スレイヤーズREVOLUTION 第2話感想(ネタバレ)

 遅くなりましたが第2話「BECAUSE それはリナ=インバースだから!」の感想を書きます。
 今回、かなり面白かった。それが第一印象。正直なところ、コミック版の2話が非常に残念な出来だったので、アニメ版もそれ準拠なのかな…とあまり期待していなかったんですよね。そしたらやってくれましたよ、アニメ版!1話は「旧作当時のノリを完全再現」に徹していたわけですが、それでも、やはり新規の方に気を使ったようで、「分かりやすい一般的イメージなスレイヤーズ」という感じだった*1。だけど、今回はファン向け路線をさらに強め、「私の好きなはスレイヤーズはこれだ!」という様な感じに仕上がっていました。もう、ワクワクドキドキしながら見ちゃいましたよ。リナも原作イメージにちゃんと回帰してくれました。この点は全く期待していなかったので嬉しい誤算。いやー、今後の展開が一層楽しみになってまいりました、というところで、ネタバレ感想に突入。

 前回に引続き怒れるリナ。暢気に宥めようとするガウリイは睨まれただけですごすご退場。首引っ込んでるしw。「見捨てないで下さい」というアメリアに「ごめん無理」の一言。リナのリミットはよくご存知のようで。この辺のやり取りがなんか好き。
 ここで前回説明足らずだった、アメリアがワイザーと知り合った理由、ゼルと一緒にいた理由が説明されました。ゼルはフィルさんから正式にアメリアの護衛を依頼されたそうで、なにやら剣を掲げられて儀式めいたことまでやってる。これ・・・ゼルとアメリアはもう親公認の仲ってことですか!いつの間に…。少なくとも、定期的にアメリアに会いにいってたんじゃないかな・・・と思う。アメリアにとって、リナとガウリイよりゼルのほうが連絡がつきやすい、ってことだし。そういえば、ゼルは今回、彼の悲願である「元の体に戻りたい」という旨のセリフを1度も口にしていない。何か心境の変化があったんだろうか。ゼルとアメリアは2話段階では活躍や出番が少ないので、今後に注目したい。
 で、ルヴィナガルド王国からの要請でリナ探しに着手したというアメリアですが・・・結果的にリナがルヴィナガルド領内にいたのは全くの偶然?この辺りが少し行き当たりばったり感がある。まあ、ノリ優先ってことで目をつぶろう。
 セイルーン議会の満場一致で「国家規模の珍事に関わっていてもおかしくないと判断した」と聞いて「今度行ったら滅ぼすか・・・セイルーン。ルヴィナガルド王国も滅ぼす!」とリナ。これはなんと言う犯○予告。あの・・・そういうの今本気じゃなくても逮捕されるんですけど・・・。制作期間を考えると偶然でしょうが、タイムリーなネタになってしまったという・・・。普通なら規模大きすぎて予告にならないはずが、リナなら実行できるだけの力があるのが恐ろしい。それを聞きつけたワイザーに「逮捕!」と詰め寄られるわけですが、やむなし。スレイヤーズREVOLUTION 完。まあ、それは世界の違いで回避したようで。
 リナはワイザーにちゃんと説明をして欲しいと迫る。「あたしを納得させた上での逮捕なら逃げも隠れもしない」というリナの潔さがかっこいい。・・・結局「リナ=インバースだから」説で押し切られるわけですが。状況証拠だけとはいえ、説得力のある説よのう。
 ここでガウリイがリナの手を取り「何年でも待ってるから」とボケる。ギャグシーンですがガウリナキタコレ。NEXTではラブコメ色強め、TRYは一回りして落ち着いた感じになってましたが、この辺、REVOLUTIONではどういうスタンスになるんでしょうねえ。ここにも注目だ。
 身の潔白を証明と見せ場を奪われた恨みを晴らすため、謎の小動物探しに繰り出すリナ。おびき出しのため、次に狙われそうな戦車へ案内してもらうことに。この辺の機転というか知略の部分が原作よりで嬉しい。「傍若無人」「威風堂々」だけではないリナの魅力。戦車が保管されている砦には物々しい兵器がたくさん配備されており、ルヴィナガルドが軍事国家であることを匂わせる。この辺はこの先の展開に関わってきそう。
 おびき出し作戦は早くも成功し、ポコタ急襲。リナとガウリイの二人で追いかけることに。さあ、ここからが今回の見所!リナVSポコタの魔法決戦!林原さんラジオで「今まで使った事のないような魔法をガンガン使っている」との予告どおり、多彩な魔法を見せてくれました。しかも相手の出方を伺いつつ小技の応酬です。ここも原作寄りの展開!熱かったよ。
