スレイヤーズREVOLUTION 第8話 ネタバレ感想

 今日は第8話「Hurry up つっこめ!いや、つっこむな?」。以下、ネタバレです。




 スレイヤーズREVOLUTIONの方向性について、以前「各回ごとにテイストを変えて、多種多様な視聴者層のニーズに応えようとしているのでは?」と考察してみましたが・・・その方向性を前提に考えると・・・今回はゼロス活躍回、かな。
 序盤はワイザーと腹の探り合い。リナについてはよくご存知なようで、それを踏まえた上でワイザーに作戦指示。・・・適当な作戦をわざと指示していて、自分は「お食事中」という腹黒さwそして終盤のリナチームVS黒ゼロス。ゼロスTUEEEEE!しかも完全に遊んでます。REVOLUTIONはまだ2度目の登場でしたが、人気キャラであるゼロスの持ち味を見せられたのではないかと。
 ・・・という評価を出すまでに2時間かかった。正直な話をしよう。見終わった後、言いようもないがっかり感に襲われたorz。大きな理由は二つ・・・リナに違和感があることと、VSゼロス戦での致命的な魔法選択ミスのせいだと思う。
 リナについては、前半のギャグパートで頭の悪いキャラとして描かれたことが私の中でNGです。どうも私の中ではこの点だけは譲れないようだ。ぶち切れて呪文ぶっ放しとか殴るとか、そういうのは構わないんだけどさ、普段から考えなし、みたいに描かれるとどうもね。詳しくは後述します。後半はすごく良かったんだけれども。
 VSゼロス戦・・・開幕ファイヤー・ボールはないだろおおおおおお。思わず画面に向かって「ファイヤー・ボールはねえよ」とツッコミいれた。
 「純魔族には地・水・火・風の精霊魔法は効果がない」って言うのはスレイヤーズ魔法学の基礎の基礎なのに。純魔族は精神生命体で実体を持たないため、物理攻撃は威力の大小に関わらず「効かない」。簡単に言うと幽霊を殴れないのと一緒。スレイヤーズ世界の魔法は、アストラルサイド(精神世界面:魔族の本体がある場所)まで効果が及ぶものと、物質世界のみに効果が留まるものがあって、後者は魔法だけど物理攻撃扱いになる。この辺は一般的なRPGの魔法とは違うところ。で、今回リナが使ったファイヤー・ボールはその後者にあたる。実はこの設定、原作ではストーリーが進むにつれて生まれた所謂「後付」設定。この類の「後付」しつつ整合性を取った設定がはスレイヤーズにはたくさんあるんですが、新装版刊行にあたり、その手の矛盾が唯一大幅に修正されたシーンがこの設定に関わる場所なんですよね。ここはアニメでも拘って欲しかった。
 まあ、実はリナはゼロス相手にマジ勝負を挑むつもりはなかったことが後のシーンで明かされるので、戦うポーズを見せるためだけにファイヤー・ボールを使ったとか、一発目は宣戦布告のこけおどしだったとか、ポコタを吹き飛ばすのに使ったボム・ディ・ウィンをカモフラージュするためとか、理由を付けられなくもないのですが、ゼルも本気っぽくディグボルトを使っちゃってるわけで、やはりミスにしか見えないのです。もう、これで一気にテンションが下がってしまったorz。一同を仕切るリナとか、実は作戦だったのです、という流れとかはすごくよかったんだけど、なんかそれどころじゃなかった。ラストシーンで「わざと負けるにしてもリアリティが必要」というセリフがあるのですが、魔族に精霊魔法使ってたらリアリティがないよ・・・。まあ、コミック版でオチは知っていたので、VSゼロス戦の描写に強く期待していたことも響いたかなあ。やはりネタバレは見ないほうが面白い。
 と、まあ否定的な意見を述べてしまったわけですが・・・上記の「8話はゼロス回」という結論を出したときに、この話も「まあありかな」、と思えてすごくすっきりした。それを踏まえつつ、且つ私が気になったポイントをスルーしてもう1回見てみたら、まあ面白かったし、いいシーンもあった。「何事も自分の物差しだけで計ってはいけない」、スレイヤーズREVOLUTIONはそれを気づかせてくれる教育的なアニメ。冗談はさておき、ファンとしての知識や価値観ゆえに損してる部分は絶対あるよな・・・、と思うとやっぱり切ない。でも、魔法選択の部分なんてストーリー変えなくても拘れるわけで、そこは誰か指摘する人いなかったのかなあ、と思ってしまう。
 さて、以下は各シーンにツッコミを入れつつ感想。
