スレイヤーズEVOLUTION-R第12話ネタバレ感想 その3

 どうにも長引いてます。場面を追った感想は今日で終わる予定です。


 リナは「レゾ復活劇の裏側にあるもの」の検証を始める。ひとまず訪れた平和の裏で、事件の真相を暴くこの流れは探偵ものっぽくてなかなか燃えますね。事件はまだ解決していない!みたいな。
 レゾの復活劇の裏側にあるものとゼロスの目的…その二つを絡めて持論を展開するリナ。1点目、魔族のゼロスがどうしてレゾの壷を見張っていたのか?ゼロスの目的…本人曰く「見守ると言いますか…見極めるのが今回の第一の使命ですから」だそうで2点目はレゾの復活が目的だったはずのオゼルがどうしてあれだけ躊躇していたのか?3点目、レゾの復活だけが目的ならリナ達のところにやってくる必要はなかったはず…「あたし達に何かをさせようとしていたのか?それともさせようとしているのか?」
 「何か目的があって近づいたようですね」とゼロス。でも、リナは「あんたも同じ」、とツッコミ。ゼロスは「一応の用心という感じでしょうか。僕にもできない事がありますから」と返す。
 リナは最後に肝心なこととして4点目を指摘。「あんたは賢者の石の力で魂の封印を解かれ、目はもう見えるようになっているはず。あれだけ目を開くことに執念を燃やし、そのためにどんな非道をも厭わなかったあんたよ。なのになぜ、今もその目を閉じているのか?」
 怒涛の質問攻め。
 1.ゼロス=魔族がレゾに何の用があるのか?しかも見張るだけ。
 2.レゾを復活させるのが使命だったはずのオゼルの行動の謎。なぜすぐに復活させなかったのか?
 3.なぜリナ達のところにやってきたのか?利用しようとしたorしようとしている?
 4.ゼロスもまたリナ達を利用しようとしているのではないか? 
 5.なぜ光を得たはずの目を今も閉じているのか?
 話が前後しますが、この質問、今回までではっきりしたものとはっきりしていないものがあります。
 1はこの後はっきり出てきます。
 2はまだズバリの答えは出ず。レゾに復活への迷いがあったから、と思われますが…次回回想などがあるか?
 3.も今回ラストではっきりします。「リナ達にさせようとしたこと」の裏にある真意は次回持ち越し。
 4.はおぼろげながら答えは出てる。ゼロスが「できないこと」=魔王として復活した場合にリナ達に倒させる、でしょう。ゼロスの目的関連は別途考察しようかと思っています。
 5.も今回ラストで片鱗が見えます。
 …以上を踏まえて、リナが言わんとしていることに気づいたレゾは、笑みを浮かべ…「やはり気が付いていたか」と返す。「なかなか確証を得られませんでしたが…」と言いつつ黒モード入るゼロス。いきなりレゾに攻撃を仕掛ける。
 不審な光に騒然となるタフォーラシアの民。ゼル達もリナ達に何かあったのでは?と騒然。ちょっと遅い気もしますが…あれか、アメリアが変な気を使ったなw「リナさんたち、やっとその気になったんですよ。二人っきりの時間を邪魔しちゃダメですね。」とか何とか言ってw
 レゾに連続攻撃を仕掛けるゼロス。レゾはあっさりはじく。「ひゃ〜」って叫ぶリナがかわいいwガウリイ退避しすぎwここはリナの前にいなきゃ。
 レゾ「この程度の攻撃、私の力を甘く見るな!」
 ゼロス「これは失礼…ですがその力、本当にあなたのものですか?それとも…」
 レゾ「ふっ」(不敵に笑うレゾ)
 ゼロス「その力は人間なんかが手にすべきものではありません。まして万が一にも神々の手に渡れば、この世界のパワーバランスは一気に書き換えられてしまう。」
 レゾ「この私は神々なんてものを信用してはいないがな」
 すっかり二人の世界に入ってしまったゼロスとレゾ。そりゃあレゾは神々なんて信用してないよな。自分に魔王を押し付けた張本人だもん。そのせいで目が見えなくて苦しんでたわけで。
