スレイヤーズりーでぃんぐ ネタバレ感想 追加 その1

 スレイヤーズりーでぃんぐはネタの宝庫。神坂先生インタビューからどんどん考察・妄想が膨らむぞ!ってことで、補足編いってみます。今回はスレイヤーズEVOLUTION-R8話のネタバレを含む内容です。未見の方はご注意を。ということで以下、ネタバレ話。


 怒涛に明かされた裏設定。さらっとズーマの過去についても触れられていました。周知の通り、ズーマの過去については「原作では明かされなかった設定」としてアニメスタッフの手に委ねられたことが昨年のアニメ放送前から告知されていて、スレイヤーズEVOLUTION-Rの目玉の一つでした。そのズーマの過去は8話で描かれました。りーでぃんぐでは明かされたのは「ズーマがグレたのは妻を野盗に殺された復讐心がゆがんで拡大していったため」という内容。この内容をベースにアニメズーマの過去が構成されたのは間違いないんだろうけど・・・細かいところはどこまでが神坂先生が考えていた設定で、どこからがアニメ用設定なのか?
 殺されてしまった経緯・・・先代が阿漕でとばっちりを受けた、というところは原作設定かも。阿漕な先代の存在は原作でもほのめかされているので。具体的な殺され方、といいますか、「目の前で奥さんが少しずつ弱っていくのを見ていることしか出来なかった」という描写はビジュアル的インパクトを重視していたと思うので、アニメという媒体用に考え出された過去かな、と思います。「仇の盗賊たちがサイラーグの戦いで命を落とした」「リナを殺すために暗殺者になった」もアニメオリジナルの設定かな。
 ・・・ん・・・?まてよ・・・?「復讐心がゆがんで拡大」・・・。この書き方だと、ズーマの行動の裏には常に復讐心があったようにも取れる。6巻で再登場してリナを狙ったのは「狙った獲物は逃がさないというプロの暗殺者のプライド」だとリナは思っていたようだけど・・・よくよく考えてみたらいくらプロ意識が高くても、プライドのためだけに魔族と融合・・・すなわち人間をやめるのか?という疑問も残る。そこには追い詰められるだけの理由があった。それが「妻を野盗に殺された復讐心がゆがんで拡大」だとすると・・・原作ズーマも初戦の前からリナに恨みを抱いていたんじゃないんですかね?妻を殺したのは「野盗」。「野盗」ならリナはいつもしばいてるわけで・・・。先に殺ってしまったのか・・・?ズーマの仇を・・・。もしくはズーマは仇の盗賊を見つけることができず、やり場のない怒りを抱えた。「依頼人の存在」というオブラートに包まれているのをいい事に、盗賊を倒して回っているリナへのゆがんだ復讐心が拡大してしまった、とか?・・・ファンクラブ会報とかでもう一歩踏み込んだ真相の暴露が期待されますw
 神坂先生がズーマの裏設定を作中では謎のままにしたのは「あの場でズーマがその辺のことをいきなり語りだすのは嘘だと思ったから」だそうで。確かに・・・あのリナと対峙した場でいきなり「昔妻を野盗に殺されて・・・」という過去を語りだす、というのは不自然です。それもなにやら複雑な心中のようですし。その辺りは謎のままにして、アベルを思って敗れるという形で「実は人間としての心を持っていた」という余韻だけを残したのは正解でしょう。
 逆に「語られなかった過去を明かす」というアプローチから迫ったEVO-R8話は見せ方うまかったな、と思います。ラドックが息子のアベルに語って聞かせる。その過去はビジュアル的に強烈なインパクトがあり、短い描写ながら視聴者の同情を得るのに充分な内容だった。そして、それを偶然リナが聞いてしまう点もうまい。私は最初に「ズーマの過去が明かされる」と聞いたとき、てっきりズーマの回想シーンとして描かれるのかな、と思っていました。だけど、やっぱり「リナが知る」というのは重要なんですよね。リナは視聴者の視点を担う存在なので、ズーマの過去がリナは知らなくて視聴者だけが知っている情報では、後半のリナとズーマが対峙するシーンで見ている側がリナとシンクロできないですもん。
 さて、原作では描かれなかった「妻を野盗に殺された復讐心がゆがんで拡大していった」というズーマの過去。これに再びスポットを当て、じっくり描いたのが2部であり、ルークなのかな、と思いました。2部はスレイヤーズとは別の話用に考えていた物語、ということなので違うかも知れないけど、着眼点として神坂先生の中で繋がるものがあったのかも・・・。