スレイヤーズすまっしゅ。考

　スレイヤーズ短編集「スレイヤーズすぺしゃる」が次巻より「スレイヤーズすまっしゅ。」とタイトルを変更して刊行されることになったようです（Web KADOKAWA新刊情報参照）。文庫「スレイヤーズすぺしゃる」は現在30巻まで刊行されていますが、すまっしゅ。へのタイトル変更後は仕切りなおして1巻から刊行される模様。今回はこのタイトル変更について考えてみます。
　第一報を聞いて驚きました。まさか20年近く使っていたシリーズタイトルを一新してしまうとは。しかも、元々「スレイヤーズSP.」としてドラゴンマガジン誌上に連載されたものが収録される様で、内容自体には「すぺしゃる」時代と変更がないみたい。にもかかわらず変更に踏み切った理由は恐らく二つ。

1．全面イラストカバー化のため
　今月の富士見ファンタジア文庫の新刊挟み込みチラシによると、富士見は「CHANGE！ファンタジア文庫」と銘打って、正方形＆ゴシックタイトルを廃止し、全面イラストカバー化を推し進めていく意向のようなのです。ご存知の通り、富士見ファンタジア文庫の表紙は長い間定型フォーマットに収まっていました。

スレイヤーズすぺしゃる〈30〉白銀の弾丸 (富士見ファンタジア文庫)

　このスタイルですね。既に新作を中心に全面カバー化の波はだいぶ前から始まっていました。それをさらに強めてインパクトのある表紙に改めていくようなのです。件のチラシには「まずは新シリーズを全面デザインに」とあります。既存シリーズである「スレイヤーズすぺしゃる」はどうなるのかな･･･と思っていましたが、「タイトル変更により新シリーズ化して全面カバー化する」、という流れになりそうです。
　富士見の定型フォーマット、個人的には好きだったので変化の波には少し淋しいな、と思っておりました。でも、今月スレイヤーズ（長編）も全面カバー化した新装版が発売になりました。これがすごくインパクトがある。イラストは大きいし、ロゴも目立つ。繋げて1枚絵になる、という仕掛けも嬉しい。

スレイヤーズ 1 (富士見ファンタジア文庫)

スレイヤーズ 2 アトラスの魔道士 (富士見ファンタジア文庫)

スレイヤーズ 3 サイラーグの妖魔 (富士見ファンタジア文庫)

　スレイヤーズすまっしゅ。はこの新装版スレイヤーズ7〜9巻と同時発売になります。3冊の新装版の横で、もし1冊だけ従来のフォーマットだったら･･･確実にすまっしゅ。だけ見劣りしてしまう。新カバー化するという選択は正しいと思います。

2．新規読者へのアピール
　スレイヤーズは7月よりスレイヤーズREVOLUTIONとして再アニメ化します。となると、当然原作にも新しく興味を持ってくれる人が出てくる。新装版の発売にはそういった新規層を取り込む狙いがあると思います。すぺしゃるの方も新規取り込み戦略のため、タイトルを変更したと思われる。
　要するに「新シリーズ、1巻から始まります。今から新しく買い始めせんか？」ってアピールですね。新規の読者がスレすぺ30冊をいきなり買うのはきついでしょう。でも1巻から新しく始まるなら･･･って気軽に買うかも知れない。また、スレイヤーズには「本編しか読んでない」というファン層が少なからず存在している。そんなファンたちも「何？新シリーズ始まるの？」と、間違って興味を持って買うかも知れない。
　･･･中身は従来どおりで変わらないみたいだけど。いくら短編でストーリー性薄いとは言え、いきなり読み始めたら面食らうだろうなあ。その辺、新規層に向けたフォローはあるのかな？登場人物紹介とか？と言ってもリナとナーガの二人で終了か。あ、あと「ガウリイと会う前の話」って基本設定も紹介しておかないと。

　と、考察してみました。
　で、ここで気になるのがドラゴンマガジン9月号（7月20日発売）で発表になるという、「スレイヤーズすぺしゃるに関する重大発表」の中身でしょう。この重大発表、実は元々は今月発売の7月号で行われる予定でした。前号（3月発売号）で既に予告されていましたから。この「すぺしゃる」→「すまっしゅ。」へのタイトル変更が重大発表？とも思ったのですが、そうであれば予定通り今月号で発表になっていたでしょう。今月号を逃せば新刊情報としてWeb KADOKAWAに載ってしまうわけだし、わざわざ「重大発表」とまで告知しといて既報でした、なんてことは･･･ごめん、なんか前にあった、そんなこと。1年半前のドラマガでorz。･･･と、書いてる途中で自分の予想の大きな穴に気づいてしまったんですが、せっかくなので最後まで書きます。
　とにかく、延期になったのには何か理由があるはず。そう思いたい。例えば･･･更に大きな企画に発展しそうだから、とか。大きな企画･･･「スレイヤーズすまっしゅ。」の名前でアニメ化、これだ！つまり、リナ＆ナーガのコンビもアニメで復活ですよ。媒体は劇場版かOVAで。長編と短編のスレイヤーズが両方アニメで楽しめる、そんな黄金時代が復活！という展開を希望しています。･･･あくまで希望の域を出ないのですが。さて、一体何が発表されるのやら。