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スレイヤーズEVOLUTION-R第10話 ネタバレ感想 その2

 今日はBパートからです。


 レゾに憎悪をぶつけるゼルの姿を目撃してしまったリナたち。物言いたげなポコタにゼルは「レゾはな、自分の目を開かせるためならどんな犠牲も厭わない、賢者と言う善人の皮をかぶった大悪党なのさ」と、ついに断言。そこにオゼルが声をかける。「本当にそうでしょうか?この世に真の悪など存在しません。そうレゾ様はおっしゃっていました。」オゼルもレゾのライトサイドを信じる立場なのかな?それともレゾの「二つの心」の真相を知っているのだろうか?当然ゼルは取り合わない。リナは「無駄よ。今のゼルに何を言っても」と助け舟。ポコタはゼルの言葉の真偽をリナに確かめる。
 リナ「まあね。レゾの本性が善か悪かはともかくとして、レゾが自分の目のためなら手段を選ばない、ってことは確かね。実際そのせいであたしも大変な目に遭ってるし」
 善か悪かはわからない、と断った上で…レゾの目を開かせるための執念、これは純然たる事実。魔王に願おうとしたくらいですから…。と、ここでリナは基本的なことを聞き忘れていた、とレゾに尋ねる。「レゾ…そもそもあんた、なんだって冥王の壷なんて作ったの?」それ5話で検討しなかったっけ…?いや、あれはあくまで推論の段階。ここで改めて本人に尋ねた、ということか。裏に「何をたくらんでいるの?」という質問を匂わせつつ。アメリアのセリフにもあるとおり、復活の方法よりも先に確認するべきことがあった!ってことで、前回ちょっともやもやしていた部分に焦点が当たってよかったです。
 リナ「レゾともあろうお方が、伊達や酔狂でこんなもん作るわけがないわよね。まさか、自分の魂を別の肉体に移し変えることで、我が目に光を!なんて思ってたりして…」
 ここの台詞回しはレゾが魔王に目を開かせてもらおうとしている」というのをズバリ言い当てた無印8話の再現ですね。小ネタは嬉しい。
 そして静かに…レゾは語り始める…「1000人の実験体が必要だった…」リナの推察は当たっていた。以下、レゾのセリフ引用。
 「幾多もの実験に失敗した私は、他人の目を借りて光を得ることを思いつき、そのために必要な、冥王の壷の製造に着手した。幸いにして、壷を使った魂の移行実験には成功した。だが、人体から人体への魂の移行は容易ではない。私の魔力容量(キャパシティ)に耐えうる器を得るには、最低でも1000人の実験体が必要だったのだ。」
 「充分な素材は確保した。あとは気の遠くなるような調査を繰り返し、ようやく魂を移すにふさわしい器を見つけ出すことが出来た。だが、自身の魂を移す作業を実行する前に、私はシャブラニグドゥと共に、リナ=インバースに滅ぼされ、この魂だけがこの壷に封印されてしまったのだ。」

 ポコタの体を仮の体に移したのはあくまで実験としてだったようです。レゾが望むのは人の体への魂の移動。それを成しえるために実験を繰り返し…あと一歩のところで、リナに倒されてしまった。この言い方だと、壷の中の魂は移行準備のために、本体から一部取り出して壷に一時封印したものなのかな〜と思った。魔王の魂と一つになったレゾの魂は壷に収まりきらなかった、とか。この辺の経緯はもう一歩説明が欲しいところだな。この先説明があるかはわからないけど…。
 さて、壷設定、ぶっちゃけ後付で何かとツッコミどころがあるのですが、それを下敷きにして描こうとしているものがとてもよさそうなので、そこは流して楽しもうと思いますw一応脳内保管でQ&A考えてみたよ〜。

Q1.なんで人体に移動させるの?目が見えるようになるならポコタみたいに仮の体でも良くない?
A1.あくまで「仮」ですから。真に目が見える体が欲しかったのでしょう。仮の体に移動はさせてみたのかもしれません。しかし、光は得られなかった。あくまで「仮」なので、元の肉体に影響を受けているのでは?と考え、他人の肉体を乗っ取り、その目を利用すれば…ともう一歩進んだ研究を進めたのかも。

Q2.移動先の体、コピーレゾで良くない?
A2.まず人体に移す工程を確立するためにも実験が必要だったのでしょう。そのために1000人の実験体による検証を行っていた。コピーにも移してみたんじゃないかな?でもダメだった。そこで、自分と同じ肉体的特徴を持つコピーではなく、「他人」の体に移せば…と考えたのでしょう。

