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コミック版スレイヤーズEVOLUTION-R ネタバレ感想 後編

 コミック版スレイヤーズEVOLUTION-Rネタバレ感想後編です。コメントへのお返事は後編まで書き終えてからさせていただきますね。以下、アニメ版のネタバレも含む内容です。

スレイヤーズEVOLUTION-R (角川コミックス ドラゴンJr. 113-3)

スレイヤーズEVOLUTION-R (角川コミックス ドラゴンJr. 113-3)


 前回同様、キャラクターごとにアニメ版との違い、見所などを纏めていきます。

★ズーマ
 ズーマ=ラドックに関しては大胆にもアニメ版のキーキャラクターだったアベルをカット。既に過去において奥さん共々殺されてしまった、という設定です。もう失うものがないコミック版ズーマは「親心」「迷い」という要素がなく、ヴェゼンディ街中でいきなり総攻撃を仕掛けてきます。こうなってくると、2話目でラドックとして登場させる意義が薄いのですが、「正体はラドック」という展開をやる以上は顔見世は必要だったかな、と。
 ズーマの過去の見せ方もアニメとは変更。冥王の壷を介してリナがビジュアルで体感するという形に。冥王の壷にそのような力があるのか?というツッコミはあるものの、レゾの力?という補完もできますし、わかりやすかったのではないかと。コミック版は「リナのことを知ったがゆえに暗殺者の道を選んだ」という設定がないこともあって、復讐の流れはシンプルになっています。
 ちょっと脱線。アニメの方はその辺が分かりにくいのですが、私としてはアベルがキーになっていると思っています。まだ幼いアベルの存在も手伝い、すぐには復讐に踏み切れず、一度は割り切ろうとした(アベルに語った「商売をやっているとこういうこともある」というセリフは自分に言い聞かせているようにも聞こえるので)。でも、時間が経ってもやはり忘れられず、盗賊たちの行方を追ってみたものの、既にサイラーグの戦いで死んでしまっていて、復讐は叶わなくなっていた。その時にラドックの中で何かが壊れてしまい、行き場のない怒りが復讐を妨げたリナに向いてしまう。リナを殺すため、その情報を集めるために暗殺者の道に足を踏み入れた。という流れかな、と。
 さて、リナVSズーマも見せ方がまた少し違い、「なぜリナに殺意を抱いていたのか」という点に強く疑問を持つ、という形に。アベルがいないため、当然ズーマがアベルを殺してしまうという展開もありません。個人的にはズーマの過去を知った後、「それはのめない」とクールに言うリナ、そして、ズーマがゼロスに殺された後、少し同情の視線を向けながらも、「さようなら ズーマ・・・」と立ち去るリナの背中が好きです。
 奥さんとアベルを一度に失ってしまったコミック版のズーマと、アベルを自身の手にかけてしまったアニメ版ズーマ。どちらがより悲劇だったのでしょうか?・・・どちらも悲劇ですね。アニメ版ズーマにとって、アベルは最終的に殺してしまったものの、一緒に過ごしていた時間は「救い」にもなっていたと思うんですよね。コミック版ズーマはそれすらなく、ただ復讐の道のみ。いや、迷いがないほうがむしろズーマとして割り切って生きられたのか?アベルを殺してしまうこともなかったし・・・。ズーマと・・・アベルには「砂時計」を捧げたい。

