今月のスレイヤーズすまっしゅ。ネタバレ感想

 ドラゴンマガジン11月号よりスレイヤーズすまっしゅ。ネタバレ感想です。今月は「蘇る王」。以下、ネタバレで。

DRAGON MAGAZINE (ドラゴンマガジン) 2009年 11月号 [雑誌]

DRAGON MAGAZINE (ドラゴンマガジン) 2009年 11月号 [雑誌]

 まずはイラストの話を。扉は単独でネタにするほどのインパクトwネタにしたので割愛です。
 2枚目はブラム・ブレイザーを撃つリナ。書き文字ありでマンガのコマ風。でもシリアス調です。勢いのある感じがかっこいいw
 3枚目はフライドさんVSアルディオン王、それを見守るリナの三者三様をこれまたマンガのコマ風に分割して。アルディオン王wどんだけダメージ受けてるんだwまあ・・・気持ちは分かるけどww状況はアホなのにみんな真剣、というすまっしゅ。らしい状況が現れてますw
 内容のお話に入ります。
 300年以上前に滅びたアルディール王国の王、アルディオン。暴君と呼ばれながらも魔道にたけた彼は悪霊化。ちょっとグレた村の青年、「ロック」と憑依合体してしまい、騒動が巻き起こる、というお話で・・・新要素てんこ盛りw内容感想に入る前に、そのあたりをちょっと真面目に考察したいと思います。

◆アルディール王国
 まずはアルディール王国。レディティウスに続いて出てきた今は滅びた国。特に記述はないけど、場所はどの辺なんだろう。滅びたきっかけは暴君アルディオンの暴走・・・この辺はリナも言うとおりよくある話ながらも分かりやすい流れだったようで。「思い付きでの他国への侵略戦争」が衰退のきっかけになった・・・ということはあまり大きな国ではなかったのかな?国力あれば思いつきでもそれなりに侵略できちゃいそうな?

◆ゴーストについて 
 アルディオン王は死後悪霊化。その理由として「生前から魔道に長けていた」ことが推察されています。魔道技術があれば悪霊化が可能?技術ではなく、魔力キャパの問題か?
 ゴーストは「悪霊」と表記される場合と「幽霊」と表記される場合があるようで。前者は人に積極的に悪さをする、後者はさほど実害がない、といった分け方でしょうか。
 「ミッシング・セイント」というお話で人がゴースト化する経緯について少し触れられています。「人間が強い悔いを残して死んだ場合、その精神がゴーストとなって留まることがある」そうです。このお話ではエロ書物に未練があってゴースト化した聖者センティという個体が出てきますwアホな理由ですが、「未練があるとゴースト化する」のは間違いないようで。このセンティのゴーストはちゃんと会話も出来ましたし、自我がはっきりしている方のようです。
 他にも自我を持たない「低級霊」のような存在がモンスター的な感じで出てきたことがあります。これらは自然発生したり、魔道士に召喚されて使役されたりもするようで。この辺は自我のはっきりしない人間霊なのか、はたまた動物霊のようなものなのか・・・とりあえずゴーストにもランクのようなものがあるのかも。純魔族になりきれない魔族がレッサーデーモンとして何かに憑依する形で物質世界に具現するのと似た感じで。
 センティは一応僧侶として実績のある人物のようで、それなりに魔力を持った人物だったのでしょう。魔道士やら僧侶やらは普段からアストラルサイドへの干渉=呪文の行使を行っているので、未練を残した場合、精神だけでも現世に留まろうとする力が大きいのかも知れません。魔力が大きければその力も大きく、自我のはっきりしたゴーストになり・・・人に悪意を持った場合は「悪霊」になってしまうのかも。
 どうやらゴーストは遺骸の方に魔封じの封印を施されると力が弱まってしまうようです。アルディオンも墓所の棺に封印され、長い間外に出ることが出来なかった模様。ロックによってその封印を解かれたアルディオンは彼に憑依し、力を与えようとする。この憑依にはロックも同意の上。「体を共有しているというか同居しているというかそんな状態」になった。ゴーストの能力的には対象の身体や精神を乗っ取ることも可能のようですがその状態ではないようです。先述のセンティは石像に憑依してゴーレムのように動かしていました。アルディオンは自分に同調する相手なら乗っ取るより利用したほうがいいと考えたんでしょうね。仮の器ですから、常に乗っ取り状態だと疲れたりもするのかもしれない。力を与える経緯は・・・本作のネタの部分なので後述w

