スレイヤーズライト・マジック 1話ネタバレ感想

 ケロケロエースで新連載となった新コミック版のネタバレ感想です。
 その前に掲載誌であるケロケロエースの紹介を。ケロケロエースは小学生男児向けのホビー&コミック誌。雑誌の柱はガンダムケロロ軍曹。平たく言うとボンボンみたいな雑誌だと思ってもらえれば。そんなこんなでアニメやプラモ、カード、ゲームなんかとのタイアップマンガが大半です。子供向けなのにドラゴンエイジとかコンプティークとかニュータイプとかの広告が堂々と載っているというよくわけのわからん雑誌です。発行元は角川書店富士見書房からの参戦はスレイヤーズが初です。まあ、他に参戦できるようなコマはなさそうだけど。そんなこんなで新規子供層取り込みのため、児童誌に殴りこみです。
 タイトルは予告の「スレイヤーズふゅ〜ちゃ〜」から「スレイヤーズライト・マジック」へ変更。ひらがなタイトルはスレイヤーズファンにおなじみで、ちょっととぼけた感じがスレイヤーズっぽいんですが、子供向けならなんかかっこ良さそうな「ライト・マジック」のほうが正解だろうな。ライトは主人公の名前ですが・・・他にも意味があるのかな?
 さて、以下ネタバレで。

 一読しての感想としてはなかなか面白い試みなんじゃないかな、って感じです。まず舞台はいきなり未来。魔法がおとぎ話の世界でしか語られなくなったSF風世界が舞台です。そこに突如現れた魔族によって人類は壊滅の危機に瀕しているという設定。さらに主人公はリナではなくオリジナルキャラの少年「ライト・インバース」。彼はガンポットと呼ばれる戦闘機に乗って戦うパイロットの一人。だけど現代兵器では魔族を倒すことは出来ない。そんな未来世界に、いつもの世界からリナとガウリイが迷い込んでしまう、というのが概要。
 タイムトラベルものというと、同人誌のネタのような展開ですが、それを公式でやってしまう思い切りはすごい。そもそも掲載誌であるケロケロエースは、メカとかSFのマンガが多いので、そこに載せるならこれくらいの歩みよりは必要でしょう。読者はスレイヤーズのことなんて知らないでしょうし、いきなりリナを主人公にしたお話を途中から始めても分かりにくいと思う。原作を知っている私としても、思い切った設定のおかげで、「原作と違いすぎる」とかそんな思いを抱くことなく割り切って読める。ああ、これは番外編なんだな、みたいに。
 主人公のライト君は、魔法に憧れる少年。性格は子供に絵本を読んであげるなど優しい子だけど、それでいて怯まず魔族に立ち向かう勇敢さも持つ。強い個性はないけど、読者視点且つリアクション要員ですね。恐らくはこれからリナの魔法や行動にいちいち驚いて、リナの非凡さを強調する役回りだろうと思う。なんか振り回されそうだなあ。被害者か・・・若いのにwとは言え、あくまで「主人公」なので最終的にはライトの成長物語になりそうな気がする。さて、ライト君の姓は「インバース」なわけですが、これは子孫設定ってことでOK?顔も似てるのよね。まあ、恐らくは原作との繋がりを持たせたかったのでしょう。直系じゃないかもしれないし、はたまた全くの他人かもしれないけど。
 魔族の襲撃により出撃するライト。子供に「帰ってきたらまた絵本読んでね」と言われます。いきなり死亡フラグが立ちましたw実際最後にリナ達が現れなかったら死んでたろうな。
 その後、ガンポットに乗って魔族との銃撃戦に多くページが割かれます。「イオンプラズマ砲」「重力ミサイル」とか子供がすきそうな武器がなんかいいなwしかし、この辺で「スレイヤーズはいつ始まるんだろう?」と思ってしまったwでも、原作ファンとしてはこのマンガの面白いところは、このシーンが全てリナとガウリイを引き立てるためのお膳立てだってことですね。いやー、最後熱かったわ。ドラスレで一掃だもん。どんだけ規格外のパワーなんだよ、と。まあ、物理的パワー威力云々よりアストラルサイドを攻撃できるかどうかが鍵なわけだが。ライト君、主人公なのにかませ犬です。
 逆に考えると・・・この先このパワーバランスをどう埋めていくかが問題ですね。もっと高位の魔族を出すって手もあるけど、そしたらリナも苦戦することになっちゃって、ライトの出番が余計ないぞ、と。個人的には魔法と科学の融合みたいな展開になるんじゃないかと想像。
 この辺でライト・マジックの「魔族」について考察。ちょっと原作と設定が違って、機械と融合できるみたいなんです。デザインもメカメカした感じだし。ライト達の認識では「超大国の最終兵器、科学の暴走で生まれた、人間達の愚かな行いを正すために現れたとか、色々言われているけど本当の事は分からない。」という。理由は「真実を知る大人たちはみんな死んでしまったから」らしい。たしかに、この未来世界には子供しかいないようです。となると・・・この魔族の暴走、人災説が有力なんじゃないかな、とか思った。原作魔族とはまた別の存在で、人が生み出してしまったみたいな。ロスト・ユニバースみたいな感じで。その方が面白そうだし、原作との整合性が取れる。ただ、リナがドラスレ使ったときに「その古の魔法は我らが主の・・・」と発言しており、シャブラニグドゥは健在のようで。ドラスレ使えた時点で健在確定か。封印状態の可能性はあるけど。
 さて、リナとガウリイが未来に飛ばされてしまう理由ですが、「時間や空間を飛び越える力を持つ」幻の遺跡「クロノスの神殿」の仕掛けにより次元転送されてしまったから。ファンタジーって便利だなーと思う。「太古の神殿」の力ってことで違和感なく解決。この辺は突っ込んでもしょうがないので、さらっと受け入れておくべきでしょう。
 リナとガウリイのやり取りはすごく「らしく」ていいですね。最後はいきなりライトのピンチに現れた二人が大活躍。・・・初見の子供には二人についてほとんど説明がないけど、そこはライト視点で読んでもらえればいいのかな。
 などと、児童向けマンガを真面目に考察してしまいました・・・。いかんいかん、悪い癖が出た。こんな真面目な考察をしてても2話目からご都合主義丸出しな展開に突入する可能性もあるわけですが。でもてっきり軽いギャグの話になるかと思ったら、結構シリアス展開じゃないか。
 なんにせよ2話目も楽しみ。どこまで続くのかはわからないけど。