★レゾ
 レゾも「復活への迷い」という要素がなくなっています。「やらねばならないことがまだ現世に残っています」と、2話の時点で復活へ向けて動いている。アニメ版のレゾは、根っからの悪人ではないものの、「聖人」というわけでもなく、「どうしても光を得たい」という衝動に逆らえず、次第に行動がエスカレートしていってしまった・・・一人の弱い心を持った人間として描かれています。コミック版では、どちらかと言うと「本当は普通にいい人だった」、というイメージですね。タフォーラシアが実はレゾの実験場だった、という真実も語られず。・・・この設定もないのかもしれない。レゾの目的としてはポコタの身体に復活して、魔王を蘇らせないまま、リナに滅ぼさせようとした、という形かな。ところが、魔王の力が暴走してしまい、結局戦うことになった、と。この描き方だと、人間ドラマとしては物足りないものの、分かりやすくはなっていますね。
 追加要素としては、最後の最後にゼルガディスに語りかけるシーンがあって、ここ好きです。アニメ版では直接ゼルに優しい言葉をかけることなく逝ってしまったレゾ。薬の作り方等を教えていたり、間接的に思いを伝えようとしていましたが、ひたすらツンしかなかった。コミック版ではデレがwまあ、ゼル本人には聞こえていないのですが・・・その優しげな笑顔と、「羨ましい」という本音はゼルに代わって私たちが受け取っておきましょう。
 
★オゼル
 全体のバランスの中で見せ場が減ってしまった彼女。でも、「お休みなさいませ、レゾ様」と静かにレゾと命を共にする最後はやっぱり儚くてなんとも好きです。

★ポコタ
 ホットなキャラNo.1のポコタもまたコミック版ではアニメに比べるとクールに描かれています。ポコタの熱さ・未熟さの部分は彼の魅力なのですが、終盤、身体を差し出すことをクールに決断するポコタもなんかかっこいいです。
 壷を壊して魔王の中に入っていったポコタは、不可抗力ながらデュクリスを手にかけてしまう。そして、アニメとの大きな結末の違いは、デュクリスの身体に入り、デュクリスとして生きていく道を選ぶ、ということ。これまたデュクリスを再登場させたことを生かした展開になりましたね。もう一つの結末がここに。そんなポコタにリナが「仲間に手をかけなきゃいけない時がいずれ来るのかもね」と呟き、2部に繋がる形になりました。2部に繋げるなら魔王を竜破斬で倒す展開は温存しておいて欲しかったと言うのが本音ですが、余韻としては良かったのではないかと思います。

★ガウリイ
 ガウリイに関しては、ギャグがないこともあり、終始かっこよかったですね。でも、なんというか「普通にかっこよかったな」という印象のみが強いなあ。独自の見せ場はあんまりなくて、端的に言うとガウリナ要素があんまないのよね。アニメは紆余曲折あったけど、最終回で全部挽回して持って行きましたからwガウリイの真価っていうのはリナがピンチにならないと出ないんだな、とw
 と、コミック版の話ですね。コミック版だとデュクリスの項で触れた、「そうか・・・わかった」と静かにデュクリスの意図を汲み取るところと、魔王戦で光の剣が壊れた後に、その背中の影からリナが現れるところが好きです。

★リナ
 他のキャラクターの項でもあちこち触れてますが、敢えてリナは最後に持ってきてみました。
 リナアレンジで良かった点は、2話目・・・アニメでは6話のエピソードに当たるデュグルド・グドゥザ戦。アニメではリナがハブられる展開に違和感があったんですね。コミック版はゼルがいなくて人数減っていることに加え「あたしを避けている」と言うモノローグ追加や、最後に一撃を加える前に「仲間をボコボコにしてくれちゃって」というセリフが追加されていることで、より自然な流れになっています。
 コミック版独自要素としては、冥王の壷に触れたリナが魔王に取り込まれそうになるものの、L様の足跡が残っていたため、無事に元に戻る、という展開があります。この辺り、描写を含め、何と言うか同人誌的な感覚といいますか、原作とかアニメではやらないだろうなと言うような感覚を覚えた。いや、私も妄想としては嫌いじゃないですよwコミック版ならではの味だな、と。
 VS魔王戦、「決め」に関しては何度も書いていますが、竜破斬は温存して欲しかったけど、打つ直前のリナの表情はすごく良いですね。仲間達の後押しを受けて、作った隙を突いて決める、という流れはアニメ版にも通じるものが。ここは熱いです。
 
 さてラスト。色々と書いて来ましたが、もう一つのスレイヤーズEVOLUTION-R、楽しませていただきました。絵柄もREVOの頃よりかわいらしい感じになっているのも良かったです。氷樹先生、お疲れ様でした!