再考:なぜ今スレイヤーズ再アニメ化なのか。

 先日スレイヤーズ新アニメ化第一報を受けて「なぜ今スレイヤーズ再アニメ化なのか」という私なりの考察をしてみました。あれから約2週間。林原めぐみさんがラジオで語ったお話を聞いて、新たに思ったことを書いてみます。
 前回は
1.富士見書房の事情
2.世はリメイク・続編ブーム
3.スターチャイルドの事情
4.林原めぐみさんの事情
5.10年という歳月
 と、5本立てでお話を進めてみました。林原さん発言を考慮に入れて考えると…一番大きな要因は3と4…特に4かな、と思った。
 林原めぐみさんから「新規TVレギュラーOK」のGOサインが出たこと、これがスレイヤーズ復活の大きなきっかけだったのでは?そのように感じています。少なくともスレイヤーズ新アニメ化の企画において、中心的役割を果たすのが林原めぐみさんなのは間違いないでしょう。スタチャ的にはこれをきっかけにまた林原さんにガンガン活躍してもらいたいんじゃないかなあ。ラジオでのスレイヤーズの扱いがかなりVIP待遇なんですよね。「番組でも盛り上げていきたい」とまで言ってましたし。もちろん林原さん自身、思い入れのある作品だから、というのもあるでしょうが、やはりそこはビジネスですから「宣伝」の意味も含まれるのではないかと。

 一方、前回1番目に挙げた富士見書房の事情ですが…逆に富士見はスタチャが出してきた企画に乗った側のように思えてきた。「スレイヤーズ新アニメ化?いいですね〜、ドラマガ20周年だし、やっちゃいましょうか」、みたいな。
 前回、富士見の思惑として、

>スレイヤーズをもう一度プッシュ・アニメ化して雑誌を、レーベルを盛り上げていこうと。

というようなことを書きました。でも…ドラマガはアニメ化情報目当てに買う人が増えるかもしれないけど、長編が完結している作品でレーベルが盛り上がるか?と問われれば、やっぱり難しい気がする。もちろん、短編であるスレすぺは今でも継続しているし、面白い。なにより売れ筋作品。でもやはり、短編では「この先どうなっちゃうんだろう?」的な盛り上がりには正直欠けますよね。スレすぺに関してブログや掲示板等で語られているのを見る機会は長編のそれに比べて少ない。レーベルを盛り上げるならやはり長編作品をプッシュした方がいいように思えます。
 現に富士見は昨年、神坂先生の新作長編「アビスゲート」をプッシュしてきました。アビスは文庫の長編のほかに短編もドラマガに(不定期ながら)連載するという形をとった。前作「クロスカディア」もドラマガに短編を載せたことがありましたが、これは1回限りの特別編でした。ドラマガスレイヤーズ以外の作品が連載されたのはこれが初めてです。さらに、ドラマガでは時々「人気作品を集めた合同のカラー特集企画」みたいのを組むんですよね。これにもアビスが登場した。長編・短編の執筆、そしてカラー特集…そんなアビスゲート立上げ期間中、スレすぺは半年以上連載を休んでいました。「富士見、アビスに本気だな〜」当時私はそう思いました。逆に言えば昨年はスレすぺ的には1歩引いた1年だったんですよね。なのに今回スレイヤーズが新アニメ化ですよ。富士見的にも想定していなかったのでは?と思ってしまう。
 さて、そんなアビスゲートの長編新刊が4月に出ます*1ドラゴンマガジン5月発売号にはそれに絡んで、アビスの短編が掲載されるようです。…文庫はともかく、雑誌の方はスレイヤーズを載せた方がアニメ化を機に戻ってきたファンへのアピールになるのでは…とも思うのですが、あくまで文庫の宣伝を優先するみたい。となってくると、やはり富士見の狙いは新作のプッシュにあるように思えるのです。だから、「スレイヤーズでレーベル盛り上げよう」と言うのはちょっと考えすぎたかな、と思った。もちろん、スレイヤーズも文庫新装版出ますし、ダ・ヴィンチライトノベル特集で富士見編集長がスレイヤーズを一押し作品に挙げるなど、スレイヤーズにも力を入れてきているようですが。
 ここまで長々と書いてきましたが…結論としては今回のスレイヤーズ新アニメ化はスタチャ主導で行われそうな気がする。原作のプロモーションではなく、あくまで一つのアニメ作品として構成されるのではないかと。そして・・・それは声優・歌手としての林原めぐみさんの再起動の場にもなりそうに思える。

 こんなことを思っていたらWeb拍手にこんなコメントが

>本日今月刊行分のファンタジア文庫を仕事で処理したんですが。
>入ってるちらしや帯には今回一切スレイの文字はありませんでした。
>せっかくのアニメ化なのだから今度出るドラマガで特集なくともあおり文句だけでも出ててもいいのに・・・。
>どうも先月分の帯(特集3つめ)といい、まだ情報を出したがらないのが、決まってないことだらけ見切り発車

 うーむ。やはり富士見は「企画に乗った側」に思えてきました。ドラマガ5月号(3月号発売号)は雑誌の予告段階ではスレイヤーズの名前は全く見当たらなかったんですよ。でも、Webでの告知にはアニメ続報がある旨が追記されました。これは…スレイヤーズアニメ化へのあまりの反響に急遽情報ページの追加でもしたのではなかろうか?チラシもあくまで「当初の予定」のものなのでは…とか思いました。すごい妄想ですいません。
 見切り発車なのでは?とご心配のようですが、例えば7月開始だったら確かに準備不足かな、とも思います。でも「アフレコの予定が早めに決まった」「主題歌はデモテープを集めている段階」という林原さんのお話から想像するに、10月開始なのでは?と思い始めています。であればまだ時間はありますから、きっとクオリティの面でも折り合いがついたものが仕上がるのではと期待しております。第1報がきっと早かったんですよ。時間かけて盛り上げていこう、って感じなんじゃないかと思います。

 最後に・・・今回もすごい妄想ですいません。状況から推測した単なる憶測ですので、話半分に読んでいただければ幸いです。

*1:追記。発売延期になりました。どうやら執筆が間に合わなかったようで・・・