キャラクターの観点から見るスレイヤーズREVOLUTION 第1話

 飽きもせずに今日もスレイヤーズREVOLUTIONネタ書きます。だって11年ぶりの祭なのです。今日はキャラクターにスポットをあてて書いてみようかと思います。スレイヤーズREVOLUTIONにおける各キャラの立ち位置、的な内容です。

★リナ
 今回のリナはオープニングの前の口上にある「威風堂々。傍若無人。どこまでもどこまでも突っ走れ〜」これに全てが集約されているように感じる。つまり、旧テレビシリーズ3部作で生まれた「アニメ版リナ」のイメージをさらに見つめなおし「傍若無人な暴走キャラ」としての部分が強調される形になっていると思う。
 少し脱線するけど、アニメ版リナのイメージについて私見を。ネット等でよく見かけるアニメ版リナに対する評として「原作より幼く、直情的で、原作にある冷静な知略家という一面が欠けている」というようなものがある。この点に関しては私も概ね同意。ただ、以前もこのブログで考察したことがあるのですが、アニメ版のリナ=メイン脚本の高山治郎さんの書くリナのイメージは原作初期のリナを元に作られたものであると思う。この「初期リナ」のイメージは原作2巻に顕著に現れている。魔族に売られた喧嘩を買ってみたり、いきなしデイミア邸にファイヤーボールをぶち込もう、と言ってガウリイに止められてみたり、推理を外しまくって行き当たりばったりな行動をしてみたり。セリフや行動の端にも幼さが見え隠れする。この辺の暴走っぷりと直情的な行動はアニメ版のリナに通じるものがある。要するに…原作の「冷静な知略家」というリナのイメージは、シリーズが進むにつれて…つまり彼女の成長と共に生まれた新しい印象なんだと思う。もちろん、元からその素養はあったと思うんですが。
 本編初期より幼いはずのすぺしゃるのリナだって「冷静な知略家」じゃん、というツッコミがはいるかも知れないが、すぺしゃるにはまた別の要因からリナに冷静さが求められている。要するに、すぺしゃるのリナは、ナーガを初めとする周りの濃い人たちにツッコミを入れるというポジションなため。実は、新たに読み返してみると、すぺしゃるも初期においてはリナは暴走する側でした。ナーガにツッコミを入れられる回なんてのもある。恐らくすぺしゃるも初期においては「リナが好き放題暴れる」という形のギャグスタイルだったんだと思う。ところがそんなリナを上回る濃いキャラがどんどん出てきてしまい、いつしかその濃いキャラ達にリナが振り回されるというように立場が逆転してしまった。それが現在の原作スレイヤーズすぺしゃる(もうすぐタイトル代わるけど)のギャグスタイルなんじゃないかと。そんな背景に本編で次第に生まれた冷静さがミックスされ(この辺の順序はどっちが先かわからないけど)、傍若無人さの中にも知略と冷静さとツッコミを兼ね備えた現在の原作リナのイメージが生まれた、そう思う。
 と、アニメ版の話に戻ります。アニメ版はリナは原作初期のイメージから生まれ、性格の面ではそこからあまり変わっていない。ギャグのスタイルもリナが暴走し、周りがそれを止めるという形で成立している。恐らく、その方がアニメとして分かりやすいからでしょうね。原作は小説なので、リナの心中の動きを詳しく説明できる。でもアニメはそれがやりにくい。映像とセリフで分からせるつくりにしないといけないですから。で、今回11年のときを経て再アニメ化するにあたり、新規層への配慮も含め「傍若無人な暴走キャラ」というわかりやすい部分をさらにクローズアップさせているのではないかと。林原めぐみさんがインタビューで

「リナが、今までにないくらい人を殴ってますね!(中略)演じている私が「リナ、もうちょっと落ち着こうよ!」って思うくらいです(笑)。 」

という発言をしており、アニメ版リナの猪突猛進ぶりはさらに加熱しそう。
 個人的には、原作の「冷静な知略家」の部分ももっと出して欲しいんですけどね。シリアスシーンに入ったら少しはそういう面も見えてくるかな?

★ガウリイ
 ボケキャラ化が進行してしまいました。これは新規層への解説要員としての宿命をなんだろうけど・・・たまにはかっこいいところも見せてくれorz。オープニングにもあるズーマ戦に期待だ!
 原作との比較論も一応やっておくと、原作ガウリイ最大の魅力はそのさり気ないフォローにある…と思う。野生のカンで察知した敵襲からさり気なくリナを守ってみたり、リナが敵と交渉しているときに後ろでプレッシャーを与えてみたり。そしてリナが元気がないときはいち早く察して励ましてみたり。この辺アニメ版ではほぼ皆無。ピンチに参上とか、そんなシーンはあったけどさ。REVOLUTIONでは、どうなる?

★ゼルガディス
 ゼルは無印に戻ったような冷静キャラになってます。NEXT以降、いじられキャラが定着しつつありましたが、今回は普通にかっこいいポジションでしたね。参謀的な役割も担ってました。その辺はリナにやらせても良かったと思うんですけどね。リナの暴走キャラ化が進んだ分、逆にゼルは冷静に戻った感じ。果たしてシリーズ中維持されるのか?

★アメリア
 1話の段階ではずいぶん大人しくなってしまった印象。顔面着地なかったしな・・・。「セイルーンの王権代行者」としてルヴィナガルド王国入りした以上、あまり無茶はできなかったのかな?終盤では攻勢に回ってましたけどね。

 と、1話の段階ではこんな感じの印象を受けました。旧作シリーズのイメージを踏襲しつつ、新たに煮詰めなおした部分もあるかな、と思います。