 「この力、その身で味わうがいい」と言いつつレゾは反撃開始!「崩霊裂(ラ・ティルト)!」お、レゾもラ・ティルト使えたんだね。レゾがラ・ティルトを使うのを見て「かっこいい〜。よし、俺も覚えるぞ!」と張り切るゼルを想像したwキメラ化するまでは使えなかったみたいだけど…。
 ゼロスはアストラルサイドに退避。しかし、レゾの力により、中和されて引きずり出される。続けて「烈閃牙条(ディスラッシュ)」。マニアックなのを拾うのはさすが高山脚本。えんさいくろぺでぃあによると烈閃槍(エルメキアランス)の拡大版だそうで。うろ覚えだけど、ミリーナが使ってたやつかな?これはゼロスを直撃。ゼロスは「うわぁ〜」とやられた振りをして…「なんてね」と舌を出す。この期に及んでお茶目さんwそのまま黒い錐で反撃する。しかし、レゾはそれをあっさり弾く。
 ゼロスは膝を着いて、「やっぱりでしたか。今の攻撃はどれほど優れていたとしても、ただの人間には防ぐことなど出来るはずはない。僕の全魔力をつぎ込んだもの。」、と苦しそうに言う。余裕ぶっこいてたけど、実は結構消耗してたのかwいや…レゾ強いです。
 ガウリイが「ゼロス!」と心配そうに声をかけるけど、「心配は無用です。僕は魔族なんですから」と返す。そりゃそうだ。いくら「力」を持っているからといって、人間に圧倒されて、心配までされたら、魔族的にプライドがね…。ダメージ大きそうなのもその辺関係あるかもw「全魔力つぎ込んだ攻撃、人間に防がれたよ…」ってショックでダメージ受けたかな。
 リナ、そしてゼロスはそれを見て確証を得る。無印のシャブラニグドゥとの戦いのイメージ…お、リナのショルダー・ガードが無印Ver.ですね。芸細だ!嬉しい。しかもギガスレ光の剣で斬り付けるリナ、かっこいいですよ。無印では波動飛ばしてたけど。原作寄りのイメージですね。それにかぶせて…
 「あのときの戦いで滅んだはずのレゾは、魂を冥王の壷に封印された。だけど、それと同時に魔王シャブラニグドゥの魂まで一緒に封印されていた」
 ガウリイ「なんだって〜!」
 リアクションいいなw
 レゾ「そこまで見抜いていたとはな」
 リナ「どうしてあんたがこんな回りくどいことをしてるか、って考えたらいきついただけよ」
 …まあ、ここは視聴者の大半が予想していたと思いますがw会話はさらに続く。
 レゾ「そこまで見抜いていて、どうして私の復活を見過ごした?」
 リナ「だって、他に方法も見つからなかったからね。もし壷を壊したとしても、それこそそのまんま、魔王が復活する可能性だってある。」
 ゼロス「だからといって、どこか誰の手も届かない場所に壷を隠したって、いずれ壷の力が弱まったときには同じことですからねぇ」
 リナ「それに、あたしはどっか信用してたのよね。あんたのことを。」
 レゾ「ほう。」
 リナ「赤法師レゾともあろう人が、同じ失敗を繰り返すはずはない、って」
 リナが魔王の魂に気づいていたこと、それでいて今まで口にしなかったこと、そして復活を見過ごした理由がはっきりしました。これは好印象。
 まず、私が前から気になっていた「壷を壊す」という選択肢について言及がありました。「壊す」を選ばなかった理由は二つ。「魔王が復活する可能性もあったから」。「可能性」がポイント。「レゾの魂」は依り代がなければ雲散霧消して滅ぶかもしれないけど、魔王の魂が一緒にあったら…?魔王も滅ぶかもしれないけど、100%復活しないとは言い切れないですね。何が起こるかわからない以上はうかつな手は取れない。
 そしてもう一つが「どこかでレゾのことを信用していたから」。「同じ失敗」=「その身に宿した魔王を蘇らせてしまうこと」。レゾが目を開かせるために過去にしてきた非道は事実。だけど、シャブラニグドゥがその身に宿っていたことは誤算で、魔王との戦いの最後にはリナに手を貸し、魔王を押さえ込んだことも事実。その反省を生かせないようなレゾではない、という読み。だから、復活しようとしているのはあくまでレゾであり、魔王は存在しないと信用したかったし、レゾを無視して壷を壊してしまうことには抵抗があった。一緒に戦ったあの時、一瞬心が通ったわけだし…。
