スレイヤーズREVOLUTION総括感想

 実のところ、まだ100%向き合えていないのが現状。でも、視聴途中から感じていて、おそらくこれが今作の結論、というものはあるので、その点だけ簡単に書いておこうかと。以下、全13話のネタバレ含む。


 皆さん感じていることだと思いますが、「スレイヤーズREVOLUTIONは視聴者層のターゲットを絞りきれず、その結果どの層も充分に満足させることが出来なかった」というのが結論だと思います。前も書いたけどスレイヤーズには色々なファンがいる。原作からのコアなファン。旧作アニメから入った人。この10年間もずっとファンだった人、出戻りの人。そして、今回新たにスレイヤーズに触れる人。REVOLUTIONはどの層も取り込もうと間口を広げすぎてしまったため、結局中途半端になってしまった。それを強く感じる。その影響がいろんなものに見え隠れしてるんだわ。
 例えばザナッファー。無印で出てきたことをスルーしながら、最終決戦で彼が語った「神も魔も超越するために作られた」という演説は旧作見ている人にしかわからない。そもそも魔族の説明してないし。ストーリーの流れについても、分かりやすい王道アニメとしての爽快さを求めながらも、ドラマ部分の鍵を握るデュクリスの難解さ、重さとの間には深いギャップがある。
 結局、見ている方も自分の好きなところだけを割り切って楽しむ、という楽しみ方をするしかなかった、と。
 序盤、ギャグが多かったことには批判の声も多かったですが、私はこれは良かったと思っています。私自身ギャグも好きなこともあると思いますが、今回始めてスレイヤーズを見た友人が、「ストーリーは結局途中から見ている感じだからよくわからない。なので楽しめるのはギャグとキャラ」と言っていたのを聞いて特にそう感じた。逆に「ギャグとキャラ」は新規の人にも面白さとして通じやすいんだな、と。ただ、ギャグパートに関しては、「リナ=インバース逮捕する!」「ポコタを捕まえろ!」というネタだけで4話(8話もだから実質5話)も引っ張ってしまい、ストーリーが進まない感が強く、またネタとして飽きられてしまったのは問題点だったかな、と思う。この辺は短くまとめてまったく別のお題でギャグ回があればもう少しギャグパートも楽しめたんじゃないかと。5期でもギャグ話はあるでしょう。でも、新しいネタでやると思うんで、それはそれで楽しみにしたいと思う。
 ちょっと脱線しましたが、戻ります。とにかく、20年分の全スレイヤーズファンと新規層のニーズにこたえる作品を作るには、現状の制作体制では圧倒的に時間不足、そして力不足だったのではなかろうか?神坂先生がラジオで言っていた話によると、原作2部をやる、という案もあったらしい。確かに2部は旧来のアニメシリーズとはテイストが違うし、アニメ版人気キャラクターであるゼルガディスとアメリアも登場しない。なので、アニメだけのファンは戸惑ったかもしれない。でも、原作ファンは分かっていますから、受け入れたでしょう。無理をせず、そちらをやっていれば・・・?新規を取り込みたいのであれば、いっそギャグオンリーにしてしまうか、旧作との絡みは極力排除し、「番外編」のような形で、短いものでもいいから13話で気楽に楽しめるようなストーリーを構成すればよかったのでは?いずれにしろ、ターゲットは絞り、制作事情の身の丈にあったシリーズとして作った方がよかったのでは?そう思えてならないのです。
 ただ、まだ今回のアニメは後半シリーズが残っています。まだ折り返し地点。そして、これから解決するであろう、残されている謎と言うのは玄人好み。新規で入った人も、このインターバルの間にスレイヤーズ世界を深く知ってもらって、一緒に楽しんでもらえるような、そんな話になっているといいな、と思う。スタッフも充電してもらって是非5期が終わったあとには「最初は戸惑ったけど、最終的には面白かったよね」と言える様なシリーズにしてください。お願いします。