すごいよズーマさん

 コメントへのお返事が溜まっていて申し訳ございません。結構前から温めている記事を書きたい衝動に駆られてしまったので、こちらを優先させてください。お返事はもう少々お待ちをm(_ _)m。
 さて、スレイヤーズREVOLUTIONのDVDも最終巻まで発売されましたね。エピローグというチャプターがあったので「何かな?」と思って再生してみたら、壷銜えて悶えているズーマさんで吹いたwこれだけチャプター切らんでもwあのシーンは見るたび笑ってしまうよ。必死なズーマさんには悪いけど…。でも、目立ってますから!みんなあなたのこと忘れてませんよ!
 と、そんなラストシーンを迎えたズーマさんですが…以下、EVOLUTION-R7話まで+原作のネタバレ。


 いやー、すっかり化けましたね!正直1話でお子様ランチ犬食いしている時までは私の中でのお笑いキャラっぷりが抜けなかったのですが、5話の再登場では敵キャラとしてのかっこよさを取り戻していました。REVOLUTIONでのズーマは原作の「プロの暗殺者」と言うよりは「リナへの恨みを晴らすことに執念を燃やす男」として描かれていました。その恨みゆえか、プロの暗殺者としては無駄な行動が多く、魔法などの能力は高いんだけど詰めが甘くて負けてしまうという、かませ犬的な立ち位置になっていました。でもEVOLUTION-Rではプロの暗殺者としての冷静さを取り戻した感じですね。この変化に神坂作品から二人のキャラクターを思い出した。
 一人目はスレイヤーズ2部よりザイン。レボの感想の時にコメント欄に「ザインの立ち位置なのではないか?」とコメントを頂いてましたが、そんな感じになってましたね。ザインは初登場時はリナのかまかけにあっさり引っかかってしまうなど、ちょっと間抜けな敵キャラでした。でも、次巻では、すっかり人が変わって(実際人魔化してるわけですが)戦士として一皮向けて、ちょっとかっこいい感じになっていた。変化の理由や状況は違うでしょうが、再登場時に印象が変わってた、という点は似ているかも。
 もう一人は「日帰りクエスト」の敵役ベツァー。このキャラクターは神坂作品の敵役の中でも屈指の良キャラでして。神坂先生も書いていて楽しかったそうです。日帰りはお話も面白いので未読の方は是非読んでみてください。と、ここで語るとネタバレになってしまうのか。白でちょっとだけ。
 ベツァーはギオラムの魔道神官で、強い力を持ちながらも、ただの女子高生である主人公のエリに一杯食わされる形で敗北を喫します。そこからエリを、そして人間を憎むようになる。2巻目・3巻目でエリと再戦する機会があるのですが、怒りと余裕から「苦しめて殺してやろう」と行動し、エリに逆に虚を付かれてまたも敗北する。敗北が重なり、地位も失っていく中で、ベツァーの思考は次第に狂って行くんですね。それでいて表面上は冷静になる。エリへの…人間への強い怒りは静かに、そして内に篭るものになっていく。最終的には世の中すべてを憎むようになってしまう。
 ズーマもREVOLUTIONの時は怒りが先行してしまい、冷静さを欠いてしまったのでしょう。グームエオンで魔法を封じることに成功したがゆえに、リナを侮って余裕を見せた点も敗因でしょう。そんな敗北を経て…敗北の屈辱と傷の痛みに耐えながら、ズーマの怒りは内側に静かに篭るものになっていった。ラドックとしてリナを雇うという作戦を実行するためには怒りを押さえ込む必要もあるでしょうし。表面では冷静になっていますが、リナへの怒りの感情はむしろ熟成されているような気がする。
 そんなこんなで原作ベースに近い性格に戻ったズーマ。次回の「暴かれる闇」に期待が持てるわけですが・・・なぜREVOLUTIONでは性格に改変が行われていたのか?それは、「最初からリナに強い恨みを抱いている」という点を強調するためでしょう。多分この恨みの内容がEVOLUTION-Rのストーリーorテーマ上重要なファクターなんじゃないかと。その予想は後述します。
 そもそも原作のズーマは初登場時はガウリイ用の敵だったんですよね。リナではまったく歯が立たなくて、接近戦は苦手というリナの弱点を示しつつ、ガウリイの見せ場を演出する。でも、アニメに登場にあたり、オリジナルの立ち位置を与えられたズーマはリナとの絡みが原作よりも重要になってきた。初登場時からリナと正面切って戦わせる必要がある。リナVSズーマが「ズーマ圧勝」、というパワーバランスでは成り立たない。そこで付け入る隙として「怒りゆえ暗殺者として冷静さを欠いた行動」をとる、という要素が加えられたのかなー、なんて思った。