 ジョコンダ領を目指すリナたちの前にいきなり現れる大きな砦。ワイザーがリナを逮捕するために作った砦らしい。・・・しかし、相変わらず他の話との繋がりが悪いね。3話で「ワイザーは実は切れ者」ということが判明したのに、そこには全く触れずに話が進んでしまっている。ワイザーはリナを利用しようとしている。真意はまだわからないけど、その為にはリナを逮捕する必要がある。それは分かるけど、せっかく3話でワイザー切れ者フラグが立ったわけだからそこには触れておくべきだと思う。「また、あたしを利用するつもり?」「どうあってもあたしを犯人にしたいようね。」この辺のセリフをリナに言わせておけばクリアできると思うんだ。
 脱線したけど、本編に戻る。ワイザーを見て「誰だっけ?」とお約束のボケをかますガウリイにリナが雷光のツッコミwワイザーは「仲間にも暴力か」って言うけど、ツッコミは愛ですwボケは無視するのが一番かわいそうなんですよ。
 「魔道戦車破壊事件の犯人」としてポコタを差し出すリナ。ポコタは「仲間を売るつもりか」って言うけどまあ事実だし。むしろ今更?でもポコタ的には一応仲間意識は芽生えてるのね。ワイザーはポコタを腹話術の人形扱いで取り合わず。あくまでリナを犯人と決め付けるワイザーと決着をつけるため、リナは砦につっこむことに。あ、ポコタとなんか連帯感が生まれてるw
 そんなリナをこっそり見ていたのは・・・ゼロス。ワイザーに入れ知恵をしていました。「罠と分かっていてもあえてはまって勝利する、それがリナさんの美学」と言うけど・・・半分正解・半分不正解かなあ。リナ的にはその辺は臨機応変で別に「美学」ではないと思うの。罠なら罠ではまってみなければ物事が進展しない場合はあえてはまって打ち破る、その必要のない罠とか、痛い目見ることが分かっている罠にははまりたがらない。今回の場合なら、突破しなきゃ前に進めないし、ワイザーと決着つけたいし、ではまると思うが。
 ゼロスを「魔道士」と呼ぶワイザーのは違和感あるね。やつは神官だろうよ。役職的な意味じゃなくて、格好とか髪型とかその辺から受ける印象的にも。
 ゼロスとワイザーは互いに腹の探り合い。秘密です、でとぼけるゼロスと、「奥様に人気が出るから」というボケでかわすワイザー。どちらも腹黒いです。で、なんか分かり合っちゃう。それを見つめるのは・・・犬と猫wあ、こいつら一発キャラじゃなかったんだw
 さて、一方砦の中を進むリナたち。目の前の壁を魔法でぶち破ろうとするリナを止めるゼル。「こんなところで大技を使うな」っていうけどさ・・・リナが使おうとしてるのダム・ブラスじゃないの?対人なら鬼だけど、壁壊すならそんなに破壊力ないと思うけど。リナが大技使おうとしているならもっとナンセンス。だって5話でポコタに「室内で大技を使うな」と釘を指したのはリナ自身。ちゃんと整合性とってくれよ・・・orz。
 あたりを見渡すと「押すな」と書かれたボタンが。え?日本語?視聴者にも分かりやすいように翻訳してお届けしています。この「押すな」、そして後で出てくる「押すか?」のネタは原作スレイヤーズすぺしゃる「踊る迷宮」(30巻収録)からのネタ。だけどさ、ここでリナが普通に押しちゃう理由があんまり見えないんだが。本人も「押すなといわれると押したくなる」って言ってるし、ゼロスもリナはそういう人だって言うけど・・・この辺も疑問。原作みたいに「そんなベタな罠に引っかかるか!」ってツッコミ入れつつ押しちゃった、の方が面白いし、ツッコミ体質であるリナのキャラクターも出せると思うの。せっかくサブタイトルも「つっこめ、いやつっこむな?」なんだからさ。
 気を取り直して進む一行の前にびしっと正装したワイザーが現れる。ゼロスの「リナさんは意外とうぶなので、ワイザーさんの魅力で落としちゃえばOK」という作戦によるものだが・・・ほんと悪いもの食べたの?としか思えぬw当然リナの一撃で撃退。でも、リナは「おじさま好き」という今は忘れ去られたような設定があるので、そこを拾ったのは面白かった。
 次は「リナさんは情に脆いところがあるので・・・」と泣き落とし作戦→当然不発。「正々堂々戦う相手には敬意を表する」と夕焼け番長作戦→また不発。「ナメクジやぬめぬめしたものが苦手」とぬめぬめマッスル作戦→取り合わない。ナメクジの話はNEXTから拾ってますね。ゼロスあのシーン影でこっそり覗いてたのかw
 ゼロスはこの辺の作戦の発案はわざとやっていたようですw「お食事中」なのはさすがは魔族。魔族は人間の負の感情を糧にします。どうやら負の感情にも種類があるようで、ゼロスはこういう「おちょくられた人間が出している」負の感情が好きなんだと思う。で、最終作戦発案!