◆新魔法「暴王結魔弾」!
 今回、アルディオンがロックに授けた力として新しい呪文が出てきました。その名も「暴王結魔弾(ヴァデスファランク)」・・・手に魔力を込める呪文。新呪文ながら、霊王結魔弾(ヴィスファランク)に効果は酷似。でも名前が微妙に違う。しかも「暴王」とは!
 ちょっと脱線しますが、「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」という漫画を思い出した。その中に登場する獣王クロコダインというキャラは、かつての敵が途中から仲間になるっていう黄金パターンをやってくれます。彼の必殺技は当初「獣王痛恨撃」という名前だったんですね。でも、仲間になってからは「痛恨撃とは物騒だ」とのアドバイスを受け、「獣王会心撃」と技の名前を改めます。 
 これを元に妄想すると・・・ひょっとして、アメリア、アルディオンの残した魔道書か何かを目にして霊王結魔弾組み立てた?そして「効果は気に入ったけど・・・『暴王』なんて正義じゃないわ!」とばかりに「霊王」という風に名前を改めたんじゃなかろうか!!呪文は基本的に各自が個人で組むのが基本なスレイヤーズ魔法。だとすれば、当然亜種というものは存在すると思うんですよ。
 そういえば・・・昔「スレイヤーズの秘密」というアンオフィシャル考察本が出たことがあって(超秘密の方だったかも)、そこで「『霊王』とは誰?」みたいな疑問が提示されていた記憶が。「『霊王』という存在に力を借りた術なのか?」みたいな感じで。答えは・・・単なる語感の問題、ってことなのかな?「暴王結魔弾」もアルディオンが生前から使うことが出来た呪文だとすれば、「暴王」=アルディオン王自身の力を借りた呪文というわけではないでしょうし・・・。いや、これがロックが使う前提で組まれた術で、「暴王」ことアルディオンの力を借りているとするなら、借主の名前を冠しているという考え方も・・・。すると「霊王」というのは文字通り霊体ってことになって・・・アメリアの場合だと・・・先祖の霊的なもの?「秘密」or「超秘密」はそんな考察だったぞ。当たりか!?確認してないけど・・・。すると、「暴王結魔弾」の方が亜種、という考え方か。
 「暴王結魔弾」をアルディオンが生前から使っていたとすると、「自分の名前を技の中に入れる」感覚ですね。自分で「暴王」って言っちゃってるとすると、自覚のある暴君、ってことでかなりタチが悪い。でも、それくらいはやりそうな気もする。「自分の名前を技の中に入れる」感覚・・・スレイヤーズ魔法の中ではあまり考えにくい・・・と思いきや、似たようなのがある。それは「烈閃槍(エルメキア・ランス)」。この呪文とエルメキア帝国が無関係には思えないんだよなあ。私の中では最初の開発者がエルメキア出身だったとかそんな感じかなと妄想してるんですが。
 とりあえず、霊王結魔弾と暴王結魔弾はなにやら関連性のある呪文のようで・・・神坂先生!想像力かきたてるすばらしい仕込をありがとうございますw個人的にはアメリアによる改名説を支持してみるw

 と、考察だけで大分長くなりましたが、お話の中身の感想を箇条書きで。

・導入はいきなり「そこには何もなかった」で始まる。有無を言わさず始まる導入はあいかわらずさすがです。その後、徐々に状況が説明されていく。墓荒らしとの戦いになるのかと思いきや、事態は別の方向に。
・「人生いろいろある、ってことよ」とあっさりきっぱり斬ってみせるリナ。相変わらず人生経験豊富だなあw自身の体験というよりは「付き合ってきた人の体験」を傍らで見て共有している形ですが。
・アルディオンinロック現る。ロック君、冒頭からいたんだね。実は最初はうっかり見落としてましたw
・リナ、アルディオン王への挑発から流れるような体捌き!いいねえ〜。だけど、どうやら一筋縄ではいかない相手だった。これは戦闘パートも熱そうだ。更に挑発しつつ、ライティングフェイントでブラム・ブレイザー。これもダメ・・・やっぱ強敵なのか、こいつは。ここまであてが外れまくるリナはすまっしゅ。では珍しいかも。・・・一時戦略的撤退。
・作戦発見された理由・・・「日課のランニング」ってw「力を蓄える」が単に修行中w間違ってはいないけど・・・これは盲点だったw
・「そんな都合のいい力があるものか。純魔族でもあるまいし。」・・・ごもっともです。そこに「純魔族でもあるまいし」というフォローが入るのはうまい。純魔族は出来ちゃいますからねえ。
・本気バトル開始!熱いなあ。でも、リナは常に先手を取りながらも、ことごとく迎撃されてしまう。『ロック』の読めないな反応に「何が一体!?」と混乱しながら読んでいました。この辺のシンクロ感はいいよね。リナはもっと先読みしながら戦ってると思いますが。
・ロックに返されっぱなし、とは言え、リナの戦略は相変わらず冴え渡ってます。風に木の枝をさりげなく乗せてみるとか燃えるなあ。それ故に・・・腹立つwロックというかアルディオン王w
・見切った!・・・アルディオンは「目」で見ていたわけではなかった。なるほど!でも分かっただけか。だけど・・・ハッタリでも堂々と!ちょっとしたことでも流れをこちら側に持ってくるのは大事・・・これぞリナの戦闘スタイル。
・ここで沈黙を破ってフライドさんが動く。恥ずかしい日記攻撃wこれはきついぞw実は寂しがりだったアルディオン王wフライドさん、何研究しちゃってるんだwだけど、・・・昔の人の日記を勝手に読んで研究するのって、歴史では普通のことか。内容があれなだけでw
・日記はオチとしては面白かったけど、今回、リナがずっと押されっぱなしで終わってしまったので、そこはちょっと物足りないかも。逆転を期待していただけに。でも、たまにはこんな日もある。
・日記攻撃が有効だった理由を尋ねるリナ。あ、わからないか。15歳くらいならそんなもんかなあ。日記は書いたことないみたいだし・・・若気の至り的なことを時々振り返るけど、「若かった」の一言で済ませて血肉してちゃって引きずったりはしないようだし。
・「一生日記は付けないでおこう」・・・スレイヤーズ自体がリナの回顧録、というオチではないってことかなw日記と後世に書く回顧録では意味合い違うか。
 
 以上、色々見所の多いお話でした。