 口にしなかったのはポコタやゼルへの配慮。「他に方法が見つからなかった」。これはタフォーラシア復活の方法も指していると思われる。「魔王の魂が入っているかもしれないから復活させるのを止めよう」…そうポコタに言うことは「タフォーラシアを復活させるのは諦めろ」と言うにも等しい。さすがにこれは言いづらい。11話でポコタをリスクを説明して復活に慎重になるように説得しつつも強く出られなかったのは、他に方法が思いつかず、単なる先送りに過ぎないことに気づいていたからかな。ゼルはゼルでレゾには複雑な思いを抱いていますから、あまり刺激するようなことは言いにくい。
 まあ、今まで口にしなかった理由は展開の都合という部分も大きいかと思いますが…。視聴者が予想できることとは言え、いや予想できるからこそ、暈さざるを得なかった。どんなに規定路線とはいえ、先に言っちゃったら「こないだいってたリナの予想そのまま当たりか」ってなっちゃうから。それに、今までの話はテーマ的に「壷の中身が魔王なのかレゾなのか」ではなく、「レゾが善なのか悪なのか?」そこから「人の持つ二つの心」の方に焦点が当たってました。作り手の意図としてはテーマを見て欲しかったのかな、と。
 見過ごしたのは、この理由に加えて自分と同じ選択をしたオゼルの決意に口を挟めなかったから、というのもあるでしょうね。
 リナの危惧にレゾは「安心するがいい。魔王の魂はまだ目覚めてはいない」と答える。ゼロスがレゾを攻撃して確証したとおり、今は「魔王の力を持った人間」、という状態。「あのときの戦いで、魔王の魂も傷ついていた。それが癒えるまで、奴は深く闇に眠っている」とモノローグで追加。どうやら、「レゾをどこか信用していた」というリナの読みは半分は当たりかな。すぐに魔王が蘇ってしまうことはなさそう。
 あくまでレゾとして復活した。それを確認した上で…リナは「一体何が目的だって言うの?いろんなものを犠牲にして復活して、何を望むの?」と問う。レゾは静かに語り始める。
 「見てしまったからな。光を。あの時、シャブラニグドゥに飲み込まれるまでのわずかな時間とは言え、この目に光が宿った。光を見てしまったがゆえに、私は封印されている時ももう一度この目に光を取り戻したいと渇望していた。」
 人間、最初からないものより失ったものの方に執着するもんですよね。一度手にしてしまった光。また得たいという思いが強くなった。レゾはさらに続ける。
 「魔王の波動はそれに近づく人々を蝕み、その心の闇を呼び覚ます。ジョコンダは欲望を。デュクリスは怒りを。ズーマは狂気を。」
 口には出さなかったが…おそらくはレゾもその波動に蝕まれた一人。彼らの心の闇は元から彼らの中にあったものではあると思う。そこに付け入り、蝕み、開放してしまうのが魔王の波動、か。あくまで予想だけど、逆もまたしかり、というか、心に闇を抱いた人間は無意識にその波動を求めてしまうのかも知れない。気づかぬうちに壷へ近づき…身の破滅を招いた。
 そこに現れるゼル・アメリア・ポコタ。リナは事情を説明する。「レゾと同時に、魔王の復活まで助けちゃった、ってこと」…その言葉にポコタは「レゾ、オレ達を騙してたのかよ?」と問いかける。
 「お前がタフォーラシアの復興を願ったように、この私にもたった一つの望みがあった。誰しも、己の魂が望むものには抗えぬ。例えそれが、世界を滅ぼすことになろうとも。再び魔王が目覚めれば、どんなことが起こるのか。それがわかっていて尚、私は光をもう一度この目にしたかった。」
 また深いというかなんというか。これは11話でオゼルが出した「感情に従いたい」という答えと同じ。そして、リナがNEXT25話で出した「世界よりもガウリイを選ぶ」という答えとも同じ。「人間は感情に従って行動を決める。しかしそれが悪になることもある」レゾはオゼルにそう語っていた。行動の出所は同じでも、ベクトルが逆方向。リナは息を呑んで「あんた…」。その辺リナも感じ取ったのかな?レゾはもう止められないのか?