 と、ワイザーコスプレネタはギャグとしては面白いんですが、その真意が分からない。一応彼は切れ者のはずなんだが・・・。結構こういうバカなノリが好きなんだろうか?単に普段はギャグキャラにされているから?
 さて、最後の罠は「家族も泣いているぞ」作戦。ベタな作戦のはずだが・・・リナには家族の・・・というか姉ちゃんの話はトラウマだったwゼロス、ほんとに切り札を隠していましたね。
 リナの姉ちゃん、ルナ=インバースは神の力を宿した人間でスィーフィードナイトと呼ばれる存在。簡単に言うとめっさ強い。そんな肩書きはさておき、リナは幼い頃から、姉ちゃんにしごかれて死ぬような目にあわされているので、トラウマ的な意味でも逆らえない。姉ちゃんがリナが容疑者扱いされていると知ったら・・・真偽はともかくとりあえず鉄拳制裁でしょうな。でも、振りが唐突だったので、この設定知らない人とか忘れている人にはようわからんかったかも。
 で、取り乱し怯えるリナ。ここは姉ちゃんのカットをフラッシュバックさせて欲しかったな。それはさておき、あっさり降参宣言。姉ちゃんに殴られるくらいなら檻の中のほうが安全だわ。仲間達もTRYで姉ちゃんに怯えるリナを一度見ているので、なんか冷静に成り行きを見守っちゃってますwアメリア宥めてますが・・・そこはガウリイだろう、と。ただでさえ今回(も)空気なのに・・・。
 さて、ワイザーはポコタが片付けたので、残るはゼロスだけ。「少々本気を・・・」と黒モード突入です。さあ、VSゼロス戦。まともにやったら勝つのは不可能・・・とは言い切れないけどかなり難しいことは確か。何か思惑がありそうな表情をするリナ・・・作戦発案中。「相手が強ければ強いほど燃えるのよ」とか言っちゃって、コミック版ではジャンプ主人公じゃないんだから・・・とツッコミ入れたのですが、これはあくまで挑発と「本気で戦う」というポーズだったみたいですね。後のシーンで「無理してゼロスと戦うよりあっさり捕まるほうが楽」と本音を漏らしています。
 ここから魔法については最初のほうで書いたので、あえて触れずに感想行きます。
 戦闘の構えを見せるリナ。ゼルとアメリアにテキパキと指示を出す。この辺の仕切りは好きだ。仕方ない・・・という感じで戦い始めるゼルも良い。そして・・・圧倒的な強さを見せ付けるゼロス。アメリアが2連打したラ・ティルトがしょぼかったけどゼロスの前ではこんなもんか。アメリアはあっさり追い込まれてしまう。後ろから杖を突きつけただけで、殴ったりしない紳士的な嫌らしさゼロスらしい。ゼルはぼこってるのと対照的。リナはポコタに耳打ちしてボムディウィンで吹っ飛ばす。
 ゼルアメを圧倒して「残るはリナさんだけ」というゼロス。・・・ガウリイが数に入ってないorz。あの剣じゃダメージ与えられないからしょうがないんだけどね。リナへの信頼を口にするアメリア。この流れもいいね。何だかんだいってリナへの信頼は厚いのね。
 でもリナは降参宣言。「負けよ」とあっさり認めながらも、何か含みがありそうな言い方が好きだ。
 護送される折の中で、作戦のネタばらし。敵を欺くにはまず味方から。この作戦は流れといい、見せ方といいうまかったな、と思う。あくまでワイザーとゼロスの目的は「逮捕」だったわけで、それであるなら痛い目を見てまで本気で戦う必要はない。ポコタの小柄さを生かしたすばしっこさはリナも良くわかっているので、ポコタ一人なら後から檻に忍び込んで助けに来るのも可能だろう、という判断。運んでもらえて更にラッキーと。
 さあ次回はいよいよジョコンダ城に乗り込みます。一気に核心に迫りそうです。
 ・・・気がついたらなんかすごく長くなってました・・・。
 全然関係ないけどソフトボール金メダルおめでとう。試合見ながら感想書いていたら一試合終わったという・・・。