スレイヤーズすぺしゃる27巻「スタンプ・トゥ・キル」感想(ネタバレ)

 いつもより発売の間隔が短いスレすぺ新刊の感想。
★ロスト・メモリー
 よくよく見かける記憶喪失ネタのスレすぺアレンジ。記憶喪失な人を目の前にしても動じずマイペース、それでいて何だかんだで記憶を取り戻すのに付き合ってしまう面倒見のよさがリナっぽくて良い。記憶の手がかりを探すシーンでは、いつもながら冷静な推理が光ります。
 この巻は全体的にスレすぺにしてはシリアス目なお話が多いですね。これもリナを狙う殺し屋なんてのが割りと真面目に襲ってきてますし。・・・記憶喪失のフリをさせるために殴りすぎてほんとに記憶喪失になっちゃいました、ってのは紛れもなくスレすぺなんだけど。
 小ネタとしては、リナが寝ているときでも殺気や敵意を感じ取れるのは姉ちゃんのしごきの賜物だったことが判明。郷里にいた頃は安眠中でもうかうかしてると鉄拳が飛んできてたのか・・・・・苦労してるなあ、リナも・・・。
★スタンプ・トゥ・キル
 こちらもスレすぺでは異色な話。スリープアイは本編に出てきそうなキワモノモンスター。最後のバトルのところもやけにシリアスです。
 しかし・・・当初リナはスリープアイとは関係ない殺し屋に狙われたのでは?と考えていたのに、スリープアイのせいにして警備兵の皆さんに手伝わせ、さらには隊長のヘタレさに付け込んで礼金貰う交渉まで成功させてしまうとは・・・鬼やなw。ほんとに関係ない殺し屋が相手だったらどうしたんだろう?「隊長のせいじゃなくってよかったじゃない」とか言ってうまーく言い逃れそうな気もする。
★セルフ・クエスト
 地図を片手に「自分探しの旅」に出てしまった男の話。物事を言葉どおりに捉え、その思い込みで突き進む人、というのはスレすぺではお約束のキャラですね。でも、このお話、やってることはアホだけど、事件そのものはかなりシリアス風味。一応人間との共存模索していたのにお亡くなりになった狼人間さん達は、少々気の毒な気もするけど、リナに関わったことが運の尽き、ということで。
★ファミリー・ポートレート
 うちの会社にもいます。会社では嫌な奴なのに、家族とは仲良しで家庭円満(あくまで本人談だけど)な人!ほんと理不尽ですよ・・・。それはさておき、天然お子様なミュースがかわいい。アコード、彼女を人質に取ったはずなのにペースに巻き込まれてる!

★口絵
・1枚目
 狩猟本能むき出しの猫リナ(鈴はでじこ?)と下の乙女リナのギャップが素敵だ。
・2枚目
 これ、ドラマガのイラストの再録*1やないか・・・orz。っていうか、この巻ナーガ出てきてないし・・・。
・3枚目
 きつねのぬいぐるみGJ!全然きつねに見えないところがなんとも良い。

★あとがき
 DVD-BOXの企画で盛り上がる作者とL様。L様が活躍するスレイヤーズって・・・文字通りお話にならない?最後に「NEXTであたしが降臨して、憑代の胸の小ささにへこんで帰るシーン・・・」との発言が。リナに対してこんな発言して何のツッコミもなしで済むあたりはさすがはL様。今回のあとがき読んで、スレイヤーズの世界ってL様(と一応作者)によって生み出されてるんだなあ・・・とかしみじみ思ってしまった。

*1:2004年3月号。スレイヤーズ15周年特集の号