Q3.リナに滅ぼされる前は賢者の石を探してたんじゃなかったっけ?
A3.平行して二つ以上の方法を模索していたのでしょう。冥王の壷による移行実験はタフォーラシアが疫病に襲われた「10年以上前」。その間、長い時間をかけてゆっくり実験をしていたレゾですが、他の方法も探していた。ゼルが目撃したキメラ技術による方法もゼルの年齢を考えれば「10年以内」のことだと思われます。
 賢者の石を使い、魔王を復活させ、目を開かせることを願う方法もその一つ。賢者の石の捜索担当はゼルでした。器を見つけ、魂移動実験に成功の目処がたったのとほぼ同時期に、ゼルが賢者の石の手掛かりを掴んだと言う情報が飛び込んできた。「魔王の復活」こそがレゾの中の魔王が望んでいた事。試すべき方法は賢者の石と魔王復活へと移り…無印序盤の展開へ続く。

 こんなところでしょうか。…まあ、色々苦しいけど、そこは割り切ることにしますwレゾの回想の中で髪の毛白くなったリナが出てきてましたね。1カットだけど激闘のイメージが伝わってきて印象的です。
 ポコタは「1000人の実験体」と言う言葉に反応する…まさか…というかそれしかないよな…「それはタフォーラシアの民」という事実。レゾは沈黙を持って答える。疫病の蔓延したタフォーラシアを利用して実験体を確保した…。でも、リナはさらなる可能性に気づいてしまう。「利用した、だけならいいんだけどね。言ったでしょう…レゾは目的のためなら手段は選ばない、って。あんまり考えたくはないけどね」。驚愕するポコタ。誰も口には出さないけど…疫病を撒いたのもレゾでは?という可能性。レゾは「大いなる善のためには、時には小さな悪も必要なのです。」と答える。うわ、マッチポンプかよ…。そんな気もちらっとしたけど…。あまりに残酷な事実。ポコタは顔を引きつらせる。この辺の笑っているのか怒っているのか、という表情がなんとも切ない。「私の目が光を得れば、その何十倍もの人を救う」…そう言うレゾだが…詭弁ですね。以下、予想です。レゾが目を開かせたかった理由は語られていません。魔王がそうするように仕組んでいたのかも知れませんが…実はもっと人間的な理由があったのかな、とか思った。例えば、どうしても見たいものがあった、とか。目が見えなかったせいで救えなかった命があった、とか。それが今回語られるのかも。
 「タフォーラシアの民はどうなってもいいのか?」というゼルの問いに、静かに「そうだ」と答えるレゾ。ポコタは「嘘だ〜」と泣きながら絶叫。ああ…かわいいけどかわいそうなポコタ…。その姿にかつての自分を重ねたのか、ゼルが激高。壷を叩き割ろうとする。
 ポコタが狂ったような、でも弱弱しく乾いた笑い声を上げる。「そんなことあるわけない」と、あまりの現実を信じられない。いや、信じたくない。その表情は半ば真実を悟りながらも、最後の可能性に縋るような、そんな様子。信じてしまったら…ポコタの10年間は一体何だったのか?誰も助けてくれない絶望の中、レゾだけが手を差し伸べてくれた。その希望を胸に今まで頑張ってきたのに…。
 ポコタはレゾに問う。「レゾが見つけた、器、依り代っていうのは誰なんだ?」今の話が適当な嘘でないなら言えるはず、そう