 「そのために、お前たちをこの場に呼び寄せたのだ」…レゾはそう言いって、魔王の力を解放するかのように赤いオーラを身に纏う。
 ポコタ「それでいいのかよ!レゾ!」
 ゼル「待て、レゾ!」
 待ったをかける二人。ゼルの必死の表情がいいです。その言葉は届かず…レゾは静かに瞳を開く。
 「おぉぉぉぉ〜やはりこの世界はすばらしい!」
 レゾ視点でぼやけながら映るリナ達。続いてレゾは月にに目を向ける。細かいようだが…月が9話からずっと満月なのが残念だなあ…。1話→2話はちゃんと満ち欠けしてたのになあ。コンテ引く人違うとダメなのか?
 レゾの歓喜の声の演技、絶妙です。さすが子安さん。なんかレゾの主張って、文字だけで見ると身勝手なこと結構言ってるんですよ。なのに妙な説得力みたいなものがあって。その辺が「聖人」レゾのカリスマ性みたいなものなのかな、と思う。そこを表現できている子安さんの演技は素晴らしいです。
 「そして…もう一度見ておきたかった…私が見た光とは…」
 そう言いながらリナの方に歩み寄るレゾ。視線はリナに注がれている。穏やかな表情から一気に顔を歪めて
 「さあ、私を滅ぼしなさい!」
 リナは驚き、思わず構えつつ後ずさり。
 「あの時のように!」
 赤く光る瞳…続く!
 おおお〜この引きがめちゃめちゃ熱いですね。次回、最終回への期待が一気に高まります。
 レゾが瞳を開かなかった理由、それは「もう一度光を得ること」=「世界との決別の儀式」という認識だったからでしょう。最後に光を得て、その後に滅びることを望んでいた。その役割をリナ達に…もうこれはリナに、と言っても間違いないでしょう、託した。以前、「レゾは最後にどうしても見たいものがあったのではないか?」と書いたことがありましたが…、この言い方だとそれはリナだった、って流れのような気がする。魔王に蝕まれたレゾに「選びなさい。このまま魔王に食らいつくされるか、それとも自らの仇を取るか?」と、自分を信じて語りかけてきたリナの姿…それがレゾが魔王と言う闇の中で見た光だったのかもしれない。そのリナの姿をもう一度目に焼き付けて、それから滅びたかったのかも知れない。
 リナに託された思い。それにリナはどう答えるのか!?次回、最終回!予告も熱いです。「始まりがあれば終わりがある。終わりがあるからまた始まりもある。そしてまた終わりがあって始まりがあって!とにかく最後まで突っ走るわよ!」♪終わりはしない〜。エンドレス。サブタイトルは「Zero hour 滅びゆくもの!」。絵も気になりまくる!楽しみです。