アビスゲート1 ネタバレ感想その1
アビスゲート〈1〉果て見えぬ淵の畔に (富士見ファンタジア文庫)
- 作者: 神坂一,芳住和之
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2007/10
- メディア: 文庫
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★世界観・ストーリー編
「海か厄災として忌み嫌われる世界」・・・事前情報でも明かされていたこの世界設定。この設定に引っ張られるような形でストーリーが進んでいるように感じます。「神話」と言う形でもう少し詳しく世界設定が明かされました。
神話に曰く、「善なる神と邪神がいて、戦いの結果、善の神オーランは邪神を海に封じた。封印の杭として使ったのは無数の大樹。この世界はその大樹の上に存在している。ただし、オーランの封印は完全ではなく、名前すら封じられた邪神は海に自らの僕を無数に生み出した。それがアビスフォーム。邪神が封印樹の一部を朽ちさせて海を出現させる現象がアビスゲート」とのこと(長いので途中要約しちゃいました)。
ここで気になるのが善神VS邪神の争い。ここで神族と魔族の戦いを連想して、アビス世界はL様産4つの世界のうちの一つ?って連想してしまうのは短絡的でしょうか?
・・・善神VS邪神の構図の元ネタはゾロアスター教でしょうし、ファンタジーでは良くある神話の形なので、単に被っているだけ、という可能性も大なわけですが。あんまりL様世界観引きずっても仕方ないし。でも、邪神の方の名前が出てきていないのが気になりますね。ちょっとしたファンサービスとして絡めてあっても面白いかも、とも思います。
さて、L様世界なのかという話題はひとまず止めにして、アビス世界のお話をしましょう。アビスゲートとアビスフォーム、そしてそれらを人為的に引き起こせる組織の存在がこのお話の中心になってくると思います。
アビスゲートは元来からテーニア達の組織が引き起こしている人災なのでしょうか?それとも元々あった現象を人為的に引き起こす方法を見つけたので、何らかの目的のために利用しているのかな?・・・おそらく後者のような気がする。神話になるくらい昔からあった現象みたいだし。
とすると、人為的に引き起こす目的は・・・?黒装束一派の実験口調を考えると、単なる知的好奇心でやってます、と言う可能性も考えられるけど、それじゃあ物語として発展しない。やっぱ目的はありそう・・・まあ普通に考えると邪神の復活かなあ?そんなことになったら世界そのものが崩壊の危機なのに。と、これではスレイヤーズと丸被りになってしまう。
以下は私の予想なのですが・・・「そもそもこの世界はアビスフォーム達の住む海だけの世界だった。その上に樹で覆いを作って住み着いた人間こそが侵略者である」と言うオチはどうだろう。アビスフォーム達は奪われた世界を取り戻すためのせめてもの抵抗として、時々海から沸いてきて殺戮を繰り返していた。テーニア達の組織は、世界をあるべき姿に戻すため、邪神(とされている存在)の復活を目論んでいる、みたいな。あとがきに「海の中の方々から見れば、陸上で暮らしているこっちの造形の方がよっぽど異様にみえるんだろーなー」って記述があったので思いついた予想です。・・・オチに繋がるような内容を1巻のあとがきでほのめかしたりはしないか。
私の予想はさておいて、アビスゲートとアビスフォームの正体については、単なる厄災・単なる異形のモンスターでは終わらずに、何か大きなどんでん返しがあると思う。面妖キャラを書きたかったからがこのシリーズを始めたきっかけらしいしw どんな意外な真実が待っているのか・・・そこは神坂先生のお手並み拝見ですね。
今回はここまで。次回はキャラクター編を予定しております。