迫る。レゾは静かに答える。「その者の名は…ポセル=コルバ=タフォーラシア」。驚愕する一同。…まあ、オープニングでネタバレしてたので、見ている側としてはここは予想できたけど。でも、ここをバラしちゃってもOK、と言うことは、この先さらに大きな隠し玉があるんだろうか?うん、あるよね。
 ポコタは「オレの体を使えば残りのみんなは救われる…オレが犠牲になれば…」と、在りし日のタフォーラシア、そして疫病の恐怖を思い出しながら口にする。その言葉にレゾはこう答える…「そうだ、そのはずだった。だが、幸いと災いは表裏一体。すべては儚いともし火の如し」後半は前回オゼルに語った言葉と同じ。これは何かのキーワード?はずだったけどなんなんだろう?
 何かを決意したポコタはゼルを睨みつける。壷を奪おうとしているのを察したゼルは魔法で煙幕を作り飛び去る。一瞬壷が消えるけどwそれを追って飛び行くオゼル、リナ、アメリア。ガウリイは飛べないのでとりあえず走る…ってガウリイ今回ほとんどセリフないwまあ、今回は基本ゼル回だし、戦闘もギャグもなくただひたすら小難しい話をしてるのでガウリイの出番など期待するだけ無駄というもの…。話にどこまでついてこれてるんだろうか…。
 レゾと二人になったゼルは海の上で再びレゾに語りかける。「俺の体を元に戻す方法を教えるんだ。さもなくば、壷ごと貴様をこの海中深くに沈めてやる!」復活を盾に話を聞きだそうという交渉。しかしレゾは「私を沈めてしまえばお前を元に戻す方法も永遠に闇の中だ」と動じない。…シリアスなシーンだけど…ゼルのリアクションは相変わらず素晴らしいなw「何っ」「なんだとっ」などなど。それはさておき、ゼルもそんな脅しには乗りません。道連れ覚悟です。ついに「真実を告げねばなるまい」と語りだすレゾ。追いついてきたリナ達も二人のやり取りを心配そうに見守ります。「ゼルガディス」…ゴクリと唾を呑むゼル。だからリアクション良すぎw
レゾ「ためらうことはない。私をこのまま海に沈めてしまうが良い」
ゼル「何っ。それはどういうことだ?」
レゾ「私はお前が知りたがっている情報など知らない。」
ゼル「なんだと」
レゾ「一度キメラになった体を元に戻す方法などない、と言ったのだ」
ゼル「そんなバカな…俺をこんな体にしたのは貴様なんだぞ。貴様が知らないはずがあるか!」
レゾ「それは例え…クレアバイブルを手にしたところでわかるまい。その方法自体、この世に存在しないのだからな」
ゼル「嘘だ!貴様!適当なことを言うな!」
レゾ「嘘ではない。残念だがこれは純然たる事実なのだ」
ゼル「(涙ぐみながら)嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ〜!」
 心配そうに見ているアメリアとリナ。リナの表情と林原さんの息遣いだけの演技が絶妙すぎる。
ゼル「頼む、嘘だといってくれ、レゾ。まさか…お前はそのことを知っていて俺を…」
レゾ「だとしたら…どうする?」
ゼル「だとしたら…だと?」
(過去の自分とレゾの姿を思い出し…目に涙を溜め、歯をかみ締めて出血しながら…)
ゼル「貴様ぁ〜!うわあああああ」

