スレイヤーズREVOLUTION 6話までの各話のテイスト
こないだ書いた「少しずつ見えてきたスレイヤーズREVOLUTIONの方向性」というお話の続きと言うか補足というか。この話の中で6話までは「各回ごとにテイストを変えて、多種多様な視聴者層のニーズに応えようとしているのでは?」との推察をしてみたのですが、それぞれどんなテイストだったのかを二字熟語でまとめてみようかと。以下、ネタバレです。
★第1話 AMAZING 驚愕のドラグスレイブ!?
「復活」
久々の第1話ということで、10年前の雰囲気の再現と、新規層へ「スレイヤーズってこんなお話なんだよ」という紹介の回。リナを始めとするメインの4人の分かりやすい部分が強調され、とっつきやすいキャラクターの紹介になっている。ストーリーや世界観の解説より、キャラクターの「らしい」描写を優先していて、キャラクター主導で作っていく本作のあり方を示した。設定は色々あるけど、まずはキャラクターを理解してね、と。
従来からのファンへも、当時と変わらない演出と相変わらずな4人を見せることで、「スレイヤーズが帰ってきた」ことをアピール。
ギャグのテイストは、クッピーのリナ評や「弁護団」の会話など、リナをボケ役に据えた言葉によるものが多い。この辺は脚本の高山さんがCDドラマのノリを引きずっているのかな?と思った。
★第2話 BECAUSE それはリナ=インバースだから!
「回帰」
リナのイメージを原作へ回帰させた回。オープニングで「傍若無人・威風堂々、どこまでもどこまでも突っ走れ〜」とナレーションが流れていますが、リナの魅力はそれだけではない。冷静な状況分析能力と魔法を状況に合わせてうまく組み立てる戦略、という原作のリナにあるクレバーな部分をアニメでも表現した。
呪文の選択が少々マニアックだったりと、原作・旧作ファン向けの内容かな。
★第3話 CHASE 終わりなき追走
「消化」もしくは「継投」
6話までで唯一、ベースとなる原作がはっきりと存在する回。だいぶアレンジされていますが。一見ギャグ回に見えて、「ルヴィナガルド公爵」というキーワードが出たり、ワイザーのおっちゃんが実は切れ物であることが判明するなど、物語の鍵となる回だった。ただ、逆にそのあたりを暗に示しておくための、「消化試合」的な印象が強いかな。
ギャグはボケるワイザーをリナがひたすらどつく、というコテコテ系。
★第4話 DRIFTER どっちが追うか追われるか!
「暴走」
映像を使ったドタバタ暴走劇。リナはとにかく大暴れ。ガウリイもそれを止めない。ゼルガディスも暴走寸前。一見理性の側に回っているアメリアも、後半では実は正義の名の下に街を壊しているという・・・。「こんな奴らが主役でいいのか?」と、ある種自虐的な悪ノリ暴走ギャグ。セリフより、動きによるギャグに重きを置いた回でもある。
また、3話まで出番が少なかったゼルとアメリアがメインとなる回でもあった。
★第5話 ETERNAL 悠久に眠れし森
「緊迫」
4話までとは一転、一気にシリアスモードの回。旧作や原作に絡められた本作の裏設定が一気に語られ、敵キャラも登場して状況も緊迫。シリアス展開や設定考察好きなコアなファン向けの内容になっている。逆に初心者・久しぶりに視聴している層にはとっつきにくかったかも。
ギャグとシリアスの切り替えしの激しいスレイヤーズを示した回でもある。人気キャラ:ゼロスも登場。
★第6話 FALL ON 奇祭!珍祭?あの玉を押し上げろ!
「迷惑」
ストーリーに一切絡まないギャグ回。リナ達が迷惑な一般人たちの争いに巻き込まれてしまう、という、同じギャグでも4話とは対極にあるテイスト。スレイヤーズ世界に普通の人なんていないぜ!と高らかに宣言しているかのよう。リナ達がツッコミの側に回る立ち位置はスレイヤーズすぺしゃる風味でもある。
と、こんな感じでまとめてみました。確かに各話微妙にテイストが違います。よく言えば色々な面白さが楽しめる、悪く言えば一貫性がない。まあ・・・各話の繋がりは悪いと思う。特に2-3話間、3-4話間が説明不足かなあ。2話のリナと4話のリナが同じキャラに見えないという問題も。まあ、強調する部分の違いなんだろうけど・・・。
個人的には2話が一番お気に入りです。