エリスとコピーレゾが利用しようと求める展開になった。復活したザナッファーはコピーレゾと融合を果たす。アニメ版ザナッファーは「無限のパワーを秘めた精神生命体」という扱いで、原作違って鎧ではなく、実体も存在しない。完全に宿主であるコピーレゾの支配下にある感じでした。
そして、戦闘能力も原作とは大きく異なる。まず、原作ザナッファーの最大の特長である「アストラルサイドからの隔離」という設定がないようです。終盤、光の剣で増幅した呪文は直接叩き込んでいなくても効いていたし、コピーレゾ自身も魔法を使っていたので。でも、防御能力自体は高く、「魔力シールドによる防御」「相手の呪文を吸収」などの方法で攻撃を防いでいました。注目すべきは魔力増幅を行わなかった時点での「光の剣」の攻撃が無効であったこと。原作ザナッファーは自分を滅ぼせる存在として光の剣をかなり警戒していました。「隔離」は出来ないけど防御能力は高い、それがレゾ・ザナッファー。そして、「無限のパワー」と言われるだけあって攻撃時に使われるパワーの火力は原作以上でした。
 「アストラルサイドからの隔離」の設定がないのは、恐らくアニメとしての分かりやすさを優先したからでは?と思う。この辺の理屈を説明するには原作でゼロスが行った通り、「魔法とは何か?」の説明から始めなければならない。するとちょっとマニアックな方向に傾いてしまう。ならば単純に「防御力が高い」という設定にして、アニメとして分かりやすく動かしやすくした、と言う流れなのかな・・・と。それでもこの時点ではストーリーの進行になんら影響はありませんでしたし。
 でも、REVOLUTIONで「ザナファ・アーマー」と呼ばれる新たなザナッファーが登場しました。これは恐らく原作とのすり合わせをしようという意図なんじゃないかな、と思う。2部の話、どこまでアニメ化するのかわからないけど、もしメンフィスを登場させようとしているなら、原作設定のザナッファーの説明が必要です。
その為には、レゾ・ザナッファーをもう一度考察する必要があります。レゾ・ザナッファーは、クレアバイブルの写本を元に、レゾがさらに改良を加えて作り出した魔獣なのでは?「アストラルサイドからの隔離」は防御の観点から見れば利点でもあるけど、攻撃面では欠点でもある。レゾは、目を開かせた後、邪魔になる魔王を滅ぼすための力としてザナッファーを研究していた。その為に必要なのは防御力より攻撃力です。隔離の力は捨てさせ、ザナッファーが持っていた攻撃エネルギーにのみ特化した改良を行ったのでは?その結果「無限のパワーを秘めた精神生命体」としてのザナッファーが生まれた、と。防御の面も別のアプローチから解決させた、とか。苦しい?
 ・・・これはザナッファーと呼べるのか?という問題が出る・・・が、その答えはNO、でもいいんじゃない?と思う。大元のクレアバイブルに記されていたのはあくまで鎧のザナッファーの製法。レゾ・ザナッファーは、それを元にレゾが改良した新しい魔獣。スタートは同じだけど、ゴールは違った・・・みたいな。うわ、ややこしすぎるなw

【デュクリス・ザナッファー(アニメ版)】

 さあ、前置き長くなったけど、REVOLUTION5話に出てきたデュクリス・ザナッファーの考察。アニメ版デュクリス・ザナッファーは「ザナファ・アーマー」と呼ばれる鎧として登場します。これを着たデュクリスにはブラムガッシュ、バーストフレア等の精霊魔法が効かなかった。・・・そう、試されたのは地・水・火・風の精霊魔法・・・つまりは物理攻撃なんですよね。デュクリス曰く、ザナファ・アーマーには「魔法が効かない」。・・・結局、アストラルサイド隔離設定はないのか?魔法が効かない理由は他にあるんだろうか?それとも、隔離設定はあるけど、物理防御力も高いんです、な鎧なのか?原作のデュクリス・ザナッファーでも考察したとおり、あの鎧の素材にドラゴンの皮膚等が使われている可能性もある。少なくとも無印のレゾ・ザナッファーとはあり方が違う気がする。それで「ザナファ」って呼んでるのかな?さっきレゾ・ザナッファーはレゾがクレアバイブルを元に作ったオリジナルな魔獣、と言う話をしましたが、逆にザナファがタフォーラシア技術で作られた新しい魔獣なのか・・・?「ザナッファー」とは一言も言ってないし。でも光の剣が天敵らしいし、意識はされている気がする。なんだかここまで長く書いておいて、結局落しどころが良くわからない状況になってきたorz。
 追記:精霊魔法であるブラムブレイザーも試してますね。これも同じく効果なし。
 隔離設定ないなら、今後もアニメにメンフィスは登場しないでしょう。だとすると、なぜデュクリス・ザナッファーを登場させたのか?単なる原作資源の再利用?その可能性大だな・・・。単純に魔法が効かない鎧ってことで話進めるのかなあ。
とりあえずこの「ザナファ」はまだ未完成のようです。ゼロスが持ってきたクレアバイブルで完成形になるのかな?そしてその完成形とはどのような形なのか?「白銀の魔獣」ベースなら、あの「狼魔獣」になってしまう?すると無印と被るような。
 正直、どんな方向に進むのかわからないけど、わざわざザナッファー2回目の登場となったわけですから、今後の展開に当たって、何らかの意味のあるものにして欲しいな。あんまり纏まりない終わりで申し訳ないけど・・・終わります。