 私だけじゃないと思うんですが、10年以上ファンをやっていると、戦闘時におけるリナの思考や意図が読めるようになってくるんですよね。この辺、今でも原作のすぺしゃるを読むときに味わっている感覚です。とりあえず魔法は9割方名前が出た段階でどんな呪文かわかるので、イメージがぱっと広がる。なんと言うか、リナの心情とのリンクによる臨場感ですね。「読める」とは言いつつ、彼女は常にトリッキーなことをやってくれるので、それに驚かされることの方が多い。今回、その感覚がアニメでも楽しめたので嬉しかった。・・・などといいつつ、これ、あんまスレイヤーズ世界の魔法をよく知らない人が見たら、単によくわからない魔法を打ち合ってるようにしか見えないよな・・・。やはりファン向けの内容色が強い。ご新規さんは興味持ったら是非原作読んで勉強してみてください。スレイヤーズの世界をもっと楽しめること受けあい。
 で、それを踏まえて今回の魔法バトルを解説すると、本来炎系の呪文をを好むリナが、開幕弾に氷系の呪文を使ったのは、森の中で炎の呪文を使うと木に燃え移って火事になる危険があるため。ポコタは問答無用で炎使ったけどね。で、「あぶないじゃない」というセリフに繋がるんだと思う。その後も風系、アストラル系呪文による応酬が続く。ポコタも理解したのか炎は出ません。いや、ポコタが最初に炎の呪文を使ったのは、リナの氷呪文を相殺するためかもしれない。この辺の魔法選択に拘ってくれたのは非常に嬉しい。原作では状況で魔法を使い分けるのはよくあることですから。
 「小技の応酬では埒が明かない。かといって大技を使う隙はないし」というモノローグ。心理描写も臨場感あってよいよ。で、その後リナが使ったのがフェリアス・ブリード。これはNEXTで鳩を召喚するのに使った呪文。呪文名がアニメオリジナル、という珍しい呪文です。まさかそこを持ってくるとは思わなかったよ。どうなるのかと思ったら・・・小鳥さんたちのアタック!
 >ピジョンのつつくこうげき!
 >こうかはばつぐんだ!
 と、リナが優位に立ったところで呪文応酬合戦はひとまず終了。熱い、熱いです。ポコタを冷静に挑発するリナもかっこよかった。こういう駆け引きを含む魔法対決は今後も期待したい。
 ここで飛ばしたシーンに目を向けましょう。ガウリイにも一応見せ場はありました。ポコタの気配を察して、斬撃一閃。さすが野生のカンです。「人間か?」と言われるくらい超人的な動きを見せるガウリイ。NEXT最終回を思えばこれくらい出来ても不思議じゃない。結局は地下深く埋もれてしまって見せ場終了なんだけど・・・。まあ頑張れ。
 さて、2話も終盤。最後の仕上げ、って段階で個人的に残念な部分が。「小さい」「薄い」「貧乳」と禁句を立て続けに口にしてリナの逆鱗に触れてしまったポコタ。増幅ドラグ・スレイブの餌食になってしまいます。あれ・・・大技を使う隙はなかったのでは・・・?まあ、ポコタはダメージを受けて隙が出来た、ってことで。この辺からギャグパートに突入してますし、その辺は流すしかないのかね。リナは1話でもドラグ・スレイブ使えなかったし、流れ的には当然なのかも知れない。
 で、増幅の呪文を唱えるわけですが・・・そこの読み、「魔力」と書いて「ちから」ですからorz。これは非常に残念。台本にルビ振り忘れたか?呪文については過去シリーズでも間違いは多く「意味があっていれば発動する」というご都合設定もあるんで、許容は出来るんですが・・・残念は残念。
 もう1点残念なのはせっかくのドラスレ演出が今ひとつノリきらなかったことです。旧作はバンクとは言え、作画もかなり力はいってたし、何より音楽がよかったのよ・・・。そこは音楽も再現するところだろう、と。今回は怒りに任せて前のシーンからの引続きで使ったのでこういう演出だったのかなあ。逆に考えれば今回はバンクではないようなので、毎回の演出に期待。
 すさまじい威力を見せる増幅版ドラスレ。光の剣があったとは言え「死ぬかと思った」で済むのは恐ろしきギャグパート。ドラスレ撃ったらとりあえず気はすんだようで、しばし馴れ合うリナとポコタ。
 REVOLUTIONのオリジナルキャラで謎の多いポコタですが、早くもその一端が見え隠れしています。まずは「好きでこんな体になったわけじゃねえ」という発言。どうやらあの小動物の姿は仮の姿のようで。やっぱ人間なのかな、元は。そして「光の剣(レプリカ)と魔道戦車はオレが作った」「魔道戦車を盗んでいったやつを突き止めなければ」という発言にも注目。ポコタはかなり高い魔道技術を持っているみたい。となると、「人間」ではないのかもしれない。リナの魔力増幅がタリスマンによるもの、ってのもすぐに見抜いたようで。なるほど、このために増幅版使わせたのかな?「盗んだやつ」として恐らくは真の敵となる存在が示唆された点も今後の展開を占う上では重要ですね。
 最後は結局ポコタとんずらで振り出しに戻って終了。ドラスレ関連の演出とミスが残念でしたが、非常に濃い第2話でした。3話以降も楽しみ。そろそろゼルとアメリアの活躍も見たいですね。

*1:もちろんそれでも面白かったことは確かなのですが。