 ふう、緑川さんあまりの熱演ぶりに一気に書き出してしまいました。このシーンはゼルのレゾに対する愛憎が見え隠れするとても深いシーンですね。見ていて切なくなります。
 ゼルがレゾに元に戻る方法を聞いたのは実は初めてだったのでしょう。最初は「力を望んだからだ」と割り切ろうとしていましたし、実験体にされたことに気づいてからは復讐心のほうが募ってしまった。ゼルは無印のときにコピーレゾにこんな問いかけをしている。「レゾを超える。すごい執念だな。俺もかつてはこんな体にされて復讐を誓ったが…それで何になる?レゾを超えた先に何があるというのだ?」(うろ覚え)その言葉にコピーレゾは「先なんてありませんよ」と答えるわけですが、これはきっとゼルも一緒だったのでしょう。自分を裏切り、キメラにしたレゾへの復讐ばかりを考え、その先なんて見えてなかった。そのためには力が必要でしょうから、「元に戻る」なんて発想もなかった。レゾは魔王と化し、それを打ち倒したリナとの出会いがゼルの心を変えた。復讐の旅は終わり、元の姿へと戻ることに目的が変わったんですね。しかし、幸か不幸か死んだはずのレゾに直接尋ねる機会が生まれてしまった。
 元の姿へ戻る方法を捜し求める旅を始めてから「元に戻る方法などない」という言葉自体は何度も耳にしているとは思う。でも、レゾにだけは言って欲しくなかったんだと思う。ゼルにとってレゾはそれだけ大きく、絶対的な存在なのでしょう。勝手に改造して、元に戻す方法を知らないなんて許せないという怒りもある。それに何より…知っていて欲しかった。一度は信じた相手なのだから。戻せないのに改造するなんて、そんなひどいことをするはずがない。どこかでそう思っていたかったのでしょう。しかし、「知らない」だけではなく「存在しない」とまで断言されてしまった。「嘘だ〜」そう叫ぶゼルはポコタが被って見える。レゾに人生を狂わされてしまった哀れな二人。壷を巡るベクトルは違えど似たもの同士だった。憎しみをぶつけていた勢いをなくし、縋るように「嘘だといってくれ」と懇願するゼル。そして怒りは絶望へと変わる。
 ゼルは絶叫しながら壷を海に投げ捨てようとする。「レゾ様!」と止めに入ろうとするオゼルをリナが制する。かっこよすぎますよリナさんwリナの読みどおり…ゼルは壷を海に投げることが出来ない。「どうして…」不思議がるオゼルにリナはこう語る。
 「人間…だからね。どんなに憎んでてもそうそう割り切れるもんでもないでしょう。どうしても迷いってものが生まれるわよ。」
 ゼルがレゾに感じている愛憎…「二つの心」をリナは感じ取っていたんですね。スレイヤーズEVOLUTION-Rが描こうとしているのはやはり「人が持つ二つの心」…ポコタが見せた「現実を悟りつつもレゾを信じたいとい」という「二つの心」によるものでしょう。人の心を持たない…人形であるオゼルは「迷い…人間…だから…わからない。」と口にする。でも、その「わからない」と悩む心もまた人の心が生まれつつある証なのでは?今回はあまり出番がなかったオゼルだけど、彼女の過去、そして動向もテーマの上で重要になってきそうです。
 リナはさらに続けます。
 「もっとも…迷っているのはゼルだけじゃないようだけど。あんたに壷を守れと命じたり、壊せと命じたり。そして今度はゼルに…レゾ、あんた復活したいんじゃないの?なのになぜ?」
 確かに…復活したいならなぜゼルを怒らせるようなことを言うんだろうか?そして、ポコタにも。聖人を演じていればいいのでは…?レゾも迷っているのか?それとも何かの策なのか?
 「どうした、やらないのか?」とレゾにたきつけられ、ゼルは「やってやる…やってやるさ!」と振りかぶり…そこに光の剣を構えたポコタが現れる。ゼルに斬りかかり…風魔咆裂弾(ボムディウィン)で吹き飛ばして壷を奪う。その目は悲しみと狂気に溢れた、そんな表情。ポコタの中にも「闇」が生まれてしまったか…?
 「このオレが依り代だぞ。おもしれえ。それでタフォーラシアが救われるなら、オレの体なんていくらでもくれてやらあ」 
 「一生このまんまってのも悪かねえぜ。さあ、もたもたしている暇はねえ。行くぞ、レゾ!」
 そう言って飛び去る。タフォーラシアを救うには壷を壊す、という選択肢もあるんだけどね。でも、ポコタはそれを望まない。レゾの真実を認めることになるから。きっと「疫病は天災だった。それをレゾが助けてくれた。自分の体を犠牲にして賢者レゾが復活。タフォーラシアが救われる」というきれいな結末で事件に幕を引くことで、10年間の思いを納得させたいんだと思う。ゼルはポコタを追っていき…リナ達もその後を追う。地上では…ガウリイがマラソンしてましたw健気な…。
 ポコタは壷を手にタフォーラシアを目指す。そういや翔封界は「重量と高度と速度の総和が術者の技量に比例する」術だった。ポコタは体が軽いのでかなり速く飛べそう。「待ってろみんな!今、オレが助けに行くからな!」。
 後を追うリナ達。リナのモノローグ…「レゾが考えていることがわからない。もしかしてこの事件…何かもう一つ…裏があるのかも」…おお!クール!そうなんだよ、レゾの真意はまだわからないのよね。一体この事件の裏にあるものとは?と、そんなリナ達を影から見ているゼロス。ふっ、と笑ったところでEND。…って、石田さんこの一言にもならないセリフのためにアフレコに来たのかwさすが、声優の豪華さには妥協は許さない…wヌンサ達も全員無印の時と同じ声優さんですよ!
 ふうう、長かった。なんと濃い1話…。そして砂時計がまた心に響くよ。すばらしいエンディングです。林原さんGJすぎる。
 さて次回はついにレゾが復活するのか?争うポコタとゼルの様子が印象的。サブタイトルは「Xeno 復活の代償」xenoは「外国人」「異種」「外部」というような意味だそうで。ポコタの肉体でレゾが復活することを意味しているのか?気になりまくりますよ!
 途中にも書きましたが、壷の設定や、前の話との整合性など気になる部分もあるのは事実。だけど、それを下敷きに描こうとしているものはとても面白く、深いと思う。テーマは「人の持つ二つの心」。これはスレイヤーズ全体のテーマにも繋がるもの。残り3話、果たしてどんな展開を見せるのか?