 さて、先ほどちょこっと触れたズーマがリナを恨んでいる理由の予想。とりあえず、過去の3部作の事件に関わっていることは間違いない…と思う。全然関係ない話というのも考えにくいし…。神坂先生が考えていたという、原作ベースの「ズーマの過去」を優先するならそっちになる可能性もあるけど。とは言え、やはり本命はレゾ絡みでしょうね。ここでレゾの名前を出してくるのはストーリーとの関連性を強める意味でも有効です。以下は大胆予想〜。
 リナはレゾを倒しています。ラドックが過去にレゾに恩があった、もしくはレゾがいなくなったことにより、何らかの不利益を被ったとしたら…逆恨みですが恨みの動機にはなります。キーワードは7話でアベルが言った「だから甘いんだよ。そうやってまた大事なものをなくしても知らないから!」というセリフと奥さんがいないラドック家。…ラドックの妻は病弱でレゾの治療を受けていた、というのはどうだろう?レゾが気をかけていたのは単純に善意ではなく、大商人ラドックの資産、もしくは商才が狙い。レゾの研究には何かとお金や物資が必要だったように思えます。ラドックは妻の治療と引き換えにレゾに色々と貢いでいた。アベルもそれを知っていた。しかし、レゾが倒れ、治療が受けられなくなったため、ラドック妻は命を落としてしまう。アベルはこの時の経験から「流れ者なんて信用できない」と思っていてリナたちを雇うことを継続使用とするラドックに上記のセリフを吐いた。
 妻を失ったラドックは悲しみにとらわれ、レゾの行方を追ううちに、彼を倒したリナの存在を知ることになる。やり場のない怒りはリナへと向かい…ラドックは暗殺者の道を志す。原作ベースですが、ラドックは元々旅好きだったみたいで、旅先で魔法やなんかを習得していたのかも。戦闘の下地はあったラドックはリナを殺すための練習台として殺しを請け負う。ジョコンダは恐らくズーマのお得意さんで、リナ暗殺を依頼する前から城に出入りがあったのでは?あのおばちゃんは邪魔者ガンガン消してそうだし。出入りするうちにオゼルと面識を持つようになり、壷のことも知った。そして、ついにリナ暗殺の依頼が入り…REVOLUTIONのエピソードへ、という流れかな、と予想。外れても指差して笑わないで下さいw
 さてさて、闇が暴かれるのは次週。どんな過去が待っているのか…?アニカンの林原さんのインタビューによると、砂時計は「8話くらいからしっくり来る」そうで。なんにせよ切ない過去の持ち主のようです。
 あ、あと1点考察しておくことが。アニメ版ズーマは魔族と融合しているのか?私はしていないんじゃないかな、と予想。魔族と融合している必要があまりないような。原作ではセイグラムと融合していて、ズーマはセイグラムの復讐心もまた背負っていたんですよね。でも、セイグラムはアニメではお亡くなりになってます。実は生きていた!にするにしてもそれなら6話で出てくるべきだったでしょう。なので、セイグラムとの融合はないとして、別の魔族と融合するとしても、リナが過去に関わった魔族で生きてるのってゼロスくらいだし…無関係の魔族との融合になると単純にパワーアップとしての意味しか持たないんですよね。それでも敵が強くなるなら意味はあるのかもしれませんが、なら「新しい腕」をつけたことによるパワーアップでもOKな気が。あれは人間の腕ではないですよね。腕だけキメラ化でもしてるんだろうか?
 話が前後するけど原作でセイグラムと融合していた意味はリナに恨みを持つ二人の融合、ってこと以上に大きな意味を持っていることに最近気が付きまして。セイグラムが最期に言う「笑うがいい。(中略)人間の心がゆえに、我は破れた」というセリフ。これは15巻で魔王と同化したルークが「リナたちの手でミリーナの元に行きたかった」という人の心により敗れるという展開の伏線になっているんですね。実際には最初から考えていたのではなく、「拾った」のかもしれませんが。でも、テーマに関わる部分だと思うので、神坂先生的にも6巻時点で既に何か思いを込めるものがあったのでしょう。このセリフは8話初出になる単なるパワーアップのための魔族が言ってもピンと来ない。魔族との融合はなくても、闇に落ちたズーマが最後の最後でアベルを思って敗れるという展開には出来ますし、そっちに焦点を合わせた方がしっくり来るような。セイグラムのセリフを入れなければ
 ただ、グドゥザとデュグルドとの繋がりが気になるんだよなあ。ズーマと繋がりがあるとしたら、ズーマが魔族と融合していて、そのつてで協力を要請したという流れが自然かなあ。そのためだけでも魔族との融合設定が出てくる意味はあるのかも?・・・結局は見てみないとわからないw魔族と融合していない可能性もあるんじゃないか?という予想です。
 と、長くなりましたが、今日はこの辺で。